ベトナムでの日本人現地採用の方法

2019年1月30日(水)

ベトナム進出を果たし、事業が軌道に乗り始めると、事業拡大等で日本人人材が必要になる場合があります。ベトナム含めて海外での日本人の雇用は2つのパターンに分かれます。

・駐在員: 日本本社と雇用契約を締結し、ベトナム支社に派遣(ベトナム支社とも雇用契約を締結)
・現地採用: ベトナム支社と雇用契約を締結

今回は、日本人現地採用の方法をご説明します。
日本人現地採用は、外部業者を利用する方法と、外部業者を利用せずに自社で採用する方法に分かれます。
 

<外部業者を利用する方法>

・人材紹介会社を利用
・人材広告会社を利用
 

<外部業者を利用しない方法>

・自社採用

それぞれの特徴をご説明する前に、「採用活動のプロセス」をご説明します。こちらのプロセスは、採用活動を自社採用で行う場合のプロセスと同一になります。
 

<採用活動のプロセス>

1. 求める人物像の洗い出し
2. 募集要項(求人票)の作成
3. 募集要項(求人票)の告知
4. 転職者(候補者)の確保
5. 書類選考
6. Skype面接
7. ベトナム現地面接
8. 内定
9. 入社

上記の「採用活動のプロセス」を踏まえて、人材消化会社と人材広告会社を利用した場合、上記のどのプロセスをアウトソーシングするのかという視点で特徴をメリット・デメリットに分けて見ていきます。
 

<人材紹介会社>

企業に求める人物像をヒアリングして、自社(人材紹介会社)に登録している転職者(候補者)の中からスクリーニング(求める人物像にマッチするよう絞り込み)を行い、企業に転職者(候補者)を紹介する。企業に転職者(候補者)を紹介後、選考活動をサポートし、採用に至れば、成果報酬フィーを企業へ請求する。

・メリット
1. 上記2~4の代行
2. 上記4の転職者(候補者)をスクリーニング(マッチした人に絞り込み)しての紹介
3. 上記5,6,7を企業様と候補者様の間に立ち、日程調整、合否連絡等の代行
4. 上記7の転職者(候補者)のベトナム滞在時のサポート
5. 上記8の内定通知書締結のサポート
上記の採用活動プロセスの代行に加えて
6. 成果報酬型(採用するまで無料)
7. 人材市場や転職者の客観的なアドバイスの提供
8. 採用活動を短期に終わらせることが可能

・デメリット
1. 費用が高い(相場は年収の25~30%、または月収の2ヶ月分)
 

<人材広告会社>

インターネットまたは紙面にて、企業の募集要項(求人情報)を掲載する場(メディア)を提供。

・メリット
1. 上記3の代行
2. 一部、募集要項(求人情報)の掲載を無料としている企業もあり

・デメリット
1. 無料でない場合、採用の有無に関わらず広告掲載料が発生
2. 採用活動が長期的になる傾向がある
 

<自社採用>

採用活動を全て自社で行う。

・メリット
1. 自社採用のノウハウの蓄積が可能

・デメリット
1. 採用活動の手間暇(作業工数)が発生する
2. 会社、若しくは採用担当者にブランドがない限り、採用活動は長期化する

費用面で考えると、一般的には人材紹介会社の利用の費用が一番高くなり、その次に人材広告会社、自社採用と続きます。
但し、多くのベトナム法人の企業では、人事部はあっても日本人採用チームは無いかと思いますので、採用活動の手間暇を削減したい思いもあるかと思います。手間暇の削減で考えると、人材紹介会社の利用が圧倒的に手間暇の削減となり、人材広告会社、自社採用となります。

各企業様のご状況に合わせて、今回ご説明した採用活動の方法を選ぶ、または組み合わせてご利用されるのがよろしいです。

また、大前提として、ベトナムで日本人が働く(就業する)には、労働許可書(ワークパーミッド)とビザ(査証)の取得が必要となります。ベトナムで日本人を採用される場合は、労働許可書(ワークパーミッド)とビザ(査証)の取得条件を満たしていることをご確認ください。
 
詳細は、JETRO(日本貿易振興機構)様のWEBサイトよりご確認ください。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/7449e5550e1db333/vn-rp.pdf
※クリックすると、JETRO(日本貿易振興機構)様のWEBサイトに移動します。

筆者:ASPIRATION VIET NAM CO., LTD・代表 福田 昌志