喫茶店でコーヒーをほとんど飲まなくなり、スーパーで焙煎してあるアラビカ種と記載されたレギュラーコーヒーを買って飲んでいたけれど、リーズナブルな割には味が良かった商品。確か398円だったけれどいつの間にか2~3回値上げとなり、あっという間に約70%も値上がりしていました。
インスタントコーヒーの価格もスーパーのチラシには特価2本で1500円との表示だったが、同じ商品は以前1000円で売っていたはずです。
物価高で10月に値上げされた数千品目が人件費に運搬費、原料などが上昇したからと値上げされ、さらに追い打ちをかけているのが円安。この図式は分り易くて誰もが理解できるけれど、コーヒーの値上がりはそれだけではなさそう。
首相が変わったけれど、積極財政派。これは良いとして経済が活性化すれば、インフレ基調になる。様々な意見があるけれど120円台が実力というシンクタンクや財政・金融を研究する人がいるが、もしこのまま円安が進めばさらに日本経済にマイナスであり喜ぶのは自動車などの輸出企業。中小や一般国民は耐えろというのか。日銀は利上げの機は熟したと考えるが、新首相は明らかに牽制しているが、これはおかしい。政治が口を出すべきでない。政策通として物価対策を掲げているけれど、物価高の諸悪の根源は円安。防衛費GDP2%を前倒しというが直ぐに3,5%に引き上げそう。国に金がないから国債を発行するというが円安を加速させるだけで、独り善がりの性格はマネーゲーマーにしか思えない。国民が一番望んでいる物価対策など抗弁、有効な手段など本気で出せない。現金給付や減税、具体策は一向になく庶民の暮しはどうしようと考えるのか。策士策に溺れるとの例えはまさにこの首相のためにあるようです。
ニュースに拠るとコーヒー価格は、今年世界的に史上最高値を更新しているとある。日本だけでなくアメリカでもアラビカ種が過去最高を記録、ヨーロッパでもカフェにスーパーの棚に並ぶコーヒーが倍近い値上げだとか。価格上昇は消費者を直撃しているが、焙煎業者に輸入業者も「苦い」苦境に立っている。
では価格高騰の原因とは一体何なのでしょう。
最大の問題はブラジルの干ばつ。2024年に発生した深刻な水不足が今年、来年も続くとされ、コーヒーの収穫の下方修正されている。またコロンビアでの政治の不安定も大問題。最も影響を受けるのは両国ともに生産者で、こうなると生活できない。となればコーヒー栽培を諦める、なんてことになる。
このような自然が相手ではどうしようもない。気候変動に拠るとされる干ばつや大雨、また害虫被害は収穫量を大きく左右するし、品質にも影響を及ぼすのだが、自然を相手に人間は抗えないのです。
中国を中心としてコーヒーを飲む人が増えたため需要が増大。並の量ではないので供給が追い付かないのも価格上昇の原因のひとつでもあるとされます。
さらにこの様な状況から投機マネーが流入し価格を押し上げているし、物流もコストプッシュとなると見られている。またココアもそうだが、他資源の採掘、また栽培地を増やすために森林破壊が行われている。そうではないことを証明するには証明書が必要とするEUは、新しい規制を導入する予定とあるけれど、これらも価格上昇要因になるのです。
ではベトナムはどうか。世界二位のコーヒー産出国だが、主力のロブスタ種が減産していると言われる。品質は良くなったけれど、また価格安定のために、バンメトー市にコーヒー取引所を造るなど努力しているけれど、成果は出ない。
今年10月、ロンドンの取引所でのロブスタ種の価格だが、2,3%~2,6%も上昇したと現地メディアが報じていたのです。
先物取引では今年11月、来年の5月まで条件付きで価格が決まっているとされるが、アメリカの取引所ではアラビカ種は上昇を続け、2025年12月の納品は170ドル上昇、1トン当たり9120ドルになったと報じられている。
これはベトナムの生産者にとっては、2025年~2026年にかけて収穫期を迎えるので高価格で売れる訳で良い正月を過ごせそう。
ベトナムを含む世界のコーヒー生産国は、輸出価格が上昇しており今年9ヵ月間で平均45%上昇。ベトナムはこの間に70億ドルと輸出して、通年では80億ドルとなり前例のない最高水準となっている。
ベトナムにとってイギリス市場は、これまでブラジルに次ぐ2位の供給市場で、税関によると今年9カ月間で輸出量は2万トン強、1億7150万ドルに達し、昨年同期比から数量で24%、価格では70%も増加したお得意様。年々輸出量が増加してシェアを拡大しているとあります。
またコーヒーを最も愛飲するアメリカ。消費量の99%以上は輸入しており、主にブラジル、コロンビアの二国で約50%、3位にベトナムが来て全消費量の6,6%を輸入。価格は上昇しているが、この要因は特にブラジルにはトランプ関税が50%も科される税制政策に起因する、と全米コーヒー協会は伝えており、輸入、焙煎業者、消費者共に困難な状況に直面しているという。
現地記事には毎日数杯のコーヒーを飲む習慣がある人には長生きが出来る傾向があるとされ、2型糖尿病、慢性肝疾患、特定の種類のガンなど、慢性疾患のリスク低下が認められるが、非アルコール性脂肪肝のリスクが23%、肝硬変のリスクが32%低いのは抗酸化物質が含まれるのが理由だと、ボストン大学の栄養学教授が過多っていると報じています。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生