資金調達サポート

事業の拡大や運転資金の需要が生じた際、日本所在の本社や関連会社等から借入による資金調達を検討するケースがあります。増資や国内金融機関からのローンも考えられますが、増資はライセンス変更等に時間を要する可能性がある他、国内金融機関からの借入は金利が高くなることが見込まれます。
VACでは日本国内および現地の各分野の提携ネットワークを活用して、資金調達におけるアドバイスから実務処理までトータルにサポートいたします。

ベトナム法人による外国ローン借入及び担保設定について

海外ローン締結時の留意点

国外からの借入は外国ローンとして扱われ、ドル・円を含む外貨で実施することが可能です。
まず、借入期間によって一年以内の短期ローンと一年超の中・長期ローンに分類され、中・長期ローンに該当する場合には、原則としてローン契約締結日から30日以内に、ベトナム国家銀行(SBV)に対する登録申請を要する他、借入限度額についても、登録資本金との関係で制限(外債枠)が生じます。SBVへの登録が行われていない場合には、利息・元本の送金時に送金金融機関から取り扱いを拒まれ、返済が滞る等のリスクがあるため注意が必要です。
一方で、短期ローンの場合には上記のような規制はありませんが、使途が当局に登録済みの事業についての運転資金に限定されます。

外国ローンの短期ローンと中・長期ローンの比較
短期ローン中・長期ローン
ローン期間1年以下1年超
SBV登録×
外債枠による制限×
運転資金目的への使途制限×
四半期報告×

担保設定について

担保の種類としては以下のとおりです。
  1. 質権
  2. 抵当権
  3. 手付
  4. 預託
  5. エスクロー
  6. 所有権留保
  7. 保証
  8. 信用保証
  9. 留置権

(1)担保制度の概要

上記の担保のうち、人的担保(保証人による保証)および物的担保では、質権と抵当権が用いられることが多く、実務上では土地使用権及び土地上の建物に対する抵当権が重要な役割を果たしています。

(2)保証
日本と同様、ベトナム法人に対するローンの貸付に際しては、返済の担保として、法人代表者等に対して個人の人的保証を求め、保証契約を締結することが考えられます。

(3)抵当権
抵当権については規定があり、抵当権設定者が自己の所有する財産を抵当権者に引き渡さずに担保に供するものをいいます。
抵当権の対象は、土地使用権及び土地上の建物、そのほかの資産を対象として設定することが可能です。土地使用権及び土地上の建物に対する抵当権の設定は、原則として、ベトナム国内の金融機関にのみ認められ、ベトナム国外の外国企業またはベトナム所在の外資系企業がこれらに対して抵当権を設定することは認められないため注意が必要です。


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