自分探しに酔い痴れる若者と逃げた学生インターン

2019年9月26日(木)

自分を探しに海外放浪中、と得意満面で仕事や人間関係に疲れたなど通り一遍の与太を話す若者が絶えない。何かを見つける可能性は否定できないが、辞表を叩きつける勇気すらなく仮想と白昼夢の世界に浸る横並び人間と見受ける。
当国にも汚い身形で出没する輩が来ましたが、沢木耕太郎「深夜特急」に触発された単なる勘違いの恰好付け。安宿を其処まで値切るのは見苦しく恥と知れ。
あわよくばそのまま居残り旅の延長気分でお仕事探し。こんな個性の無い人物が数か月で出入りする旅行会社がありまるで同好会。ビジネス未経験の甘ったれが海外の箔付けのためにいる。
働き方改革なんてワケの分らない時代。日本人が弱くなったのか、御意見番の張本さんに喝を入れて欲しい。
今はSNSで簡単に情報取得、世界各国行き先を探す必要も無い。地図を片手に人に聞くとか回り道。こんな時代では無いが、便利さに頼り過ぎ意外と情報音痴で知らない事ばかり。知識はやたら豊富だが知恵は無く、自分で体験して頭を打て。効率も重要だが無駄の効用もある。
理想や目標を持たず意志が弱いから主張が無い。麻疹の様な学生運動も知らず、もがき苦しみ挫折する「青春の蹉跌」の純粋さにも程遠い。だから50年を経ても高野悦子「二十歳の原点」の超アナログ情熱的生き方に感化され、漫画になっても売れるのか?
ある時、提携していた会社から新規事業としてインターンシップの学生が来ました。この時勢なのでと先方も乗り気の第一号。だが一週間持たずに突如帰国。なにも告げず何時しか姿を消しました。
赴いた所がサービス業。言葉の壁は当然あるけれど、英語にベトナム語の習得は午前。その後に仕事見習い。と簡単この上ない。
日本人の若者が海外留学をしなくなったとか、海外旅行も嫌がる傾向だとか。
まして海外赴任などもっての外。1ドル=360円一日のバイト料が800円。
憧れの海外、今のベトナム人と同じ境遇が身に染みるのに安くなった海外旅行
でも行かない時代。青年に大志はないのか。
幼稚園からみんな仲良しお友達。つまらない校則遵守に、一糸乱さず表面を繕う関係を大切にする集団骨抜きの管理教育。偏差値重視の純粋培養人が組織の枠からはみ出せば即問題児。これでは個々に備わった天性の完全否定が目に見えてくる。
他人に迷惑かけない素直な子に成長してね、と過保護の親が願望。熱血教師やガキ大将が排除され、「強い子のミロ」や「腕白でいい」など支持されません。
だからグローバル人材は全く育たず、今に及んで新興国のハングリー留学生に負けるのです。
これ故、オトナになっても自分の立位置が分からないのは当たり前。任務すら全うできないのに認めてもらえないと言い訳し、自分探しと勝手に称して海外をノマド。耐え忍べずに沈殿、さ迷い続けるロプノール坊ちゃん・嬢ちゃんも多いとか。
ボランティアをしたいと勇んで極貧長屋に行けば「かわいそう」と余りの酷さに目を赤くする始末。優男と思っていると鶏状態、即原状回復。貴重な体験は何の効果なく、耐力と逞しさに欠けた若者。キミの行く道は単なる単位稼ぎか!
モノには上下と表裏あり、社会には不条理・不公平・不平等が付いて回るもの、つまらぬ情報に棹させば確実に流されると心得、足許みるべし。
遠くへ行けばいく程に、スマホを捨て迷い道クネクネと歌いながら体験できるディープランド。行くべき処、知るべき空間がまだまだあって琴線に触れる事間違いなし。人が主役、素敵な出会いが旅の醍醐味。
挑戦するには何かを犠牲にしなければなりません。右か左か、決意を促すのは踏ん切だけ、背中を押すのは自分自身。待っているのは達成感。
海外生活は言葉、食事など異文化ギャップの中で過ごすので緊張感はつきもの。海外で起業とは孤軍奮闘、悪戦苦悶が関の山。自らの総括であると弁えるのが教訓。と言え、頭を打ちっぱなしの自分。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生