ベトナムの大学②

2022年4月27日(水)

・私立大学

このところ増えているのが私立大学。基本は日本の私立大学と変わりませんが、総合大学ではなく、国立大学と同じくユニバーシティーでないカレッジの要素が強いのです。
ハノイにタンロン(昇竜)大学、フンブン(雄王)大学、ドンア(東亜)大学、ダイナム(大南)大学があり、ホーチミン市も1994年にできた初の大学であるHCM外国語技術情報(ハフリット)大学、ホンバン大学、ホアセン大学、テクノロジー大学、トンドゥックタン大学などがあって、先の3校は日本語の学部がある。ハフリット大学は知り合いの邦人が教えていたし、ホンバン大学は現地企業で卒業生を採用したけれど仕事熱心で日本語能力は極めて高く好感を持てました。実家はビエンホアで大きな幼稚園を経営、真面目な教育一家。
ホアセン大学は日本語教育で有名な東遊(ドン・ユー)日本語学校の創設者で東大・京大を卒業したホエ先生が設立に係わり、5区の校舎を訪問した時にはその理想を熱心に語っていた大学。トンドゥクタン大学は7区、当方二店目の店舗・事務所があった近くに出来た新しい校舎が特徴で、日本人留学生も居る。夫々に特色はあるが、如何せん金が掛ります。
このほかに外国の単科大学もあるが、これを含めても私立大学はまだ少ないし、国家大学、国立大学に比べてレベルが高いとは言えません。この理由は学費が高いこと、歴史が浅いことが挙げられます。しかし海外留学をして国際センスとか経済経営論、先端技術や熱意を持つ若い先生が居て今後に期待できます。
民間のIT企業が設立したFPT大学などは今の時代に要求されるIT分野・デジタル関係の人材を養成。さらに鉄鋼などのFLCグループがハロン市に、大手デベロッパーであるヴィングループも2030年を目標に大学を設置する計画を持つが、何れも企業が設立に関わっています。かつて日本の大学の一部がそうであったように発展する可能性はあるかもしれません。

・大学ランキングと入学試験

現在ベトナムの大学進学率はどの程度かと言えば、2019年ユネスコの発表に拠ると28,64%で、162ヵ国中97番目とあります。
1990年代は公式ではないけれど2~3%程度だったので、これからすると僅か20数年の間で急増、経済成長と並行したしたと考えられます。
当時、高校進学でさえ多くなく、都市と地方の格差が如実にあり、大学はほぼ大都市部に集中。私立大学は殆どなく、まして地方には存在しませんでした。このため優秀な地方の学生はハノイ市やHCM市、また地域の中核都市の国立大学に進学する。即ち大学の数は圧倒的に少なく、この時期に学生であった人は現在50歳前後、企業なら経営に携わるエリート層と重責を担っています。
卒業しても帰郷しない。働く場や環境が伴わないのでそのまま都会に残留する。そうなると地方の質的向上が遅れる。だが何れの国や地域でも同じで、やがて地方の時代がやってくる筈。然らば高等教育機関の充実を図らねばならないが、東京大学(院)で博士号を取得した人がメコンの故郷に戻って教員をしている実例がある。地方は実家に留まり地元大学に行く優秀な(特に女子)人が多いため学力の底上げが期待できます。
日本の様な偏差値はありません。あえてこれを作っている人が居るようだが、家庭教師や塾はあるが受験産業は存在しない。各大学のランクを公表していると言うものでもありません。此処ではこれに関しての表示をしませんが、企業はUNI RANKに掲載されているランキングを参考にする事はあります。
また英国の教育専門誌であるタイムズ・ハイヤー・エデュケーションが実施する世界大学ランキングも一応の目安になるが、どう見ても正しくないのではと思える大学もある。これなら現地スタッフの評価の方が適正だし、長く住んでいれば自ずと大体の様子は分かってくるもの。
実際に現地で仕事をしていると先の国家大学、国立大学を卒業した人、現役の学生とも何らかの接点や機会を持つことは多い。私が共同事業をした際は工科大学卒業生がパートナーであったし、この人脈の強さと重要度は日本の比ではありません。またビジネス上で付き合う相手もほぼ有名大学卒で、英語、日本語が出来ます。農林水産関係となれば農林大学の博士とかもあったし、場合によって教授など有能な人との縁が出るがこれは大きな人脈であり財産になる。新興国ではこの様な人的関係の構築は極めて重要なことです。
受験のための過去問集なども知らないし、入学制度自体が複雑で日本人にとっては容易に理解できるものではありません。
さらに日本の様な神頼みは聞いた事がありません。市内の普通の民家で占い師、寺でも僧が、Thay boiと言って占うことは万事多いが、こと合格祈願するなど聞いた試しはない。
またどの高校から何れの大学に何名進学したなども公表されていないし、聞いた記憶もありません。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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