ベトナム日系工場建設奮闘記 ~ナカノアパレルベトナムNghe An 工場~【第16回 Thai Binh 訪問】毎週更新

2022年8月10日(水)

DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫

 4月29日 南部解放記念日、5月1日メーデーの連休の前に、2階の床のコンクリートの打設が完了したので、やっと休みが取れた。
 ローカルゼネコンのスタッフのひとりが私の実家に遊びにきませんか?と誘ってくれたので、それではと、お邪魔することにした。
 工業団地のある Nghe An から約260km北上した Thai Binh という街が彼の故郷だ。車で約5時間ほど走った先にあるThai Binh という街は東側が海、西、南北は川に囲まれるという地形で、山はなく平地なので稲作が盛んだ。というより地形上、稲作しかできないのだ。
 あまり知られていないようだが、この街はフランス植民地軍の後、日本進駐軍が制圧したあと、約20万人(日本側の発表)とも200万人(ベトナム側の発表)とも言われる餓死者を出したと言われている地である。稲作しかできない土地で稲もみを日本軍が独り占めしたというのだから、それでは餓死者が多く出て当然だ。
 それでも日本人である私を彼の家族は暖かく歓迎してくれた。友人の奥さんと子供たちとThai Binh 博物館を訪れこの街の歴史を理解し、DaiVietというビールメーカの醸造所で久しぶりに黒ビールなどを楽しんだ。ベトナムで有名な民芸の水上人形劇はこの街が発祥とのこと。また、親戚一同が集まる食事会にも参加させてもらい、おいしい料理に大満足!
 サッカーの試合でも2022年ワールカップアジア最終予選で日本対ベトナムが1 – 1 の引き分けとなった試合がある。もはやアジアの中で日本が一番、という神話は崩れつつあるのではないだろうか、いやとっくに崩れている。私の長男とベトナム人の友人の息子はそれぞれ日本の大学、ベトナムの大学でAI やITと、同じ学問を学んでいる。これから若い世代たちのスタートラインは同じ、いや日本の方が遅れていると言えるだろう。なぜなら日本人の私の息子は英語が話すことがから、必然的に海外の情報を取り入れることができないからだ、特にIT部門ではプログラムソースを書いたり、論文を読んだりするためには英語の読解力は必須だと言えるからだ。
 こういうことは実際に海外で経験しなければ実感しないと思う。私たちも、うかうかしていられないのだ、サムライだ武士道だと檻の中の日本人は過去の話をするが、江戸時代の日本人の人口とサムライの人口比率を比べると、たったの7% しかサムライは居なかったのだ。ほどんどの日本人が一次産業に従事していのだよ。あまり過去にとらわれず、未来を見据えて若者たちが希望を持てる国にしたいものだと、国民の平均年齢32歳のこの国を見て考えさせられた。

友人の親戚の大学生4年生の娘さんが自分で書いた絵皿をプレゼントしてくれた!ありがとう!

次回予告:Visaの有効期限が、、、