新型ウイルスの影響により飲食店が休業に追い込まれた結果。ネズミは食べるものが無くなり、狂暴になったというニュースを見かけました。
ネズミにとってレストランは食材が山程ある宝庫。夜ともなれば我が世の天国。下水道や空いた穴や壁の隙間から厨房内に侵入してやりたい放題、好き勝手。これが毎晩続くので、イタチごっこならぬ、ネズミとバトルごっこの繰り返し。
ところが休業が長く続いたため食事にありつけません。
最近の新しいビル内でのレストランはまだマシのようだが、それでも害虫駆除専門業者に依頼。駆除と消毒は食の安全と信頼のため欠かせません。
路面店のローカルレストランの場合、調理場が思うほど綺麗ではありません。調理設備にはお金を掛けないので衛生的ではない。毎日仕入れはするけれど、使い切れずに余った食材の保管も不十分。これでは好きなだけ食べてくれと言うようなもの。ネズミは雑食性なので何でも食べますが、段々口が肥えてきているのではとさえ感じます。
都市下水道網と処理場の整備が十分でなく、河川へ直接放流も収まっていない。
街の中にある道路脇の集水口。鉄筋柵がありゴミが入らない工夫をしてあるが此処にネズミの通り道がある様で、昼間でも我が物顔で出入りするのを見かけます。日本のドブネズミと違って見た目でも体躯は何倍もある大きさ。飲食店だけではなく、一般住居でも何処からとなく侵入してきます。
驚くのは就寝中に足を噛まれて病院へ行った人が居るほど見境ない。またゴミ出しの日にはネズミが待ち構えていて漁り放題で喰い散らす。アパートの場合はゴミポストがあるが、戸建て住宅には無く路上に置くため不衛生極まりない。
未だに金網で作ったネズミ捕り器を自転車に積んで売り歩いているほどなので、結構悩まされている筈だが、排水口などから入らない工夫をするのが先決。
大型のネズミ捕り粘着シートにホウ酸団子を頼まれて、持って帰った事がありますが、ネズミは賢い哺乳類だそうで、一度掛かれば仲間が藻掻き苦しむのを見て学習効果が生まれ、次は簡単には掛らないと聞いたことがあります。
ベトナムの家の床はタイル貼り。菓子やジュースを僅かでも零すと臭いを嗅ぎつけて集ってくるのがアリ。掃除していて気が付くと黒い塊になっています。またキッチンの調理台。砂糖などをこぼしたままにすれば、此処にも何時しか群がっています。甘い物には目が無いようで、砂糖を入れたプラスチック製の調味料入れでさえ、フタの締め具合が甘ければ小さく黒いものがグラニュー糖の中で蠢いています。黒ゴマが入っていた!との勘違いで大笑い。
バルコニーに花壇の設置や植木鉢を置く人は多く、外から見ても綺麗だし緑があれば暑さも凌げます。だがこれが曲者。アリの棲み処になってしまう。
また土中の巣穴から、壁を伝って一筋の黒い線を見つけ驚いたことがあります。行列は上層階のドアや窓の隙間から部屋へと延々と続いている。また壁は煉瓦で出来ていますが、中は断熱のため空洞。時間が経過するとモルタルが剥がれ、其処からも穴の中にアリが入ってしまうことがあるのです。
殺虫剤を吹き付ければ一旦は収まるけれど、また復活。何時来るか、何処に現れるか分らない。と言うのでアリの巣ころりとか、プラスチック製の容器を置いた事があるけれど、中に入ってくれた試しは殆どありません。日本製なのでエサが口に合わなかったのか、ベトナム風味を会社に提案しようなどと考え、何種類か試したのですが、おびき寄せならず、何れも不発に終わりました。
では、しからばと、巣穴に持って帰ってイチコロとかのエサを置いたけれど、果たして効果があったのか。
万物が死に絶えようとする時が来たとしても、生き残るのはゴキブリと言われます。それほど生命力が強く、ネズミ算ならぬ、一匹見つけると確実に数十匹は居るというゴキブリ算。どういう種類なのか分かりませんが暫く留守にすると床に転がっている。戸建てだけではなくアパートでも同じで多いのは台所、パイプスペースの排水管を伝って上がって来るようです。
効果的だったのがゴキブリホイホイ。帰国時に水回りと壁伝いに何個かセットしておくと面白い位に入っていました。エサの匂いに釣られたか、この武器を知らなかったのか、分りませんが、やはり壁の際に沿って動く習性は同じ。
バルコニー側のサッシュに近いところに多く入っていました。気密性はかなり低いので、雨水配管を上がって来たのでしょうか。思いの外、少なかったのはバスルーム。
ついでに、蚊。熱帯地域ではマラリアの発生が高く。これを防止するには原虫を介在する蚊に刺されない事。なので、地方で泊まると懐かしい蚊帳を吊ってくれる家があります。蚊取り線香も多く使われていて「金鳥の夏」を思い出す。
東京でもハマダラ蚊が見つかったと大騒ぎになった事がありますが、HCM市では毎年多くの人が罹患しており、日本人で亡くなった方もいる程なので注意が必要です。ただ何処の家やビル、アパートでさえも棲みついているヤモリ君。夜、灯りを求めて寄ってくる虫などをしっかりと食べてくれるので、思うほど蚊に悩まされたことが個人的にはなく感謝です。
しかし蚊に刺されないため、特に野外へ外出する時には長袖を着用し、蚊よけ効果のあるスプレー携帯は必需品。「緊張は年中」です。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生