ベトナムの労働者の状況

2026年1月15日(木)

ベトナム国家統計局のHPに拠ると、2025年上半期の雇用は最初の半年で5190万人が雇用されており、労働年齢層失業率は2,22%、不完全就業率は1,72%であったと報じています。また労働者の平均月収は830万VNDに達し、前年同期比で76万VND増加、順調に成長していることが分ります。

2025年上半期の15歳以上の労動力人口は5300万人で、前年前期比で542,600人の増加、労働力参加率は68,2%で0,2%減少している。
学位・何らかの資格を有する者の労働者割合は29%で、前年同期比で1%増加、労働力の質は徐々に、若干であるけれど向上していることが示されている。
就業労働者数は5190万人で、これは前年同期比で538,100人の増加。
そのうち、都市部は2010万人で。前年同期比437,100人増加、農村部は3180万人で、前期比では101,100人増加している。

経済分野別では農林水産業の就業者数は1350万人、前年同期比26,0%、243,700人の減少となった。工業・建設業は1720万人で、前年同期比では33,2%、258,500人の増加を見た。サービス業では2120万人、前年同期比で40,8%、523,300人増加している。
この統計からみるとベトナムは急速に第三次産業の割合が上昇しており、一方一次産業従事者が減少、物つくり国家を目指しながらもそれに必要な人材育成が十分できなかったけれど、工業・建設業に在っては外国企業の投資と進出のお陰で、何とか安定して伸びていることが数字から分ります。

生産年齢人口の失業率は1,72%で、前年同期比0,33%低下。2025年上半期の同失業率は2,22%、前年同期比では0,05%低下した。そのうち都市部は2,44%、農村部では2,08%で、好調な経済状況と思われます。

一般的に就業人口は増加する傾向にあるけれど、非公式就業人口が大きな割合を占める場合、労働市場の発展は持続可能と言えない。2025年上半期ではこの非公式就業人口比率は62,%で、前年同期比1,1%低下した。その内都市部は48%で1,7%低下、農村部では74%で僅かに低下。また男性は67,2%で1,0%低下し、女性が60,1%で1,4%低下した。
男性労働者の平均月収は930万VNDで、女性の710万VNDの1,32倍となっている。都市部労働者の平均月収は1000万VNDだが、農村部では720万VNDの1,39倍の格差があることが分かったのです。

・若年層の失業者が160万人に

現地報に拠ると、統計総局は2025年第3四半期の労働雇用状況で、15~24歳の若年労働者のうち、就業も就職もしていない、職業訓練も受けない者が約160万人に達した、と発表している。これは大変勿体ないことです。
これは第2四半期から見て25万人の増加であるが、季節的な要因があるとしています。だがこの季節的要因とは何か、良く判らない。
同局に拠ると、この160万人の中で、就労を希望しているが仕事が見つからないという層と、仕事をする気が無い、即ち求職していない層に分かれるとしているのです。問題は仕事をする気がないという人で、病気など止むを得ない事情があれば別であるけれど、実際に何人いるのか?
後者の求職していない層とは、妊娠中や子育て中の女性や、義務教育を終えたけれど進学も就職もしていない層だとあります。これは日本人からすれば理解が少々出来かねないことで、実際に高校に進学したけれど、授業に付いて行けない生徒が結構おり、退学する人もそこそこいるのです。では職業訓練校とかへ行き仕事を覚えるかと言えばそうでもない。また実習生として海外へ行く準備をするかと言っても其処までやらない。実に中途半端なままの人もいる。
筆者が現地で小さな事業を行っていた時だが、こういう所には高卒者が来ないことが多い。メコンや中部地方から大都会に職を求めて来た若者を採用したけれど、月給は100万VND程でしかなかった。だがこれでは生活できません。
20年ほど前には地方では高校に進学する事すら多くなかったという時代でもあったし、知人の奥様に拠るとHCM市でも1990年前後は高校に進学すること自体、少なかったと話していた位で、急速に進学率が上昇していったのは経済成長とほぼリンクしていると考えられます。

しかし国内での失業者は180万人になり、これは労働力人口の3,4%になるが、この要因はCOVID‐19の影響が未だ残っていることがあるとしている。
だが都会から帰郷して戻らず、そのまま地方に残ったけれど、地方に進出した外資系企業のワーカーとして働く人もいる一方で、都会への強い憧れから都市部へ流入する人口もあり、彼らはこれまでの様な工場勤務でなく主にサービス産業に従事したい訳で、これには詳しい調査が必要かと思われます。
また若年層の失業率が高いことは大きな問題で、9%を超え、前年同期比で13%も増えているのは由々しき事態なのです。
ベトナムにも社会保険制度があり失業保険もある。ニュースでは第3四半期に22万人が申請、これは前年同期比23,000人の減少だが、問題はこの中で60%もが学位や資格のない人で、大卒者は19%。業種別では製造業が多く35,2%、サービス業30,5%、サービス業10,2%となっています。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生