偽物コーヒーを作った夫婦が摘発される

2025年8月14日(木)

食品偽装はこれまで日本でもあって、摘発された事件が結構沢山ありましたが、その会社は嘘がバレた後には潰れるなどの天罰が待っているだけ。国産と言いながら中国産などであったとか、国産品でも産地偽装があり農産品から水産物、肉類まで幅広く存在しており、ふるさと納税の返礼品にまで及んでいます。
なぜ分かったか。ラベルの貼り替えや特産品に付けるタグを産地外のモノに使ったとかとか、タレコミでも捕まるのです。一般消費者は気が付かないけれど味や形などが違っていて、これはプロが観れば分かるけれど最近は遺伝子解析技術が進歩していて、産地まで割り出せるとか。これでは大手企業であっても中小であっても言い逃れができません。
ハマグリやアサリなど、輸入してから日本の海域で一定期間浸けておけば国産となるのだから、これは法律がおかしいだけ。直ぐにでもやめるべきです。
昔から同じ様な手口で行われている偽装行為。高級杉で有名な奈良の吉野杉、他県産の杉をトラックで吉野まで持ってきて製材する。これで焼き印を押せば吉野杉として大化け、高値で取引され世間で立派に通用した事例もある。

有名なカニカマだがこれは偽物でも何でもない。石川県の水産会社スギヨが初めて開発したが、その後は各社が力を入れてドンドン進歩。もはやカニの種類ごとに味も香りも色味も違えて売っているし、ホタテにイカなどと留まることを知りません。これらのだが食品はタラを主原料、天然色素を用いているから食べても安全だし、原材料をラベルに明記してあるから問題ありません。
また肉食は体に悪いし、何よりも牛を屠ることになるので良くないと、最近は大豆から寸分たがわない大豆ミートが造られ人気が出て来たとある。
人類の進歩か、技術の進歩なのかだが、こういう傾向は、これから地球人口が未来に100億人となるとされており、何れ食料品が不足することは目に見えているから、大切な研究なのかもしれません。

ベトナムでも本物そっくりの偽物の商品を作る輩がいて、豚肉を加工して作る食べ物があるけれど、これなど繊維をほぐして味を付ける。日本で言うのならご飯にフリかけるデンブの様なモノがあって人気だが、結構な値段がしている。
以前のニュースには、何と段ボールを細かくしてまるで豚肉そっくりの繊維質の物体を作りあげ、適当に味を誤魔化して安く売る事件があった。本物の食品だと騙される人が居るのだからさぞかし手の込み入った事をしているのかと思いきや、報道に拠れば色が似ているので手で千切って何となくそれらしくしているだけで、特段技術が要るという訳では無いとありました。だが騙される。
健康被害はなかったようなのでこれは幸いだったけれど、結婚式で振る舞われたアルコール。これなど出費を惜しんでメチルアルコールを使ったので、何人かが亡くなったという実例があるほどせこい。
何れにしても安モン買いの銭失い、と昔から言われるように、金をケチっては本物の美味しい食べ物なんて口には出来ないという戒めなのでしょう。

タイトルにあるコーヒーに関してだが、中部高原が主産地。国境を接しているラオスでも近年コーヒー栽培が盛んになり、日本の大手商社が現地のコーヒー農家を指導育成している。栽培をコーヒーに切り替えてから彼らの現金収入は増えているようだが、まだ品質は良くなく、取引価格も低いのです。
そこで、中にはこの品質の良くないコーヒーを買い取り、バンメトーの取引所に持ち込んでベトナム産と称して売るケースがあったという。これは言語道断。
悪事を考え実行する者は、上には上がいるというのが現地新聞のニュースです。
このほどカインホア省に住むバオ夫婦が、偽コーヒーを製造・販売した疑いで、ダクラク省の警察に逮捕され、起訴されたとあります。
調査に拠ると、ダクラクの警察官が市内を見巡り中、バンメトー市でラベルの無い銀色のビニール袋に入ったコーヒー(120キログラム)を配達していたバオと彼の息子を捕らえた。その際にバオは原産地を証明する書類や請求書を提示できなかった訳です。
法律に違反しているのに違いない。怪しいとにらんだ警察官は、関係者全員を警察に呼んで尋問。供述に拠りバオのカインホア省にあるコーヒーの製造所を捜索したところ焙煎と包装に使用される様々な機械、そして驚くことに大豆、砂糖、着色剤、香料などの原材料が2トン以上、そして1トン以上の完成した偽コーヒーの入った1604袋を発見、押収したとあります。
バオ夫婦は規格外の偽コーヒーを生産するために、原料と機械などの設備を購入したことを認め、2024年の初めからこれまで20トン以上の偽コーヒーを造り、ラムドン省、ダクラク省、ビンディン省等の業者に売ったと自供した。
この偽コーヒーだが、完成品100グラムに付き、本物のコーヒーは僅かに3~9グラムしか使用されず、殆どは大豆と添加物で本物らしくみせているだけ。
60年以上も前のことだが小学校の給食に出された茶色の飲み物。今と違ってアルミ製の食器に担当者が注いだのが此の大豆コーヒーだったが、何となく、それらしいだけなのに、誰も本物の味を知らず、皆が喜んだ記憶があります。
これはベトナムで珍しいものではなく、何十年も前から造られており、現地の友人が筆者を有名な販売店に買い物に連れて行ってくれた際、路上で売っているのは安価だけれど偽物もあって大豆から造る、と教えてくれたことを思い出した。未だにコーヒーの産地でこんな悪事を平気でしでかす奴が居るものです。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生