誘拐殺人事件が発生

2023年11月14日(火)

日本でもこの所、誘拐事件が多くなり、なんとも物騒な世になりました。
国際結婚した夫婦の間に出来た子供を、離婚して日本に連れて帰った。良くある話だが、これが相手国の法律からすれば誘拐という立派な犯罪行為となるのです。しかし如何にも西洋の排他的で主権的思考でしかないと思えてなりません。
日本ではまだ法的に確立していないようだが、我が子を誘拐するというのも表現上は如何なものかと思えなくないけれど、およそ日本ではこれまで考えられなかった法理。義理人情に篤い日本人も、何度か新聞などで報道されているので、幼い子供でさえ人権があるとされる、などへの重要性が見えて来た様です。誘拐は一般的に他人が連れ去るものと思いがちだが確かに盲点かも知れません。
昔は神隠しなんて言ったけれど、実際に多くの人がかどあかされ、外国に売られていったのは事実で、男は奴隷にされ、日本人女性は高く売れたと聞きます。現在のカンボジアなどアジア諸国に連れて行かれ、一生涯を終えたと歴史本にもある。
鉄砲伝来に際して宣教師も裏ではこういう悪行の限りを尽くしたのです。豊臣秀吉がキリシタン弾圧を行なった背景。多数の日本人がこうした災難に遭っていた事に激怒し、さらに日本征服の野望を許さない。これが耶蘇教を邪宗として御禁制にしたのが真の理由とされます。教科書で教えない歴史の真実を知れば納得できる。
また今でも日本国内で未だに解決していない事件が結構あって、家族などにすれ悲痛な思いがあり、これは万国共通です。動機が金銭目的ならばまだしも、本当の意図や訳が分からないとなれば何ともしようがありません。

ベトナムでもかなり誘拐は多く、組織が若い娘をいわゆる人身売買で中国へ売る。こんな事件が後を絶ちません。アカの他人がではなく、時として恋人が小遣い欲ししさに女性を騙して組織に売るとか、誘拐された女性が地元に舞い戻り村の若い女性を言葉巧みに連れ去る。なんてとんでもない事件を平気で犯すくらいなので、社会悪の根は深い。また外国人女性も行方不明になる事もあり、一人旅は注意しなければなりません。
かつてハノイで日本人駐在員の子供が誘拐され、大騒ぎになったことがあります。この時は公安が威信をかけて短時間で解決したけれど、これはアホな男が犯人で単なる金欲しさでした。外国人なら大金を持っている、と思い込んでの犯行だが、公安が直ぐに動くなど、後先を考えず、目先の僅かな金銭で目が眩んだが、かなり杜撰で無計画だったのです。万一何かあれば安全な国でないとの評価が下る。
9月に発生した誘拐、殺害に至った事件。これは各紙で大きく報じられました。
首都ハノイ市の新都市、高級アパートに住む2歳の女の子が身代金目的で誘拐され、残念ながらその後すぐ遺体で見つかったという事件が起きたのです。
犯人はこの家の家政婦で27歳の女性。毎日この被害者のTちゃんの幼稚園の送迎をしていたとあります。ところが9月19日にTちゃんをバイクに乗せたまま行方をくらましてしまい、家族に15億VND(約920万円)を要求。
一般家庭でこんな多額の金を用意する事はいくら何でも簡単ではないが、家族は3億5千万VND(約213万円)を送金したという。解せないのは送金?
こんなことをすれば直ぐに足が付くのだが、余りに幼稚過ぎて話になりません。
親としてはすがる思いで調達したものの、悲惨な結末となってしまったのです。

公安は容疑者の家政婦であるチャン容疑者を手配し、行方を追っていました。
ところが翌日の20日午前、ハノイ市に隣接するフンイエン省にある養魚池でTちゃんが遺体となっているのを地元住民に発見されたのです。見つかった場所は自宅から13キロ離れた所だが、恐らくは誘拐して間なしに何らかの方法で殺害に及んだ、とみるのが間違いありません。
容疑者の行方を追っていた公安。21日の夜になって、ハノイ市のドゥーン川下流で若い女性の遺体が発見されたのです。服装などから行方を晦ましていたチャン容疑者と思われるが、バクザン省の実家の母親のDNAを採取して身元の確認を行っていると報じられました。
チャン容疑者は3人姉妹の長女、教育学を専攻したが地元では就職先が見つからす、ハノイに移り家政婦の仕事を得たという。

ベトナムでは家政婦を雇うことが多いのです。通いの場合もあるけれど、地方出身者の多くは、自宅の一室をあてがわれて掃除、洗濯、買い物と料理、また子供の送り迎えと結構忙しい。都会で稼いだ金は故郷へ送金という厳しい生活をしています。雇い主は決して大金持ちの家庭ばかりではない。共稼ぎの家庭もあるし、また外国人宅では、配偶者がベトナム人の場合は結構多くあります。
地方出身者の身元は確実でないことが多く、どれだけの証明書が要求されるかと言えば、殆どの雇い主はそこまで詳しく調べていない様だし、保証人が要るとかも聞いたことはなかったと記憶しています。
身内の関係者であればまだ良いけれど、しかしこうなると実は家事一切の何もできなかったし、学歴も殆どない。田舎の事ゆえ牛を飼っていたとか、家族が多すぎて食い扶持減らしのため、都会にいる親戚に頼み込んだとかもあった。
人材紹介会社の様な企業からの斡旋ではなく、誰かの紹介もあるけれど、友達の友だちなんていい加減。結局は直接知らないという無責任な話もゴロゴロ。
問題は、家人が居なければ何をしでかすか分らない。電話を掛ける(かつては金持ちしか回線を引いていなかった)とか、キッチンから砂糖などの調味料を失敬するし、金銭やアクセサリーなど持ち帰るなんてことはザラと聞きます。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生