・欧米 移民政策崩壊の理由
世界各国で外国人労働者の移民の受け入れに際して、資格や技能などの条件を問わずに永住資格を認める国はありません。ベトナムにしても高度人材を受け入れる方向にあると報じられているほど。となれば簡単に就労ビザがとれないということになる可能性もあるので、時代は変わった。
この様な中で、国際的にみれば日本は先進国の中で比較的リベラルで開放的な政策をとっている。言い換えれば甘いのだが、この理由は派遣先ルートが明確であり、留学以外の目的は主旨がどうあれ就労だといえるのです。
日本は四方を海で囲まれており、小さな船での密航などは困難であるため上陸そのものが容易でない。また元々難民の受け入れなど行なわないということは分かっている。ベトナム戦争が終了しかけた際、何人もボートピープルとしてベトナムから来たけれど、彼ら難民は国内の2カ所の収容所に収容されたが、本人の希望で第三国へ行くことができた。というか単に公海上で人道上救助しただけで中継国という理解。これを優先させました。
日本は基本的に外国人を受け入れたくないという考えだし、審査が厳しいことは伝わっている。ルーツが日本にあっても、また外国への政策移民であっても、
国籍が変更されていえば、墓参りなどの要件での一時帰国でさえかなり慎重に行われほど排他的であったという外ありません。あのカンボジア、ポルポトの時代、行く方不明になった国籍離脱した同胞に冷たい仕打ちをする程の国です。
中曾根政権の5万人留学生受け入れ計画、福田内閣の10万人に倍増計画など国際化のアピール。人手が足りなくなると、主にエッセンシャルワーカーへの期待から実質的に低賃金労働の受け入れを始めるが、技術を学ぶ実習生と称して3年間の受け入れを行った。これは都合の良いとこ取りだけの欺瞞に満ちた悪政を平然と行う神経が分らない。なおも移民政策はとらないと躍起になり、舌を出してまで国民を欺き、言い続けているのは滑稽でしかありません。
さらに国籍変更を難しくする方向にある現政権。外国人政策を掲げるけれど、一体何をしたいのか皆目わからない。
だが他国の場合、かつての宗主国であった植民地から危険を冒してまで難民として入ってくることがある。この殆どは内戦や、例え能力があっても職が無く食えないから一族でやってくる。余りの大量難民で溢れかえり、住宅や無償で配給する食糧などで予算が膨れ上がっているのが現実。子供は学校へ行かせて言葉を覚えさせなければならないし、そこへ来て仕事を奪われるとして地元民から簡単に受け入れるなという抗議が起きているのです。
本来、日本が外国人の永住型の受け入れを行うのであれば、社会保障政策などがどの程度整備されているのかが重要となる。この点に於いてアメリカの政治学者が制度上は少なくても、他の先進国と比べてそん色がないと指摘しているとあります。
ところが日本は政府が否定し続けていても、実質的に移民国家として機能していても自認しない、国民も考えていないのはなぜか。これに関して20年以上日本の移民政策を研究してきたアメリカの学者ファラーは、国家と特定の外国人集団を同一視するエスノナショナリズム(*注:文化的、宗教的、同一性によって特徴付けられる集団をエスニック・グループと呼ぶ)が強いことに加え、アメリカやオーストラリアなどのような伝統的な入植型移民国家のイメージで理解しているから、としている。だが学者の論理は分かる様で、理解が難しい。
しかし単純に考えるなら、外国人に合法的な入国と、永住のための法的経路と制度的枠組みを提供している国、と置き換えれば、捉えやすいと提案している。
・日本は選ばれない国ではない けれど
この所ネットやメディアで、日本は外国人から、仕事をする所ではないとする記事がある。実習生も故郷の家族へ仕送りが目減りして少なくなったどころか自分自身の生活すら厳しくなったともいう悲惨な事情を書いている。
この原因、円安でこれまでの通貨価値が下落して母国の家族に仕送り出来ない、物価高は事実なのだが、特に外国人格差(差別)が考えられるなどと言っているのには全てが正しくないと考えるけれど、果たして事実なのでしょうか。
この記事には、むしろ日本は移住したい国として希望する人は増えているとあり、しかも高学歴や高収入のある人からすればその意欲は高いと書かれている。
中国人の日本の経営ビザの取得が急増している背景は自国に於ける経済問題であり正確な情報があれば、ウソなど見抜ける。また生活に政治的感情もあり、手続き代行業者ではビザ取得希望が増えているという。
これは韓国でも同様の傾向があるとされ、同じ様に学歴が高くて収入がある人ほど海外に移住するといい人口の10%にも達するとか。即ち自国を見限ったのだが、日本人の多くは其処まではやらないし、憧れの海外移住どころではない。
日本人の考えはどうかと言えば国力が低下、円安が一向に是正されず物価高で苦しんでいる。保険料は上がる一方だが反対給付としての還元は期待できない。年金給付も国家的詐欺。不動産はもはやサラリーマンをしていれば購入できないし、子育ても保育所の選考に漏れて共稼ぎができない等々、先行きは真っ暗。日銀は世界のマクロ金融事情を見誤り政府も何ら手を打たなかったし、政治に期待できない。現政権では円安が加速、国債は売られ、作られた株価は下落の危険がある。下手をするとハーパーインフレ?その次に控えるのはデフォルト。危機感を国民は持つべきなのに高支持率とは不可思議なことです。
