ミャンマーは、天然資源が豊富な国です。特に、天然ガスの埋蔵量は、11兆8,000億立方フィート(世界34位)と推定されています。産出する天然ガスの大半は、中国やタイへ輸出され、ミャンマーにとって大きな収入源となっています。
そこで今回は、ミャンマーの天然ガスについてご紹介します。
海洋資源として天然ガスが豊富に産出
ミャンマーには、シュエ、ヤダナ、ゾーティカ、イェタグンの主要ガス田があります。天然ガスの生産量は、2000年以降、急増しています。ベンガル湾沖のシュエで採掘されたガスのうち約8割は、中国へ輸出されています。一方、モッタマ湾沖のイェタグンで採掘されたすべてのガス、同じくモッタマ湾沖のヤダナとゾーティカで採掘された約8割のガスは、タイへ輸出されています。天然ガスは、ミャンマーにとって貴重な外貨獲得源となっています。
天然ガス産出のタイミングはタイに似ているが
経済成長を始める直前に、海の沖合から天然ガスが突然湧き出したという点で、ミャンマーはタイと似ています。
しかし、タイでは、発見された天然ガスを自国の化学産業に利用することを計画し、これを素早く実行に移しました。一方、ミャンマーでは、軍政時代の1990年代後半から2000年代にかけて、タイの電力会社向けにパイプラインを通じて輸出を始め、外貨を稼いできました。
ミャンマーでも、エネルギーを安定的に確保するため、新たに採掘する天然ガスを、国内消費用に回す方針を打ち出しています。最近、いくつかのガス田が発見されており、ミャンマー国内への天然ガス供給量が増え、エネルギー不足の改善につながると期待されています。
天然ガスを使って瀬戸物を焼くミャンマー企業も
ミャンマーが誇る豊富な天然ガスは、意外なところにも利用されています。
ヤンゴン郊外にある陶器工場「ミイヤダナーポッタリー」は、ガス田から天然ガスを引き込み、陶器を焼く炉の燃料として利用しています。天然ガスは、燃料代の削減に貢献しているとのことです。
また、同工場は、瀬戸物の本場である愛知県瀬戸市の企業から「招き猫」の製造を受注し、昨年5月に初めて製品を日本へ輸出しました。この日本企業からは、継続して注文を受けているそうです。