人材紹介会社を利用した場合の日本人人材の採用(2/3)

2019年5月8日(水)

前回は、ベトナムでの日本人人材採用としては、最も一般的である「人材紹介会社」を利用した場合の「3. 申込書の確認・締結」までをご説明しました。

今回は、「4. 紹介(書類選考)」と「5. 面接(Skype・現地)」を詳しくご説明をします。

<人材紹介会社を利用した場合の日本人人材の採用の流れ>
1. 問い合わせ
2. ヒアリング
3. 申込書の確認・締結
4. 紹介(書類選考)
5. 面接(Skype・現地)
6. 内定
7. 入社

4. 紹介(書類選考)
「2. ヒアリング」では、人材紹介会社の担当者が訪問してサービスや料金の説明と共に、企業様がどのような日本人人材を求めているのか、応募条件や求める人物像などをお伺いしています。

人材紹介会社はそのヒアリング内容に基づいて、自社に登録されているベトナム転職希望者の方を探し出して、企業様にご紹介します。このヒアリング内容に基づいて、企業様にマッチするベトナム転職希望者の方を探し出す行為は、『スクリーニング』と呼ばれます。

現在は海外転職の敷居が低くなり、ベトナム転職も注目されておりますが、日本人を欲しがる企業様の数(需要)とベトナム転職希望者の方の数(供給)には差があることと、企業様の欲しがる日本人材が細分化されてきたこともあり、企業様の立場からすると、全ての応募条件を満たしたベトナム転職希望者の方がご紹介されることは少ないようです。

そのため人材紹介会社も紹介の際には、全ての応募条件を満たすわけでないが、どの条件を満たして、どの条件を満たさないかを説明して、履歴書と職務経歴書を企業様にご送付する方法が一般的な紹介となります。

企業様におかれましても、応募条件に優先順位を付けておくことで、書類選考が効率的になります。また、応募条件の優先順位を人材紹介会社と共有しておくことで、人材紹介会社のスクリーニングの精度も高まり、よりマッチしたベトナム転職希望者の紹介に繋がります。この人材紹介会社からベトナム転職希望者の紹介を受ける際は、人材紹介会社との適宜コミュニケーションを取ることも大切なポイントになります。

5. 面接(Skype・現地)
企業様にて、紹介されたベトナム転職希望者への書類選考を合格とされた場合は、次の選考として、面接(Skype・現地)となります。

面接の方法は企業様によって様々ですが、一般的には、最初にSkypeで面接をして、その後ベトナム現地にまで来てもらい、ベトナムで現地面接を行うことが多いです。

最近では、ベトナム転職希望者の時間的・金銭的負担を考慮されて、ベトナム現地面接を行わず、Skype面接を数回行い、最終選考とされる企業様も増えております。

ベトナム現地面接の有無は企業様によってお考えがあるかと思いますが、営業職など人間性やキャラクターが大きく影響する職種の場合は、現地面接を行い、直接お会いしてご判断される方がよろしいかと思います。

それ以外にも、Skype面接の中でベトナム転職希望者の人間性やキャラクターが掴み切れない場合や、ベトナム生活に不安を感じている方の場合は、ベトナム現地面接を行うことをお薦めします。

ベトナムで日本人を雇用することは、会社のベトナム人にとっても大きな影響を与えます。自社のベトナム人と共に働ける日本人であることも、選考で見るべき非常に重要な点となりますので、可能な限りベトナム現地面接を行い、ベトナム転職希望者の人となりを充分に把握されて、業務遂行能力のみならず、社内ベトナム人との関係性も踏まえて、総合的な視点で合否をご判断されることがよろしいでしょう。

ベトナム現地面接は、ベトナム転職希望者の方にとって時間的・金銭的負担を発生させるものですが、本人にとってもベトナムがどのような国かが分かり、どのような会社で働くのかを見ることが出来るのは、入社後のミスマッチを防ぐ一つの手段となります。

残念ながら、ベトナム転職をされた方でも一定数は、ベトナムという国が合わない、入社した会社が思っていたのと違ったなどの理由で、数ヶ月で退職して日本に帰国される方もいます。

ベトナムの選考活動は日本の選考活動と比べると、比較的短期になりやすく、企業様、ベトナム転職希望者共にお互いを調べたり、判断したりする時間が短くなります。そのため、Skype面接の回数を増やして複数回するや、ベトナム現地面接を兼ねて1日体験入社を行い、ベトナムのこと、会社のこと、ベトナム人スタッフとの関りを知ってもらい、ベトナムで働くことのイメージを掴んでもらうなどすることが、日本人現地採用の成功に繋がります。

筆者:ASPIRATION VIET NAM CO., LTD・代表 福田 昌志