だが外国人から見ると、円安効果は別にして、民主的で医療保険制度は整っているし、何よりも街は綺麗で住民のモラルは高い、平和で徴兵制度もなく治安が良く安全で自由に暮らせる。こんな国は外には多くありません。筆者も18年間ベトナムに居たからこそ彼らの考えはよく理解できるのです。
カナダにオーストラリアへの移住希望者は日本の2倍以上もあったというが、今その差が縮小しており逆転したともいう。アメリカは元々移民で成り立つ国。トランプ政権になって移民排斥で移住希望ランクは急降下して落ち目も良い所。
ベトナムにしても確かに労働者の海外派遣先が東欧とか中東にも広がっているけれど少数。日本は絶対的一位で台湾、韓国の御三家の順位は譲らないまま。
これでは世間が云うところの日本へ実習生は来ない。のではありません。
何故か。ヨーロッパなど距離的に遠い、けれどその他には文化や習慣がアジア諸国とは程遠く、宗教に食事は全く異なる。ベトナム人の多くは仏教であり、同じ米を主食にする民族なので、毎日パンとスープでは体が持たず病気になる。こんなことがあるから思うほど伸びていないのです。
一部では問題がある日本の企業もあるけれど、殆どの会社と従業員は親切で、仕事はし易い。何よりも人手が足りないから制度が新たになれば期待が出来る。この辺り、現場の送り出し機関に実習生として実際に日本企業で働いている人の気持ちになって考えるべきなのだが、これをしていません。
一方的に悪い面だけ強調してお涙頂戴のメディア記事も間違っているし、法律を犯して犯罪を起こすなど問題外。これを如何にも企業側に責任があるとして、相手国の派遣制度問題、悪徳業者を排除せず利権に溺れるとか、かつての様に本当に日本で働きたい人ではなく、語学力はない、意欲もなく楽に仕事をしたいなんて論外。必ず両面から現場を調査して、問題点を押さえて貰いたいが、殆どはそうでないのが実態であるが現状は片手落ちなのです。
こうした人達は、真の現場の事情や実態を知らないし、多くの人はベトナムでの生活体験や仕事をした経験もなく、ビジネス実態も理解できていない机上の論理に陥っているのではと考えています。
また近年は日本への大学や院への留学も増えていて、卒業後にそのまま残って日本企業に就職する。また帰国して進出日系企業に勤務して、現在では役員に昇進した人や自ら経験を元に起業したとか、取得した技術などを現地で活かし進出企業へ部品を収めている企業もあって成果を出しています。
支援すると云うのは、政府にしても民間団体であっても金銭やモノだけでなくこうした人的交流を通じて信頼関係を構築し、双方向で進出や組織に入り混んで双方が利益を上げて還元する。この共通認識ではないかと考えています。
さらにこれから移住する人は増えるけれど、これは政府の制度の改革ではなく相手の学力が高ければ理解度は高くて速い。また経済格差が縮小する程に移住はし易くなると記事は言う。だがそこに語学の壁がある。知人がノルウェイに
移住した。スーパーで働くけれど、夕方には語学を教えてくれるセンターに行っていたけれど無料。政府が人手は欲しいため、この様なサービスをしている。
日本政府が語学習得を相手国に任せずに、自国でやるのが正しい措置なのです。
日本が民主的に開放する事が課題であり、彼らの能力が高ければ収入より文化、心理的障壁が無くなってくるともあります。
・2040年 移民の約9割はベトナムからやってくる?
いやはや何と驚くべきお告げ。これはJICAの推計で2040年までの日本における外国人労働者の将来の予測であるが、来日する外国人労働者について日本側の地域、産業別労働力需要、また送り出し側国の送り出し圧力の分析から分かったことで、初めての試みという。また国外移住圧力のピークに関してはIMFが世界で行った調査と一致するとある。これはGDPが一人当たりで3500ドルまでは経済水準の上昇とともに移民圧力は上昇するというのです。
JICAでは日本向けに特化して分析すると一人当たりGDPが7000ドルまでは日本への移住選択が上昇する。これらを元にベトナムの日本への移民数を割り出すと、そのシェアが90%に上昇すると見込まれるとしているのです。
また国立社会保障・人口問題研究所の調査で、2020年時点での外国人労働者数は205万人、2030年は324万人、2040年には504万人になるという。さらに滞在期間が長くなると、その数は2030年に387万人、2040年には何と748万人にもなる、この様な推計が出来るという訳です。
IMFのモデルを参考に、アジアから日本へ労働移住を具体的に分析すると、JICAでも同じ結果が得られたとあります。
これは一般に公表されていない驚愕の数字だが、根拠がない訳では無いので、政府も検証して今から政策をどう講じるか考えなければいけないのに先送り、見て見ぬ振り。即ち外国人が来なくなるぞ、とする単純な印象操作では解決できない切実な局面を迎えているという問題提起と捉える。
これは是川 夕氏(国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部 部長)書かれたものを要約、加筆したが、我々の気が付かない処で、国家機関がこの様な見解をしているということをコラムに纏めた。政治の場で、或いは我々が幾ら否定しようが現実問題、また海外の研究者に於いても日本はすでに移民国家の体を成しているとの研究結果があるという事実を確認するべきと考えるのです。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生