ベトナムは46%もの関税が迫る中、貿易バランスを取る為米国から輸入加速

2025年7月2日(水)

・アメリカをぶっ潰す!トランプ劇場 現代版ポルポト的愚挙も

朝令暮改という言葉が最適なトランプ。頻繁に思考がコロコロ変容し根拠なく話すなど支離滅裂。世界と自国民を敵にして大言壮語を続けているが臨機応変ではなく体のいい逃げ方。米中バトルには腰砕けの尻すぼみで敗北を喫した。辛うじて基軸通貨が立場を維持するだけで、相手を追い込めば、窮鼠猫を食む、なんてことに成り兼ねず焦りゆえの悪あがき。唯我独尊、裸の王様そのままの暴君状態。策を弄して策に溺れ、競争原理と科学、学術文化無視で側近は分裂して去り陰りが出るのは道理。国を分断、対立、劣化させ、民主主義を破壊。
あれっ!こんなはずではなかった、と彼の言葉通りに行かず、思い通りにならなかったのが金融市場であり、GDPや株式の下落がみえ、インフレの兆候に企業業績はマイナス。これにはアメリカ人自体が困惑の度を深め、支持率にも影が濃く減少。熱狂的信者と言える労働者を優先する思考が明確の岩盤層でもサヨナラするのは時間の問題です。一日でロシアとウクライナとの戦争を終わらせるなんて豪語していたけれど、プーチンにも虚仮にされては形無し。
同盟国もバカでない。何時までも隷属的に甘んじず、新たな産業を模索し始め、仕組みを変える動きが出て来る。もはや頼る必要が無いと世界からアメリカを見限れば孤立と凋落が待っているだけ、新たな関係構築により世界的に貿易圏の多様化、多面化で企業の国際的横断化が進む可能性が出て来たと思えます。

・チン首相の指示

暫くは言うことを聞かなくてはイジメに会うだけと、ベトナムでもチン首相がアメリカとの貿易不均衡を是正(縮小)するため、5月に航空機や医療機器等のアメリカ製品の輸入を強化する様に各省庁へ指示したと伝わっている。
であればもっとドラスティックに老朽化している第7艦隊をまるごと買います。なんて虚勢を張り無茶振りを見せるのは子供だましだが、意外にもトランプに馬鹿受けかも。逆なでは損するだけで、当面は下出にでて様子見が正解なのか。
習近平主席との会談を終えて後、チン首相は各省庁との会議でベトナムとアメリカとの間における関税に関して様々に指示を出したと報じられています。
貿易交渉については、4月23日にベトナムのディエン産業貿易大臣とグリア米国通商代表部との電話会談で開始されました。本来は9日に発行する予定であった高関税であったけれど、90日間の延期となったため、アメリカが主張するベトナム側の貿易黒字減少のため、チン首相は製品の原産地、非関税障壁、
知的財産権、行政手続きなどアメリカの懸念に対処するため、ベトナムの当局が実施した包括的で積極的な取り組みを行なっていることを認めたのです。
前向きに取り組んではいるが、状況は依然として複雑であると指摘。各省庁へ進展状況を注意深く監視し完全に理解すること、迅速かつ効果的に対応できるよう指示したとあるのだが、交渉担当者にすれば堪ったものではありません。
政府首脳は各省庁へはアメリカと積極的に関与しワシントンに懸念事項を明確に説明すること。またベトナムが実施、あるいは実施しようとしている措置について詳細に述べるよう求めた。また持続可能な貿易が出来、収支を確保するため液化天然ガス、航空機、医療品、医療機器、農産物などのアメリカ製品の輸入について契約交渉を迅速に行い、これを5月までに行うように指示した。
残念ながらトランプの鼻息の粗さにどうしようもないのが現実のようです。

チン首相は交渉担当者に対し国家主権、安全、国家の利益を保護し、ベトナムの国際的コミットメントを支持するが、完璧と性急に事を構えるのは得策ではないとして冷静で柔軟な態度、だが決意を以って交渉の席に臨むように求めた。一寸の虫に五分の魂、武士に一分がある、のはなにも日本だけではなさそう。
このため関係機関へ相互関税に関するアメリカ側と迅速に協力し、ベトナムを市場経済国家として認識する、ハイテク製品の輸出制限を解除する様に求めた。要するに常に中国とアメリカのハザマに置かれた社会主義国という事実は変わらない。だが現実をみれば高度に発展した独立国家で繁栄を享受している社会であり、COVID-19からも回復。ベトナムが国際的なお約束、法制度の一貫性を確保しつつ国家主権を保っており、アメリカが懸念を有することなく法的枠組みを引き続き改正すると述べたとある。これは具体的には知的財産権や著作権保護に関する法改正とか行政手続きの効率化を行なうという解釈であり、これまで野放しでやり放題であったことに付いてやっと認めた訳です。
チン首相はこれらの交渉内容作成に関し関係省庁に指示を出したが、商工省が中心となって纏める全体的な交渉計画に統合されるとある。

ベトナムは日本、韓国、イギリス、インド、インドネシアと並んでアメリカが貿易交渉を優先している国の一つであると自認しているだけに、日本が先陣を切って最初に臨む交渉過程を注意深く見守っているのです。
アメリカが最初に選んだ日本、表向きトランプは日本が好きでシンゾーとの深い関係があると言いたげだが誤魔化されてはいけない。先頭打者ホームランを打っても1点しか入らないのが一番バッター、これを日本に任じたのは何らかの考え、演出効果を狙った企み。叩けば落ちるはず、繰み込み易いという甘さが判っている。何処かに強硬姿勢を示さなければ言い成り、それまで国会得意のダラダラ牛歩戦術が良いかも。痺れを切らす間合いが攻め時。しかし黒字の英国との交渉成立はアメリカの作戦勝ち、日本は出鼻を挫かれて形無し。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生