公証したところ

2022年6月21日(火)

個人的に公証する必要があったため公証人役場へ行き、その旨を伝えて相談。詳細を聞かれて説明を受け、後日に文書(公正証書)を作成してもらいました。
この公証とは、各種契約書や委任状など私文書に記載されている内容や記名・押印が本人のもので相違ないという事を、公的機関が証明するとなっています。あるいは文書にしておかなければならない内容に関して事前に伝え、予め指示された必要な証明書類を整えて提出するのです。
そうすると、これ等を公証人が確認して間違いが無ければ文書(案)を作成。内容に間違いがない事を依頼者本人が確認して伝えると、公正証書として法的効力のある文書として作成して貰える訳です。立会人が要る場合もある。
また重要書類を日付が偽造や改ざんされないためにとか、間違いない様にするため確定日付を受ける事も出来ます。
即ち公証人が居て、この方たちは元裁判官などの要職に在った法律の専門家で、万一争いになっても当人の意思を法的に証明できるという強いものです。
しかし一般の人が此処を利用するのは滅多にある筈はなく、書類を用意するのでさえ初めての場合も多く、ややこしくて容易ではありません。担当者や事務の人は簡単に説明するけれど、仕事だから分かっていて当然なのだが、素人には一生に何度もあるわけがなく、直ぐに理解できると言うものでもありません。
また彼方此方にあると言うのでもなく、所在地以外の方はワザワザ遠くから来なくてはなりませんからほとんど一日仕事。ところが結構満員。予約が無ければ当日なら何時になるのか分らないという位です。それほど込み入った案件が多いということなのでしょう。だが手間をかけて頂き、作成しても費用はそれほど高くありません。

ところが今回、ひとつ問題が。予め聞いていた日時。これは親切心と理解できるが、こともあろうに作成が早く出来たと1週間も早く連絡があった。
まして私が居ない時に、また予め不在であることを伝えていたにも関わらず、忘れていたのか。微妙な問題が孕んでいる筈なのに公証役場の××とか。
内容は言わないにしても我々が民間企業で仕事をしていた時分こういう抜けた事はしなかった。
私は案件がどのような性質か、素人でも常識的に考えてもあり得ず、ましてや数百数千もの案件を処理していればわかる筈。あってはいけないことだと伝えました。こういうことを言われるとは思っていなかった様だが、すみませんと一応は詫びの言葉を聞いた。けれど余計なことはするべきではありません。
親切心が仇になることは幾らでもある。
だが法律の専門家だからこそ考えなくても分かること。予め約束した事を遵守しなければ不利益を与える場合もある。
思い出したのが先日NHKで放映されたある冤罪事件のやり直し裁判で無罪を言い渡した元裁判官の言「人間だから間違いはある」。確かだが事の重みを考えればそれは困る。真理・真実のみ。心眼でみてこそ正しい判決を出せる。
疑わしきは罰せずともいうが、ひとつの印象で感情が高ぶるとか、好人物な人ほど命さえも左右する正当な判断はできない。裁く難しさ以上に上級審の顔色を伺う、時代錯誤の判例に縛られるならば正義を疑う。

さらに困難なのは市役所などの行政機関。個人情報の保護だとか言って以前は喧しくなかったけれど、ヤレ本人確認と委任状とか御託を並べる。本人確認は良いとして、委任状など形式的なもの。なのに、問題があればといけないとかで、もはや日本全国どこでも同じ。不便な世の中になった。
しかし戸籍なんて元来市民管理の最たるもの。寺の檀家制度もそうだし、町内に属する民の管理さえ町名主の責任であった歴史がある。
それなら住民登録だけで十分。訳の分からない過去の戸籍なんていまの時代、系譜がなぜ必要なのか疑問。まして既に往時の町名など改名されて無く、住んだ事すらない。これを見て懐かしむ人など居るのかな。
アジアでさえ一部でしか残っていない。中国の農民戸籍、都市戸籍なんて人の差別のそのもので諸悪の元凶でしかありません。

ところでこの公証制度はベトナムにもあります。HCM市1区のパスター通りにあってCONG CHUNG(公証)と呼ばれています。駐在していても、海外で公証を経験する人はまずいないでしょう。
実際ここで公証する必要があったため、一度だけ行った事がある。契約書への公証だったが、実に簡単、ものの数分でおわった。
パスポートのみ提示。あとは署名。これをコピーと確認してオシマイ。実にあっけないのだが、しかし此処で沢山の人が来ていて、様々な書類を公証してもらっていました。
書類に公証する意味など実際はない。いざとなれば、まあ、殆どないと言ってもいいけれど、なにしろ当方は外国人。なので、先方からの要望であったが、逃げも隠れもしないのが日本人。残金を来週渡しますと嘘を付き、舌の根も乾かないその日の晩に夜逃げして帰国する恨み辛みのK国人と違う。

さて、外国で仕事をするとなれば必要になるのが労働許可。これを取得するのにもいくらつかの公的書類が必要になります。多分経験した方はお分かりでしょうし、労働を所管する役所に申請業務をしてくれるコンサルタントから説明を受けたと思います。外務省でとか、ベトナムの大使館や総領事館で「認証」してもらうとことが必要と説明を受けたはず。このことを指すのです。
そこで、すなわち私文書は「公証」するのであり、役所で発行される書類の数々、公文書は「認証」するという手続きをとります。そうすれば私文書でも公文書としての取り扱いを受ける。即ちお上が間違いないと証明したという次第です。
これは私も手続きをする際に用意しました。
随分前なので忘れたが警察での無犯罪証明書。これ所轄警察署ではできません。本部の鑑識課になっており全ての指紋を取られ照合。悪いことはできませんね、と話すと笑っていた。無料。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生