【インターンコラム】農業従事者の未来はいかに

ミンガラバー。
私事ですが、渡緬してもうすぐ2ヶ月が経ちます。
目下の心配事といえば「ミャン太り」(ミャンマーでの運動不足・高カロリーな食事等の生活習慣で太ることを指して、こう言うとか言わないとか…)。 美味しいと有名なミャンマービールも飲みすぎは禁物です。

ミャンマー人の体型はというと、10代、20代の若者は小枝のように細く、民族衣装のロンジーがよく似合うすらりとした体型の人が多い一方で、 40代、50代に突入すると、恰幅が良くふくよかな体型の方が目立ちます。
恐らく、これは代謝が落ちる年頃になっても若い頃の食生活を続ける結果だと思うのですが、なるほどミャンマー人の食生活を見ていると太るのもやむなし、という印象を抱かざるをえません。

ビルマ料理と切っても切り離せないのが、コメと油。
代表的なビルマ料理の「ヒン」は肉や魚をたっぷりの油で煮込んだもので、これをおかずに大量の白米をいただきます。 コメは日本同様、麺類や菓子にも加工され、1人当たりのコメの消費量は日本の3~4倍ともいわれます。油もヒンや揚げ物に利用されるだけでなく、 白米、麺類、アトウッ(ミャンマー語で「サラダ」の意)などあらゆるものに垂らして摂取されるので、その消費量は日本の比ではないはず。

ミャンマー人の食卓を構成するコメと油糧作物(ラッカセイやゴマ)は同時に、ミャンマーの主要農産物でもあります。 労働力の約7割が農業に従事するこの国では、国民の多くがコメと油に生計の一部を頼っているといえるでしょう。

栄養的観点からみれば、決してのぞましいとはいえないビルマ料理(個人的にはビルマ料理、大好きです!)。 一方でミャンマー人の食事が、多くの農業従事者の生活を支えているのも事実です。

日本では、食の洋風化にともなうコメ離れが、コメ農家を圧迫してきました。 一方ミャンマーに目をうつしてみると、地方でこそあまり見られないものの、ここヤンゴンでは各国料理のレストランが次々にオープンしています。
今後ミャンマーでコメ離れが進めば、健康意識の高まりから油の摂取量が減少すれば、日本で流行る糖質制限ブームのようなブームが巻き起これば…当然、農業従事者の収入にも変化をきたすでしょう。

他の作物を栽培するのか、農業自体を辞めてしまうのか、はたまたコメや油の新たな需要を生み出そうと起業するのか…やり方は様々でしょうが、変化をいち早く嗅ぎ取り適応することこそが、農業従事者の生き残りの術なのかもしれません。

農業の機械化や灌漑設備の整備など農業の生産性向上を図ることは勿論大切ですが、いかに農業従事者のレジリエンスを高められるか、そのための知恵とスキルを発展させていくことも重要な課題のひとつでしょう。

ミャンマーで長く続いてきたコメと油糧作物の栽培も、ここにきて変化の局面を迎えているようです。