(速報)地場輸出業者はトランプ関税の影響に備える

2025年5月13日(火)

ベトナムの地場輸出企業は、今回のトランプ関税ショックで競争力が失われ、余りかのバイヤーが他国からの輸入を選択するのではないかと恐れ、業者間でも懸念を引き起こしていると現地報が伝えています。
全く予期しなかった事態。46%もの相互高関税の対象国となることを知った時に驚きを述べたとあります。
タン氏の経営する会社はアメリカに特産のフルーツを輸出し、中で最高の税率が16%のドリアンを除いて低い関税を払ってきたと云う。輸出用だとしても元々価格はベトナムなのでそう高くはないけれど、手続きや流通経費など他社が得る利益の方がはるかに良いと考えるのだが。
昨年アメリカはベトナムから3億6000万ドルの果物と野菜を輸入したが、このうちVinaT&T社は6200万ドルを担ったのです。だが新しい関税が適用されるとなれば、恐らくこれまで輸出していたアメリカのバイヤーは、関税の低い他の国の市場から買い付けることになる。そうするとこの輸出企業は打撃をこうむることになり、下手をすれば事業が立ち行かなくなる可能性がある。
予測しているのは関税の低いタイやその他の国に違いないと推測しています。

アメリカはこれまでベトナムの主要貿易国であり、昨年は1195億ドル相当を輸出し、151億ドルの製品を輸入した。上位の輸出品目はコンピュータ、電子機器・部品、機械設備、衣料品・繊維製品、スマートフォン、木材製品、履物となっています。
これ等の商品群は新しい関税は発効すれば、たちまち打撃を受ける公算が高いとコンサルタント会社がのべ、上位の輸出するサプライチェーン企業が最も苦境に陥るのではないかと付け加えたという。関税は1週間以内に支払う必要があるけれど、ベトナムは高関税を課せられる国のひとつで、中国、カンボジア、ラオス、インドネシアにミャンマーも34~49%となっている。
公共政策が専門のドゥック氏は、タイは36%でしかないためベトナムは不利な立場に置かれる。フリッピンは17%でしかありません。
在サンフランシスコ総領事トゥアン氏は、SNSでトランプ政権は昨年記録した1兆2000億ドルの赤字解消の推進をしているとしています。だが柔軟性と2国間協定の余地を残しているとし、こうなると相互関税が免除されると期待しているのです
ベトナムの競争力を回復するため他国との関税格差を埋め、輸出市場の多様化と国内市場の強化が必要、即ち内需促進。また政府の企業管理コストの削減も必要で、これに航空機やヘリコプター、エネルギー、電気製品の輸入を増やすべきだとする。商工省では企業が直面する規制上での緩和にも取り組んでいるとしています。

・ベトナムの金価格は新たに急騰

株安とは反対に、一旦落ち着くかと思えた金価格なのだが、まさに有事の金。
ベトナムの金地金価格は、トランプ大統領が新関税の課税を発表した段階で上昇し新記録だとあるのです。
サイゴン・ジュエリーは1テール当たり1億240万VND(約3977ドル)となり、今年に入ってからで21,6%もの上昇とある。ここでいう1テールは37,5グラム・1,2オンスになります。

ロイター通信に拠れば、安全資産への保持に後を押され金価格は世界的に急上昇しており史上最高値付近を推移しているとあります。ベトナムでは通貨に対して一般市民の信用が無く、此の所は安定していたけれど、VND安に展開。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生