ミャンマーでは、国内最大の都市ヤンゴンが最も注目されています。街には、ホテルや大規模ショッピングセンター、オフィスビルなどが建ち並び、現在も新たに建設が続けられるなど、活気にあふれています。
しかし、海外からの進出企業の増加に伴って、賃料の高騰や人材の争奪戦も深刻化しています。このため、最近では、地方に関心を向ける日系企業も多くなってきています。中でも人気が高いのは、第2の都市マンダレーです。
今回は、マンダレーと、そこにいち早く進出した日系企業についてご紹介します。
ビルマ王国最後の首都
マンダレーは、ミャンマーの中央部に位置し、都市部の人口は約215万人。1860年から1885年までは、ビルマ王国最後の首都でした。市街地は碁盤目状に区画され、旧王宮など多くの歴史的遺跡があります。
古くから、交通の要衝として栄え、隣国の中国やインドと深いつながりがあります。現在も、中国やインド系企業の進出が続いています。
民政移管後初となる日系大手建機メーカーの工場が稼働
大手建設機械メーカーのコマツは、2015年、マンダレーに、建設・鉱山機械の使用済み部品を修理・再生する工場を稼働させました。工場では、非常用発電機なども生産しています。
同社は、1995年にヤンゴンに事務所を構えて以来、ミャンマーに建設・鉱山機械関連の工場を開設するのはマンダレーが初めて。また、日系大手建機メーカーのミャンマーでの工場稼働も、2011年の民政移管後初でした。
ミャンマーは、ヒスイなどの鉱物資源が豊富。同社は、中長期的に建設・鉱山機械の需要拡大が見込めるとして、生産拠点を設置しました。
こちらも日系物流企業として初の合弁会社設立
物流会社エムケー(広島県東広島市)は、2015年に、現地のヘラクレス社と合弁会社ミャンマー・エムケー・ヘラクレスを設立。日系物流企業が、マンダレーに合弁会社を設立するのは初めてのことでした。
同社は、日本で培ってきた物流ノウハウを生かし、ヤンゴン‐マンダレー幹線道路間における「両荷物流」を実現。今後は、タイムリーな輸送や、顧客のニーズに合った輸送品質に対応するために、航空貨物輸送も手掛けていく予定です。
同社による合弁会社はヤンゴンにもあり、現地法人ではミャンマー人を採用。現地の優秀な若者に雇用の場を提供しています。