ベトナム日系工場建設奮闘記 ~ナカノアパレルベトナムNghe An 工場~【第14回 いよいよ海開き!】毎週更新

2022年7月27日(水)

DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫

 いよいよ4月9日から海開きとなるため、私の宿泊しているホテルのあるCua Lo (クアロー)ビーチが賑やかになってきた。ビーチ横の広場ではさまざまなイベントが催される予定で、前日夜遅くまでリハーサルなどを行なっているのだが、そちらに電力を持って行かれたのか、周辺のホテルや店が2時間ほど全部停電になった。当日はビーチ沿いの道路が歩行者天国になり、花火も打ち上げるとのことで、こんなにたくさんの人が住んでいたのか?と思うほど、の人混みだ。
 ホテルのオーナーから連絡があり、11日から今の月額料金を倍にします!だって。確かにこれから宿泊者も増え、かき入れ時だろう。がしかし宿泊料がいきなり倍というのはびっくりだ。そこまで言われて「はいそうですか、わかりました」というわけがない。慌ててほかのホテルやアパートを探すのだが、ペット可、車の駐車場付きという条件では、現場付近になかなかいい物件がないのだ。したがってヴィン市内まで賃貸物件の範囲を広げることにした。
 通訳のHueちゃんがインターネットで探してくれたのはヴィン市内の中心地、Cho Vinh(ヴィン市場)前のアパートメント。不動産屋と一緒に部屋を見に行くと一人暮らしには広すぎるのだが、まあ綺麗だしキッチンもあるのでホテル暮らしとは違い料理もできるので、ここに決めることにした。
 14日から入居可能ということで14日の午前中に荷物をまとめてホテルをチェックアウト、アパートメントへ向かった。すると、前の借主が置いてあった荷物を16日に取りに来るので、入居は16日昼からにしてくれ。と一方的に言われる。まいった、家なき子、ジェシカと一緒にホームレスだ!馬車に家財道具一式を積んて移動するジプシーだ!ブチ切れて不動産屋に文句を言うと、不動産屋のオフィスに部屋があるので、そこに泊まればいいと提案してきたので、すっかり疲れていた私はとりあえず寝るだけだし、「ま、いっか」とその事務所へ荷物とジェシカの乗ったランクルで不動産屋に案内されながらそこへ向かった。
 監獄やん!独房!ずっとホテル暮らしだったのでバスタオルとタオルも持っていないので、シャワーも浴びれないし、顔も洗えない。おまけにエアコンも付いていないし、ベッドは加齢臭、窓が隙間だらけなので蚊が心配だな、と思った通り夜中に数匹の蚊が編隊を組んで襲撃してきた。私の血液型はO型なので蚊に噛まれやすいタイプ(関西人は刺されると言うより噛まれると表現する)痒くて目が覚めて電気をつけるとどこかへ隠れてわからない、電気を消すと耳元でうるさいし、身体の露出部分が噛まれる。と言うことの繰り返しで結局、明け方4時まで眠れず、毎朝5時15分ごろになると街中に一斉放送が始まるので、うるさくてその日はろくに眠れず。朝、地獄のような独房を抜け出し、荷物をまとめて車で現場へ向かい、昼休みに他のホテルを探すことにした。
 犬もOKというホテルをやっと探し出し、仕事が終わってからホテルへ。昨夜の独房とは大違い。ジェシカの散歩をしてからシャワーを浴び、その夜は早めに眠った。朝はいつも通りジェシカのオシッコとウンチで起こされ、次の日アパートメントへ移動し、またまた1人と1匹の新生活が始まった。

蚊に悩まされた独房

次回予告:柱破壊!やり直せや!