ベトナムの農業① 農産物の輸出は増えるが課題も多い(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー 木村秀生)

2019年4月3日(水)

ベトナムの農産物輸出は世界15位。農産国であるこの国はカシュ―ナッツ、胡椒の輸出高が世界1位、米・コーヒーは2位で、この他にも花卉類や南国の人気果物、野菜も輸出。一部は既に日本にも入って来ていますがまだ僅か。
昨年、農産物輸出額は402憶ドルに達し、今年政府目標は430ドルを設定していて積極的。しかし国際競争力は決して強いと言えません。
では何が問題なのか、現実に起きている実際の例を挙げて考えてみます。
先年、HCM市で青果を生産し、オーストラリアへ輸出している経営者から、日本人の農業専門家を紹介して欲しいとの依頼がありました。そこで農大出の有機栽培専門家で在住する友人が居て、現地の農家を指導して野菜など生産。また家庭へ定期配達、加工食品事業も行った人物が適任と考え面談したのです。
同国へ留学経験のある女性がオーナー。今後販売量や種類を増やしたいのだが基より農業は素人。自社栽培をするがスタッフは必要な知識やノウハウが不足しており生産管理など充分でなく限界との由。なかなか殊勝!そこで実際に農地を見ないと状況が掴めず提案できないと伝えたが腰を上げない。また国内でも有機野菜の販売をしたいとの事で、伝手で日本の農場や生産現場、流通事情を視察する提案をしたが応えは無い。此処での特徴。目先の利にとらわれて、専門家に頼むのでさえ費用をケチる、理念や戦略がなく先行投資を考えない等ビジネスセンスの無さが欠如。その場限りの経営者の顔がやはり露見しました。
一般的に生産段階では、相手の要求に応えられるだけの技術や品質の基準を満たしていません。機械化の推進、収穫後の選別、保管、温度管理、加工等でも海外市場が納得するレベルまで達していない。量の増加しか考えない生産者。輸出は伸びても品質が改善されないままなら価格は安く押えられ進化はない。
流通段階は集荷設備、鮮度を保つための予冷庫や包装資材、コンテナ、専用の運搬手段などに付いても前近代的はそのままだと言わざるを得ません。
マーケティングも遅れていて商品にはストーリー性が無く、ブランド化も殆どされないまま。これでは付加価値が付かず、評価される訳がないのです。
メコンデルタはベトナムの穀倉で果物の生産も盛ん。しかし、一次産品の状態で輸出されるものが多い。資金がなく加工技術も低いため、高収益を得られる商品作りが殆ど行なわれていません。グローバルな視点ではベトナムの農産品は相対的評価と認知度が低い。蜂蜜やジャムなど美味良品があってもバルクで輸出され、相手先ブランドでビン詰めされた商品が販売される実態があります。勿体ない話だが、生産者も分かった上で冒険しないと言うのでは埒が明かない。
日本は自治体に研究機関や試験場があり、品種改良や新種開発を競っているが、此処では充分機能していません。だが状況は徐々に変わりつつあります。

筆者:IBPC大阪 ベトナムアドバイザー 木村秀生

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