【ベトナム 改正入管法施行に関連して】第5回 単純労働分野へ対象拡大 今に始まった訳ではない

2019年6月5日(水)

今までは単純労働への就労は認めない。当然ビザは出ない。ある時HCM市の日本料理店で働く熱心なベトナム人がいて、日本で本格的に修業したい。これを知人が何とかとしたいと思ったがどうしようもできません。人手を欲しい店は沢山ある。また本物の日本料理を普及させるには必要不可欠だが、当時日本食は世界的ブームでなく、さりとて料理学校へ行かせる余裕はありません。
外国人就労は日本の産業や日本人の仕事を脅かし給料が抑えられるという感情論から見て不可という立場を採り、専門的、技術的に高度な人材しか要らない。これが続き反対意見に繋がっていますが、これではグローバル化は進みません。
人手不足を理由に外国人受け入れ拡大を望む業界からの強い要望があり、企業の論理を損なわないように創ったのが今回の改正だと感じます。
伝統技術を持つ職人は減少だが、厳しい世界での職には日本人は就きたくない。このままでは廃れるだけ。また深夜や肉体労働、単純と思える作業や危険と思える仕事も嫌。世界は5G社会へと進化、休みが多く綺麗でかっこいい仕事をしたい。要は日本人の就労意識や価値観の変化。人手が少なくなった理由です。
これを主に新興国の外国人労働で補う。即ち需要と供給の原理であるけれど、
いつ迄経ってもその場限りの域をでない詭弁のように思えます。三顧の礼を尽くしてもこのままでは一時凌ぎの間に合わせとなり、納得できなくなり時期は必ず来ます。その時はそっぽを向かれてしまうのが目に見えます。

筆者:IBPC大阪 ベトナムアドバイザー 木村秀生