偽造品販売でブラックリスト入りしたベトナムの市場

2021年9月24日(金)

HCM市内観光をすればガイドが必ず案内するのが1区のベンタン市場、または5区のビン・タイ市場(改修中)。
アメリカ貿易代表部(USTR)は2020年の審査で、これ等のベトナムの有名市場を模造品のブラックリストに載せたと報じています。またハノイではドンスアン市場も槍玉だが、地方都市の市場にも偽物が山と積まれる。
ところがこれだけでは収まらない。急成長するオンライン・ショップでも以前から有名ブランド模造品や海賊版が売られていると批判する。

市内ど真ん中の商店、有名ビルの中のショップでさえ、あらゆるコピー商品があって誰もがその存在を知っており、たとえばCD1枚が1万VND(約50円)とかで売られています。お陰様で夜も飽きることなく映画を鑑賞。その数いつの間にか200~300枚となって処分に困りました。

・あからさまな模造品

このUSTRによると、東南アジア最大のSHOPPEEでロレックスの時計を購入しようとすれば、世界的に有名なスイスブランドの中からお好みのものを選ぶことができるとしています。これが何と25万~200万VND(約9600円)と様々にあり、いとも簡単に買えるというから恐ろしい話。
しかも段々と精度が上り偽物なのか分からなくなり、中の部品を調べるとか、鑑定団に出して専門家に診て貰わなければ素人は見分けがつかない様です。
また時計だけではなく、ルイヴィトンやグッチのハンドバッグを検索すると、僅か10万VND(約480円)と信じられない値段で売られている事が分かったという。さらに驚くべきは、新製品が出ると直ぐに同じ形の偽物がネット上に見つけることができるとするのだが、もうこれは異常を通り越して犯罪行為。フェイクと分かっていながらもあからさまにUPする。
そしてこういうモノは他のサイトでも日常的に行われているとされ、先の有名ブランドも数十万VND(約2~3千円)で提供されているとか、ナイキ製品なども一足10万VND(約480円)という嘆かわしい実態があるという。
一見するとわからないが、やはりどこか違う。問題はこうした製品が悪用され、割引対象商品として堂々と売られることにあるのです。
これに対してある世界的有名ブランドを製造する企業は、正規に販売している商品の他に自社の製品を真似た偽物の製品がECサイトにあるのを見つけて、先のSHOPPEEと話し合って排除したのだが、暫くすると再び販売されていたと報告しています。これではまるでイタチごっこ。叩いてもまた同じことをされるのには閉口したとあるが、こういう実態は氷山の一角でしかない。
モラルは完全に消えて騙しの範疇でしかありません。偽物だと知って購入する人も多いから世の中おかしくなっている。

・路上でも売られる偽物商品

少し郊外に行くと、陽が沈みはじめる時間になってからバイクが何処からともなく集まってきて、荷台から青いビニールに包んだ荷物を降ろして何かしらの品を並べ始める光景を見ます。ちょうど工業団地からの帰路、バイクに乗った工員がしげしげ眺めて品定め。気に入ったものを買って行くが生活は厳しく安いので嬉しい。
時計に靴、下着からTシャツ等など、ありとあらゆるものが道なりに広げられているのがひとつの風景になっています。
何処から仕入れてくるのか分かりませんが、また公然と売られているものの 、偽物だと誰もが知っているし、管轄の公安だって知らない訳ではありません。
モノに拠っては偽物を大量に造る工場もあるとされていますが、この他には、ある日系縫製企業の方によると、ロットごとに生地などが日本から送られてくるがロスを見越して少々余分にある。
これを誰しもが分かっている。最終工程で造られた製品のひとつを忍ばせ女性工員はおもむろにトイレへ行き、そこで自分が装着している下着の上にそれを着けることがあると言います。こうなると偽物でなく正規の品ではあるが盗品となって窃盗。
もちろん帰り際、ゲートで警備員が持ち物検査するのは何処でもやっている。だがまさか同性であっても中まで手は入れない。ましてグルならば間違いなくパス。事情を分かったうえで買い取り業者が買うこともあるようです。まさに故買であるけれど、そこまで罪の意識は無く気にもしない。

・著作権侵害

ある企業は偽物の販売を助けているとしてLAZADAを訴えたことがある。消費者は騙されて偽物を買っているのだから、本物を製造している企業は評判を落とすことになる訳です。即ちこの企業は著作権を侵害されている事になり、商売に支障が出る。この行動は正当な行為で合法的に保護されるべきで、消費者にとっては偽物を買わないようにサイトが保護するというのは法律順守の観点からも正しい。言い換えれば偽物が多いが、サイト側は何の手立ても講じず自浄作用も無く注意するよう警鐘を鳴らしたのです。要は経営が未熟でビジネスをする資格のない業者が大手でさえあるという証明。
ベトナムにも市場監視局があってUSTRの発表後に調査をしたが、知的財権に対する管理はできていると不透明な結論でした。
しかし企業や消費者を納得させ、安心できるだけの内容ではない様で、膝元の監督官庁でさえアメリカからの調査報告が無ければ調査しない。また余りにもこの種の問題がベトナムに多いとの指摘に対し、この判断では疑念を持たれても仕方ありません。
偽物を買わされたことに対する苦情の処理、法的措置への規制が無い状態では原子商取引ビジネスが成長するにしても、監視システムが不備なまま行われようとしていることへ所管官庁が問題として認識しなければ、まともに事業ができる環境では無い国として捉えられかねない恐れは否定できません。
本来法律は最後の手段。ECサイトを運営する企業が自浄作用を持たないと発展はあり得ない。これができない所に新興国発の企業が巨大化しても信頼されない所以です。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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