民度

2021年3月26日(金)

芸能人などが下町のありふれた商店街やごく普通の町内を歩きながら、何かしら特別な才能や特技をお持ちの方を絵にしているテレビ番組を視ていた。
もちろん偶然を装っている演出。突然見つけたとは思わないけれど、何ら変哲もなく普段着で生活している人のなかに余りにも多芸多才の方が多く、プロとしても通用する位の力量にはびっくりします。
何となくやり取りを聞いているが、関西人同士の話は、例え相手が有名人でも気後れしないし、初めて会ったとしても如何にも友人の様な絶妙な掛け合いとフレンドリーさも一向に気になりません。さりとてベタベタしておらず、サッパリしている。さすが商売の街の文化。関西ならではの魅力でもあります。

今放映中のNHK朝ドラ。敢えて言えば浪花千恵子の来し方とは全く異なり、モデルにしたとは言わぬが花。当時の事情を見知っている知人が居て、聞くところ本当の姿とは大きく違う。
役者の演技力や評価は別に置き、イントネーションはやっぱりオカシイ。(南)河内弁も彼の地に居た者からするとかなりの誇張。口汚くて刺々しいし、あんな早口ではなくゆっくりです。また場が移ってからにしても、船場、島之内の人が話す当時の浪花ことばとも違い、品がありません。単なるドタバタ喜劇。

真の現地を知らずして情報を発信するのは間違い。文化や現状をもっと検証すべきで、間違ったイメージは誤解を生む元です。

そういえば世話焼きで有名な関西のおばちゃんは、バスや電車の中で外国人客が行き先を尋ねても誰もが快く答えている。言葉が分らなくて身振り手振りで応じるが、相手は結構わかるみたいだし、いざとなればその場所まで連れて行ってくれる親切さ。
これは中国メディアのネットに出ていたが、日本滞在中の話題には何かと事欠かない様で、色々な場面を想像するのは面白い。実際に街中ではこうした経験をするのは何度かありました。
感染が収束して海外旅行が解禁になると真っ先に目指すのは日本とある。滞在中はやり取りを楽しんで貰えれば嬉しい。旅の醍醐味は人との触れ合いです。
ベトナムにも世話焼きはいるが、行動範囲が狭く、方角が分らないのか、道を聞いても分りません。

先の番組でタレントがある店のオーナーへ色々と質問をしていた。すると彼は若い時に海外に数年住んだことで、初めて日本の良さに気が付いたと話していたのです。灯台下暗し、海外での滞在経験があるとか、旅行先で感じたなど、何かしら違いに思い当たる方は多いかも知れません。
海外の方はそうではない。自国ではありえない、初めて目にする日本での驚き。魔法に掛かった感覚に落ちる人もいるとか。まさに我々が日頃の何げない行為や態度が民度の高さとの記事が満載。聞いた話と経験することは大きく違い、リピートに繋がっている様です。

・海外で感じる日本の民度

メディアは日本旅行の際に目にした日本人の民度の高さに関する記事を掲載。これには幾つかの体験談があるが、今回は4つの事を挙げます。

・地下鉄の改札が開きっ放し

最初は故障かと思ったらしい。カードや切符なしで通過しようとすれば瞬時にアームが閉じられるので驚いたとあります。人の流れを良くするためですが、無賃乗車をする人すら見かけず感嘆したというのです。
近々開通?予定のHCM市の地下鉄。一号線は日本のODAだがこのシステムも導入されるとか。VN国鉄は改札では検札せず、列車に乗る際に係員がいて見せてから乗れることになっていました。これも今後自動改札に変わるという。
因みに自動改札は日本の発明。阪急電鉄が初めて開発して導入。また歩く歩道も世界各国で使われているが、これも阪急から発信。流石私鉄NO1、小林翁の系譜が活きている。

・歩行者が横断歩道を渡る時 車が止まる

日本は歩行者優先なので車は止まってくれるのにびっくり。何処でも当然だろうが、やらないだけ。ベトナムではペンキ代が勿体ないだけ、と観光ガイドが話す程だが、バイクはおろか車でも止まることが無い。
まして交通警察車両、バスでさえ気配なし。事故が起きるとバイクや車が悪い、となっているけれど、手を挙げて横断も無駄。
随分前に日本のTVドラマでバイタク役の香取慎吾が、日本人の女性観光客が渡れないのを見て、手を引いたシーンがあったが、こんな親切なことをする人など居る訳ないし、いちいち止まらない。
人がバイクを避けて道路を渡る、バイクは人を避けて線を跨ぐのがルールで、人を見てもスピードも落とさず、止まる意思は全くありませんから注意。

・エレベーター

列に並ぶ必要はない、とバラバラに待っている。割り込んでも注意などしないのは、誰もがやるから言えないだけ。前に書いたが強制的に列を作る様にしたほどで、これしか方法はありません。大きな会社が入っているビルも関係ない。
自分さえ良ければ!モラル後進国の典型事例だが少しずつ変わって来ている。海外へ出る人が増え恥ずかしいとする気持ちが出てきたのかも。

何時も朝、バィン・ミーを買う露店。ここは店の人が来た順番を覚えている。
先を越すことを許さない。
厳しくすれば出来なくはありません。だが教育の現場でも、殆どの親も常識レベルからかけ離れ、マナーなど教えるほど成熟した環境ではない。子は親の背中を見て育つけれど、恥ずかしい姿勢なら見せない方が幸せです。

・公共機関に守衛が居ない日本の市役所

役所の入り口にガードマンが居ない、トイレを借りようが問題は一切無い事に驚いたという。
日本の役所でも厳しくなり、事前に予約し入り口で守衛が居て、ICカードでチェックされる方式が増えてきたが、市民サービス部署では此処までしません。

以前、女性スタッフが高級ホテルでは敷居が高くて入れないと話していたし、外国人用アパートのレストランでは待ち合わせでも断られたという。ましてやトイレ拝借など考えられず、同国人には傲慢、という時代がありました。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生