ベトナム日系工場建設奮闘記 ~ナカノアパレルベトナムNghe An 工場~【第5回 修理工場からホテルへ、車のない生活】毎週更新

2022年5月25日(水)

DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫

 修理屋に到着すると、そこの社長らしき人物がにこやかな顔で「日本人か?」と聞くので「そうだ、実はクラクションが、、」と事の成り行きを説明した。「オッケー!オッケー!」とあれこれ調べてくれている間、しばらく工場で待っていたのだが、ハンドルを外したり、あれこれ苦戦しているのを見ていて「こりゃあ時間がかかりそうだ」と思った。よくみるとこの修理工場はトラックやダンプの修理工場で主に板金などを行なっている工場のようだった。修理工場のスタッフは横でトラックを溶接していたりハンマーで叩いたりしていた。まいったな、、とりあえず時間がかかりそうなのでタクシーを呼んでもらって、社長の携帯番号を教えてもらいホテルへ戻った。
 で、戻ったのはいいのだが、結局買い出しを何もできないままで帰ったので食糧がない。もちろん周りの店は閉まっている。なんとか開いている店が見つかったのだが、さすがビーチ近くの店だ、海鮮のメニューしかない。あのね、日本人が魚が好きだと言っても毎日食べるわけじゃないんだ、ましてやエビとか、カニとか、そんなに頻繁に食わない。痛風持ちの私はあまり食べないし、エビ・カニ・シャコなどは殻をむいてくれる人がいないと自分から食べることはまずない。しかもシーズンオフなので美味いわけがない、冷凍だ、多分、いや絶対。
 店の中を見渡すと、自分達が食べるのだろうか、ベトナムでは有名なインスタントラーメンの「Hao Hao(エースコックベトナムが製造販売している、好き、好き、と言う意味)」が置いてあったので、「それをくれ!」と注文した。店員は不思議そうに思っていたが「2つ?卵も入れる?」というのでお願いした。1分ほどで食べ終わりお会計50,000vnd ホーチミンなら定食やPhoが食べれるやん!と思いながらも仕方がないので払った。これがのちに理解した「外国人税」というやつだ。空腹はみたされたものの、とぼとぼとひとり歩いてホテルへ戻った。
 車がある前提で、へんぴな場所にあるビーチサイドのホテルに泊まったのが裏目に出てしまったようだ。なにもない、なにもない日本海の冬の海のようなビーチをホテルの窓から眺めていて思い出した。車の修理はまだか?昼過ぎに修理工場へ持っていたのに夕方過ぎても連絡がない。携帯に電話をかけてみるが、出ない!マジか?しまった、車に車検証を積んだままだ。これは勝手にランクルを売り飛ばされていても私の車だという証拠は何もない!車の預かり証ももらっていない!いまさらそんなことを言っても仕方ない、明日また連絡してみよう、もう疲れたので寝ることにした。ところが寒い!ホテルのベッドには薄いタオルケットのような毛布が1枚あるだけ、めちゃくちゃ寒い!夜中に服を着込んで、靴下を履いて寝た。そして、次の日寝不足の頭で修理屋の社長へ連絡した。

冬の日本海の海のような天気が毎日続く

次回予告:
この地域は他の地域より旧正月(テト)休みが長いんだって!そして「外国人税」の洗礼