ベトナム共産党大会開催 ラム書記長は続投

2026年3月13日(金)

2026年1月20日、ベトナム共産党第14回全国党大会がハノイ市で開催、560万人党員を代表する1,586人が参加。ベトナム各紙は詳細を報じています。記事の内容にはそれほど差異はなく、国家が示すプロパガンダを国民へ忠実に伝えている。
大会は連帯、民主主義、規律、突破、発展というモットーのもと、これまで国が歩んできた40年間のドイモイ路線を振り返り、今後5年間の方向性を画くとしています。この14回の大会は、2026年~2030年の開発目標と、2045年までに強く繫栄する国家にならんとする願望を実現する、すなわち国家100年の戦略目標を成功裏に達成するため、歴史的な歴史的責任と役割を担っているとしています。具体的には、平和で安定した環境を維持する事、急速かつ持続可能な国家の発展を達成する事、国民生活を全面的に改善し向上させる事、戦略的に自立し、自給自足し、自信を持ち、国家の新時代に力強く前進する事、2030年までに近代産業と高中所得国に成る目標を達成する事、そして2045年までに高所得の先進国、平和で独立した民主的に反映して、文明的で幸福な社会主義ベトナムになるとするビジョンを実現する事とあり、のっけから社会主義体制を崩さず堅持を主張。好き嫌いに主義主張は別にして働いて×5は働く前に失速、国民生活無視、私利仕略と権勢保持しか考えないご乱心と慢心の自称、奈良の女と大違い。国家のビジョンを明確に示しており、民族の誇りとか、自立を鼓舞、発展するにはあらゆる資源と原動力を解き放ち、時代の力と結びついた人民の力と民族の大団結を促進して国家建設、国防を全面的に同時に推進、そしてホー・チ・ミン主席が描いた五大陸の列強と肩を並べる強国を建設する目標を成功裏に達成するとしています。
短期的には2026年から2030年までにGDPの平均成長率は10%以上を達成し、2030年までに一人当たりのGDPは年間8,500ドルにすると宣言し、2001年~2025年の5年間を総括して成果、特にマクロ経済の安定と経済収支を確保した。さらに輸出入では10年連続で黒字を達成して、GDP成長を平均で6,3%確保、一人当たりでは5000ドルを超えて中所得国に属することができたと誇らしげに報告している。
記事にはこの他、国家組織構造の変革、行政手続きの短縮合理化を述べ、社会の改革と産業構造の変化、さらに外交面で国家の地位向上と自由貿易協定締結促進に拠る地位向上、グローバルチェーンの成功などを列挙しています。
全方位外交は継続だが、主席、政治局員の入れ替え、公安出身登用で権力基盤の集中強化、社会主義思想啓蒙を促進。元サン主席、元ズン首相の時代からは後退、自由で民主主義的な社会、経済から程遠くなってきた印象を強く感じる。

・書記長の発言要旨

13回大会の成果を挙げ、これは党の指導的役割と威信を引き続き確固たるものにしているとし、党、国家、政権に対する国民の信頼が増々高まった。新たな決意を持ち、志を持って国が新たな発展段階へ進む重要な基盤を築いた。
党大会のモットーは歴史に対する責任の誓約であり、結集のスローガン、栄光ある旗印の下、全党、全人民、全軍が力を合せ断固たる行動を決意し、着実に社会主義へ前進するとした。ところが日本ではベトナムの経済発展目標が10%以上と表面的な内容だけ報じ、どういう方向や思想を持って国家運営を進めるかは全く書かれていない。表立って問題は見えないが、将来的に現在と異なった景色が具現化する可能性が絶対に無いとは言い切れない不気味さを見ます。
社会の発展と経済発展は重要で、目標の実現のために得意の政治報告では12の主要な方向性、6つの重点課題、3つの戦略的突破口を特定したとしている。
そして行動計画を表して、直ちに実行可能な課題を具体的に語っているのです。
記事にはこの12の方向性、3つの戦略の記載がなかったけれど、中核となる精神は正しく選択する、徹底的に行動する、結果によって評価するという要件を明確化している。単に働いて×5回、なんて、何ら具体性のない言葉を連呼。
如何にもリーダーとするに相応しいと、特に政治意識が低い人たちに訴求し、法華の太鼓の様に響いて感激したという感情論でなく、ロジックを唱えているのは流石に社会主義体制らしい情宣方法とみる。

