日本企業のベトナムへの事業拡大意欲が近年、増加しています。
ジェトロが行った「2017年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、日本企業のベトナムでの事業拡大意欲が、3年連続で増加していることが分かりました。
この調査は、ジェトロのサービス利用企業(海外ビジネスに関心の高い日本企業)9,981社を対象に実施されました(有効回答率32.0%)。
今回は、ジェトロの調査結果から、日本企業のベトナムへの事業拡大意欲と、拠点・機能の再編について、ご紹介したいと思います。
ベトナムへの事業拡大意欲が中国に次ぐ2位へ上昇
「現在、海外に拠点があり、今後さらに海外進出の拡大を図る」と回答した企業について、海外で拡大を図る上位20か国・地域を見ますと、ベトナムの割合が3年連続で増加し、中国に次ぐ2位まで上昇しました(2015年度32.4%→2016年度34.1%→2017年度37.5%)。
一方、中国は、ここ数年にわたって1位を維持しているものの、その割合は年々減少しています。2011年度に67.9%であったものが、2017年度には49.4%と、20%近く減っています。
非製造業の事業拡大意欲の増加が顕著
ベトナムでは、非製造業での事業拡大意欲の増加が顕著になっています。
2017年度は、前年度よりも8%近く上昇(43.1%)。2011年度からは20%以上も増えています。
一方、製造業の事業拡大意欲は、2014年度から2016年度まで増加を続けていましたが、2017年度は前年度とほぼ同じでした。
なお、タイやインドネシアでは、全体的な事業拡大意欲の鈍化が続いています。また、フィリピンでは、製造業の事業拡大意欲が年々増加しています。ASEAN内でも、国レベルでは事業拡大意欲に差がみられます。
日本からベトナムへの拠点・機能の再編を考えている日本企業が多い
国内および海外拠点・機能の再編を過去2~3年に実施した企業と、今後2~3年以内に再編を実施する予定の企業の割合は、合わせて19.8%でした。
再編件数全体(690件)のうち、最も件数が多かったのが、日本からベトナムへ拠点・機能を移すことによる再編(46件)でした。これに、中国の国内拠点間(43件)、日本から中国(42件)、日本からタイへの拠点・機能の再編(30件)が続きます。
国内および海外拠点・機能の再編については、日本からベトナムへの拠点・機能の移管を筆頭に、日本、中国、ASEANが再編の軸となっていることが分かりました。