ミャンマーにおける世界最大規模のマングローブ植林プロジェクト

2019年1月5日(土)

ミャンマーは、ASEANの中でも森林減少が著しい国です。ミャンマー政府は、この事態を重くみて、その保全や回復などに取り組んでいます。

マングローブ林の無秩序な伐採も問題になっています。さらに、自然災害により、壊滅的な被害を受けたマングローブ林もあります。

今回は、ミャンマーにおけるマングローブ林の現状と、世界最大規模のマングローブ植林プロジェクトについて、ご紹介します。

危機にひんしているミャンマーのマングローブ林

ミャンマーでは、近年、外貨獲得のための木材輸出などによる森林減少が深刻な問題となっています。

中でも、国土の中央を流れるエーヤワディ川の河口デルタ地域のマングローブ林は、耕作地への転換、エビ・魚の養殖、炭の生産などにより伐採が進み、1920年代の面積と比べて、現在はその4割弱しか残っていません。

これに加えて、2008年には、強大なサイクロン“ナルギス”が上陸。高波により、エーヤワディ管区を中心に、国内に甚大な被害がもたらされ、エーヤワディ・デルタのマングローブ林も大きな被害を受けました。

再認識されたマングローブ林の防災機能

マングローブ林の存在する地域は、それがない地域よりも、サイクロンによる高潮被害が少ない傾向が見られました。
実際、マングローブ林の存在する地域に当時住んでいた人たちが、「マングローブの木につかまったり、マングローブの林に逃げ込んだりして高潮から逃れた」と証言しています。

こうしたことから、天然の防波堤として、地域の防災機能を担うマングローブ林の有効性が改めて認識され、その復旧が緊急の課題となっていました。

そして、世界最大規模のマングローブ植林プロジェクトが開始

ミャンマーでは、予算が都市部のインフラ整備に優先的に充てられるため、自国だけでは広大なマングローブ林を回復することは困難な状況にあります。
このため、ミャンマー政府は日本に支援を求め、マングローブ植林プロジェクトが始まりました。

プロジェクトは、エーヤワディ・デルタにおいて、ODA(政府開発援助)の一環として、2013年から2017年にかけて行われました。

植林面積は、東京都千代田区とほぼ同じ1,154 ha。これまでにない大きな規模で、植林を効率よく遂行するには、日本の総合建設業の施工管理能力が必要とされ、工事は株式会社安藤・間が担当しました。

植栽されたマングローブは、順調に成長しているようです。