・記載された8つの重点項目とは何か

第一 発展制度と社会主義放置の整備: 実施を基準とする。
第二 新たな成長モデルの構築: 知識経済、デジタル経済、グリーン経済、
    循環型経済となっている。
第三 科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション:
    これを発展の中核原動力とする。
第四 文化と国民: 社会の精神的基礎、内発的力、資源、国家発展の原動力。
第五 国防、安全保障、外交: 平和維持による発展、発展による国力強化。
第六 党と政治体制を清廉: 強固で総合的なものへ建設、改革し人事こそ鍵。
第七 健全で規律があり、文明的で、安全で、発展したベトナム社会を築く。
第八 国民の団結: 国力の基盤である。

過去の任期経験から、伝統的成長力は依然として重要な役割をしている。だが知識、技術、現代的な管理に拠る刷新無くして、飛躍的発展は不十分。実行に拠る転換が期待され、戦略的思考から具体的行動へ、正しい政策から測定可能な成果、机上の改革から実質的変化が求められるとしています。
この他に、ファム・ティ・タン・チャ副首相は21日、政府当委員会を代表して文書の提出をしたとあります。そこにはラム書記長が述べた話を、分かりやすい内容で具体的に書いており、基本的には社会主義の下で政府は党の指導により、人民への奉仕という使命を果たすため全力で取り組む、とする女性目線は感じられるが、社会主義路線から一歩たりとも逸脱していません。
特に政府は規律と秩序の強化、汚職、悪質な慣行、浪費防止と撲滅を、勇気をもって行動する、人々の生活と幸福を第一に考えるとしているが、汚職撲滅はラム主席が前主席から遺志を引き継ぎ最も重点的に指導したものだが、国民の不平不満のガス抜きに使われている感もあります。

実際に事ある毎にお役人から要求された企業は多い。だが現在は収まったのかと言えば全くそうでなく巧妙になっている。
少しこれに触れるなら、HCM市で我々が開催する盆踊り大会があった。主催は日本国HCM総領事館、でないとこのような集会は個人や団体では出来ない。
第3回目に国営HTVが取材と撮影に来た。終わってからデレクターが要求したのが金銭。とんでもないと断ったが、この取材には有力紙、トイチェとタンニエンも呼んでいたが双方筆者の友人。当然友好的でこの種の要求など全くなかった。実は様々な場面でこうした金銭的要求を平然と行っているのです。
これ等は何度か書いたけれど、その実態は下記の様な悪行の限りを尽くします。
筆者がGMをしていた日系企業はテト前など公安が必ず来て、お小遣いを暗に請求する。これは有名外資系ホテルでも全く相違がない。断れば確実に何らかの嫌がらせを受けるのでベトナム人スタッフが対応するのです。
また日系企業に来た労働(ラオドン)紙の悪徳記者、彼はあからさまに要求して断ればありもしないことを記事にして食い物にしていた。ある知人は大阪から一人で赴任、従業員との信頼関係を造っていて、記事が出た途端に彼女達は新聞社に抗議したという事態もあった。如何に従業員と関係を造るかが大切!
別の知人の日本人は日本食レストランを開業。しかし地元公安に挨拶をしなかったので幹部が来店。彼はそれでも支払いに応じない、その結末はライセンスの取り消しという言語道断の処分を平気で強行した。
EPZで操業する製造業だが、コンテナを会社前に置くと夜に税関が来て表向きのチェック。予めコンテナの長さでみかじめ料が決まっていて、これを社長の財布から支払っていました。出さなければ出荷することができない仕掛け。
これは地元民でも変わらずで、友が飲食店を経営、毎月税務署へ報告に行った。
現場調査と称して吏員が来る、次に公安が来て食事をしてゆく。もちろん支払う素振りだけはするが、断るのを待っている。もしこれをしなければ大変な目に遭うことになる。多々あるけれど、ほんの一部を此処に改めてご紹介します。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生