タクシー

2020年3月2日(月)

東京オリンピックを控え、タクシー配車アプリで乗車前に運賃を確定して利用者に提示するサービスが始まり、MOVとのステッカーが貼ってある。東京、神奈川、大阪、京都、兵庫と展開、利用者の料金への不安を無くすという次第。
日本のタクシーは綺麗で整備も良くされているうえ安全と評判。また乗務員も概ね親切な人が多い。京都のMKタクシーなどは創業者の青木さんの乗客へのマナー教育が厳しく躾られており、気持ち良く安心できるのに定評があります。
京都市内は市域が狭く、ほぼ碁盤の目の道路なので比較的行き先は分り易い。人数や場合によってはバスなどに比べて安く付く。何しろ観光都市、目的地に行くまで案内や美味しい店を教えてくれることも。
ではベトナムはどうなのか?公共交通は発展していない。バスは時刻表がなく、早くに終わってしまうため、バイクが無ければタクシーに頼ることになります。
今HCM市では配車サービスのグラブが人気。料金はタクシーに比べてかなり割安だし行き先までの料金も予め分かっている。また現金でなくスマホで支払える。ドライバー名や車のナンバー、待ち時間も分るので安心できます。だが車種はバラバラ。新しくて乗り心地が良い場合もあるがそうでない場合もある。職業運転手と比べて地理不案内というケースも多い。HCM市内中心部はいいけれど、かなり複雑で狭い道が多く、行き先をナビに入力して運転するけれど、時折これが間違っていて指示しなければとんでもない所へ行く事もあります。ある程度地理感があればいいのだが、赴任したての人などは様子が分からない。いくら料金が設定されていると言っても、無駄な時間は勿体ない。
ではタクシーは無用、と言うのではなくしっかり動いています。個人旅行などだとアプリは使えないし、空港からお世話になるのはやはりタクシー。
その昔タクシー運転手はエリート。英語など外国語を話せる人がいて、良い車とは決して言えないけれど、一般市民には高くて使えない時期がありました。
市内に幾つかのタクシー会社がありますが、中でも多くの人が知っているのがビナサンタクシー。殆どの旅行ガイドブックには安心できると書いてあるのでお分かりと思います。
20年ほど前に設立したのだが急成長。社長は元HCM市の吏員。何故急成長したのかと言えば、初めから全車トヨタにしたのです。それ迄は韓国のKIAが多く、サスペンションは悪くエアコンが効かない。おまけに途中でエンストする等とんでもないけれど、乗客はこれが当たり前と思っていたのです。だがビナサンは綺麗で乗り心地が良い。車体は白を基調に青と赤の配色は綺麗だし座席には白い枕カバーが。乗務員も青い制服に赤いネクタイを着用。安心感が生まれたのです。これで瞬く間に業界を席巻しました。
こうなると車種変更と乗客の取り合いが始まる。トヨタ車が多いのはこのため。空港や主要ホテルなどには女性案内係を配置して配車サービスが始まりました。
ベトナムのタクシーはメーター制。かつては行き先を言えばメーターがあっても料金を吹っ掛ける奴が居ました。拒否すると客は道を知らないだろうと遠回りしますが、これは制度の問題。日本と違って給料制ではなく車を借りて使用料を払うというシステムがありました。
日本の様に釣銭をきちんと渡すことは滅多に無く、小金を持っていないと言い張ります。感じの良くない運転手のため予め小額紙幣を用意しきっちり払うか、チップ代わりに少額の釣銭を渡しますが、こういう気持ちが分からない目先の金欲しさの運転手が居る。
普段タクシーを利用する事はありませんが、記憶に残る良い運転手も居ます。
ある時、結婚披露宴会場へ行く際に、地方から出てきたのか道が分からず延々と周遊。感心したのはこの運転手、料金は要らないと言うのです。ウソやろ!ですが、一月一日のお目出度い日、それは出来ないと話しました。
HCM市は洪水があり、時たま道路が完全に冠水して通行出来なくなることも。
そうなれば遠回りしてでも別の道を使って帰る羽目になる。大雨になった夜、運転手が遠くなるけれど、と断って通った道路も一部でドアまで水位があったのです。だが果敢に進むではありませんか。この時ばかりは家内も生きた心地がしなかったと言う程。メーターの倍額を渡しましたが安い位。帰れたかな?
やはり雨の日。なかなかタクシーが捕まらない。ホテルに行けばと待っていて上手く乗れたのですが、メーターが故障でホテルマンがメーターを差して金額を覚えろと言います。果たして交通渋滞。普段は10分程なのだが、1時間もかかった。気の毒なのでメーターの金額を払ったのですが、釣りを出すのです。気は心、と言うけれど、感謝の気持ちがチップと言う形での表現。こういう事が続けば彼等も無理に取らなくても善意は善意を呼ぶことが分かるでしょう。だが所詮は個人の資質と性格の問題です。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生