農業・畜産分野で進化が③

2021年7月20日(火)

・課題

急速に展開している畜産分野 しかし歴史が浅く問題も。
ひとつにアメリカやオーストラリアからの輸入肉と価格競争力が劣る。これは飼料が不足するので輸入する必要があり、乾草等の輸入話が以前にあったほど。
品質を向上させるとか、元々農業分野で多かった家族的経営を改善し大規模化でコスト圧縮を図るが、日本の様な生産者の明示化が出来ていません。
政府は畜産業界が養豚、養鶏、食肉牛の肥育、乳牛の飼育に重点を置き、食品の安全と環境保護を並行させる基準を順守。将来的には輸出できる環境を作る目標を設定するとしています。
食生活が豊かになるのは良いとして、畜産は環境破壊に繋がるためベトナムが常にいうところのSDGsは何処へ行ったのやら。

・官民連携が進む農業

以前に認めたがベトナムでも一村一品運動が盛んになっている。
この中で茶葉の生産に関して品種改良と認証制度に成果があったとしています。
ベトナム緑茶は美味しくない。日本の様な伝統と技術が無く種類も無い。北部タイグエン産の茶が良いというが、葉の色は綺麗でなく荒くて膨らまない。色、香り、旨み、どれをとっても不足。
中部のラムドン省バオロックは以前にコーヒーを栽培していたが、日本の製茶メーカーが進出し土壌改良から始めて苗木を植え付け。日本製の機械を持ち込んで製茶をして品質が向上。ドライブ・インにその模型があります。
ベトナムの茶生産は世界第7位、アジアでは2位で74か国へ輸出しており、
34省で栽培され12万Hr強の栽培面積がある。紅茶・VN茶に加工されるのが51%、緑茶28%、他1%。
輸出が増えたのは5年前。官民で品種改良がされ、認証制度を実施して品質が良くなったとされます。この為20年計画で始めた品種改良へのプロジェクトで30種類の新種の茶葉が生まれ?栽培しやすく品質の向上した茶が60%を占めるとされるが、あくまでも茶葉協会と行政の話。輸出に力を入れ事が出来るとしているのだが真相は。 認証に関しては茶処タイグエン省とソンラ省で生産されたもので、条件に合致するだけの茶葉に産地と生産方法を認証するマークを付与する。製品には農薬などの使用に関する厳格な管理と品質、流通過程を証明するもので、今年から25年までに行い、生産の効率化を促進する予定としている。茶生産農家は約2000軒あり教育と指導を始めるとされるが、何分に歴史が無いだけにそう簡単に完成するものではありません。

・その他の開発商品

商工省も黙ってはいません。同省が進めるバイオテクノロジーや食品加工産業振興のため試験的に行った事業で、今価格の低い蜂蜜に如何に付加価値を付けるかという問題の渦中、新製品が登場しました。
ベトナムは蜂蜜輸出国で世界10位、アジアでは2位で毎年5トンが生産されている。
しかし残念なことに生産者が独自でブランド化し、販売ルートを開拓するなどの努力をしていません。従って安い価格で買われるか、バルクで輸出し相手国業者のブランドで高く売られる実態。せっかくコーヒーや豊富な各種果物の蜂蜜があるのに天与の差別化が活かせない。
品質の高い業者を訪問して工場や試験室を見たが、望外にも濃くて美味しい。品質検査は日本製検査機を使う程でしっかりしており、データも保管してある。だが自社での販売は面倒臭いという経営者、何とも勿体ない話だがこれも現実。
国内で農産物を生産する業者、経営者にも、はっきりとした考え方を持ち実践している人もいる。試食すれば目が飛び出るほど旨くストーリーも明らかです。
この良品が東京の有名量販店で売られていた事実は大変勿体ない。ベトナム産というだけで評価されないというが、行政の怠慢でもある。
だが新たに加工食品を造ろうと目を付けたのが酒。即ち蜂蜜とカシューナッツを原料に、研究の末に開発に成功したのが29度の新酒。
醸造技術も確立され、今年この酒を食品会社で約6万L、人類初の酒とされる蜂蜜酒6万Lが醸造され、製品化したのが冒頭の話題です。

・塩害に関して

天候やメコン河上流での水資源問題、海水の遡上でこの地域の塩害の被害が増えていて大問題。これを防止するための対策工事や運河、水田では淡水の備蓄が進められています。
ソクチャン省では溜池が造られ昨年末からこの水を使用。行政は有効的に活用できるよう調整を行い、農家へは田植えの適切な時期を通知するシステムを活用するようになりました。
キエンザン省は今年3月1234Hrの水田に被害が拡大している。このため運河の水門を開き海水の侵入防止を行ったとある。しかし田植えの時期に雨が少なく干ばつの影響も出たため、米の収穫量は前年の79%に落ち込むと推測している。また計画通りに種播きが進まず耕地面積は4826Hr減少したと報じられるが年々酷さが増す塩害と気候変動に拠る干ばつ。農業を支える水問題は農業に深刻な影響を及ぼしています。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生