ベトナム日系工場建設奮闘記 ~ナカノアパレルベトナムNghe An 工場~【第27回 ボイラー・ソーラーパネル】毎週更新

2022年11月9日(水)

DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫

 今回のPJではオーナーの意向によりSDG’sを目指す工場作りを目指している。そのためアイロンなどで使用する蒸気を発生させるボイラーは、木質ペレットを使用することになっている。木質ペレットとは、木材を細かくチップ状に砕いたものを、乾燥・圧縮し、ペレット状にしたものだ。当初中国の無錫工場で使用しているボイラーメーカーから同じボイラーを輸入する予定だったのだが、輸入などの手続きで金額が高すぎたので断念。
 Nghe An市に住んでいる私の知り合いのベトナム人有力者の紹介でハノイのボイラー会社に製作してもらうことにした。ワンオフで製作するにも関わらず、金額も中国からゆにゅうするよりも遥かに抑えることが出来た。
 木質ペレットについては Nghe An 市内にあるVSIP工業団地に日系でペレットを製作している会社があると聞いていたのだが、念のため、他のペレット製作会社も探したところ、市内にもう一軒、ローカルの会社があったので見積りを取り、比較検討することにした。
 ソーラーパネルについては、設計当初からいろいろ検討していたのだが、建物の屋根の面積が少なすぎるため、どの業者も乗り気が無い会社ばかりで、断られることが多かった。
 主にソーラーパネルの会社は顧客とリースで契約することによって、発電量と使用量を見極めて、利益を生むようなシステムになっているため、設置面積が少ないと採算が取れないのだ。また、リースではなくソーラーパネル自体を買い取るとなるとかなりの金額になってしまう。
 こちらも先述の友人の紹介でソーラーパネル会社から買い取りの方向で検討、設置することにしたのだが、ソーラーパネルも当初よりかなり安く設置することが出来た。
ローカルゼネコンの見積もりにペレットボイラー、ソーラーパネルは入っていないので、別途工事になるため、ローカルゼネコンとペレットボイラー、ソーラーパネル会社との工事のタイミングや引き継ぎなどが重要となるのだが、こちらもお互い協力的で非常にスムーズに工事が行われた。
 特に屋根や壁に穴を開けることになるので、雨漏りなどの問題が発生した場合、どちらの責任になるのか、などもローカルゼネコン、ペレットボイラー、ソーラーパネル会社との間で責任範囲を文章で確認し合いながら工事を行った。

次回予告: Nghe An で桜は育つのか?


ペレットボイラーは燃え始めに少し白煙が出る程度で、燃焼し出すとほとんど煙は出ない。