日本の果物 高品質で美味しい

2022年3月8日(火)

和歌山県は県産温州ミカンをベトナムに輸出すると発表。11月28日に有田川町で出荷式を行いました。HCM市内のスーパー等に並ぶと報じていますが、初出荷の量は2トン。県は各現地メディアやフリーペーパーなどで情報を発信するとしています。さて気になるところ、一個いくらで売られるのでしょう。
何しろ自民党の元幹事長は日越友好議員連盟会長、ということなのかと勘繰りたくもなるが、現代の紀伊国屋文左衛門は来日したチン首相と会談。この時に県産ミカンを贈呈、貿易促進、観光や人的交流のPRを怠らないのは流石。
殆ど見かけないが一足早くベトナムからライチ(Vai)と竜眼(Nhan)バナナ、マンゴ、ドラゴンフルーツ(Thanhlong)は輸入されているが、この他人気があるランプータン(ChomChom)なども輸入して欲しい。
ベトナムにもミカンやオレンジはあります。ミカンはQuit、オレンジはCam。
売られているのは不揃いだが、香りは高く結構甘くて濃厚で個人的に好みです。
それにしても日本産果物は現地で大変人気。無い物ねだりか、珍しいうえ確かに品質が良くて美味は間違いない。他にも茨城県がメロンを出荷。これからは各県・各種果物が競って輸出され、ベトナムで日本産の様々な果物を味わえるに違いありません。

かくして訪越時には、土産に持って行くのは時節によって違いはあるがリンゴやブドウ、柿など旬の果物。取り分けブドウは一番人気。
何しろ種類は多く、年々新種が発表されていますが、中でもポピュラーなのはシャインマスカット。買う時には緑色より黄色味がかった方が糖度は高いとのことでこれを選びます。他に味比べという事で、家の近所にある大阪では有名な果樹園で栽培される他の品種も持って行くけれど、この方が高くても、いや
シャインが良いと頑なに言うのです。だがこれは他の種類を知らないだけの話。
市内ベンタン市場の近くにある果物店では、韓国産のシャインマスカットですら一房100万VND以上(約5000円)。その感覚から一番高級だと思っているのかもしれません。
友人は職場で社員と食べると言う。日本の果物ってこんな美味しいの!
驚くと話すが、社員マスカットです。
この理由、どれも甘くて味も濃くしっかりしているからで、生産者の飽くなき品質管理、品種改良に拠る旨さと努力のお陰です。
ベトナムでもブドウは栽培されるがワイン用。乾燥した中部地域のファンランに畑が点在する。これをダラットへ運んでワインに仕上げるが、値段は安くなく品質もそれほど高くありません。
日本人なら柿や林檎に梨も喜ばれるが、尚さら季節ならでは栗なども現地で食することができないので大喜び。柿だとVN人の奥様などは国内産に比べると大きく甘いので感嘆。それほど美味しい様だが、これ京都・大枝産。林檎ならば個人的に秋映、トキ、王林が好きなのでこれを付け加えます。

現地に在住する日本の友人は山梨のブドウ農家生まれの長男で農大出。実家はワインも醸造している。殊更ワインやブドウにうるさく、バンメトーの農園では将来自家製ワインを造るのが目標。苗木を実家から持ってきて植えている。
彼の言に拠れば韓国産のシャインマスカットは圧倒的に品質が劣るという。
幾ら頑張っても日本産には絶対に勝てない。土壌が違うし、手間の掛け方など栽培法が分っていないので単なるみせかけだけ。愛情の掛け方にも違いがあり同じものは造れないとするが、ベトナム人も分からず口に入ればいいだけの話。

ベトナムのスーパーや果物屋で売っているのは、林檎ならニュージーか米国産、或いは中国産のFUJIで、日本種を中国で栽培しているもの。何れも小さく思うほど甘くはなく、もちろん蜜など入っていることはあり得ない。ベトナムではリンゴは栽培されていないので、これでも十分だとする。梨は中国か韓国産、これも日本産よりも小さく、どの種類なのか分らず品名表示もしていない。
これからベトナムへ各種果物を輸出するには、色・味、香りもそれぞれ違うが、これをしっかりと差別化し、ブランドを明確に訴求するのが良いと感じます。

さて「今年も日本のブドウ品種を盗む韓国農家」とこれ何と中国メディア百度の発信による記事。節操の欠片もないが、中国も言えた義理などないはず。
これには農家の言い訳とやらを載せ、日本の「ほろよい」という品種だと指摘があるブドウを、韓国内の高級デパートで500Gが6000円という高値で売っていると報じています。これを農家は日本から盗んだ品種だとあっさりと認め悪びれも無く日本産のブドウが人気なので試しに栽培したと語り、しかし栽培は簡単でなく食感、味、何れも及ばないとの感想を述べたとしている。
これは不条理、同意を得ずに勝手に栽培していると伝え、知的財産の侵害だと非難、決して許されないパクリ行為だと記事は断じ手厳しい。

また他の記事では、世界の美味しいリンゴのトップ10のうち、日本の品種が6つも選ばれたと報じています。だが何時、誰が審査したかは書いてなかった。
でも一位は、日本の世界一。世界最大の大きさで世界的高級ブランド。二位が同じく金星、果汁が多くて色・香は非常に上品。三位フランス産のガラ、英国女王がお気に入りとか。四位はアメリカ産のゴールデンデリシャス、見た目が美しく黄金色。五位に入ったのが唯一の中国産、新彊ウイグル自治区アクス産のリンゴだとか。以下、香りが良い王林、千雪、アメリカのレッドデリシャス、日本のサンフジ、陸奥が続いていると紹介するが対象数が少なすぎる感がある。

この記事、何故日本産がこれほどまでに多いかというコメントで、農業試験所などの研究センターでは長年の忍耐強い交配による新種を生み出し品種の改良を行っている。また栽培農家の美味しいリンゴを作ろうとする心意気や探求心、拘りに付いて述べています。農産物にも日本品質と、これを作る職人が居る。
何気なく当たり前の様に食べている我々だが、海外のものと比べてこそ初めてその美味しさが分り、研究者や栽培農家の努力を思いやれるのです。個人的にはたくさん農園や種類がある中で、穂高の林農園の無袋林檎が一番の好みです。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生