ベトナムの行事 お祝い事③

2019年9月11日(水)

都会で結婚式を挙行。花婿、花嫁夫々の田舎でも披露宴を行ない、故郷が同じでも双方が見栄の張り合いをすることも多い。とかく金が掛ります。
テーブルには12名が座りますが両親親族は後ろ側ではなく前列。多人数なので悠に3時間程の宴になりますが、何といっても主賓の長くて理屈っぽい祝辞は何処でも同じく退屈で辟易します。
遅れて来ても気にも留めずにウエルカム!招待状が無くても同行なら大体OK。日本では到底考えられないが、足りなければ椅子を増やせばいいだけの話。席も決まっている訳ではなく、最後まで居る必要もない。何とでもなるので余計な気遣いは無用です。
宴は両親などの挨拶が終わって暫くすればプロ歌手が歌い、たけなわになるとカラオケ大会に模様替え。花嫁のお色直しは3回が相場で憧れはウエディングドレス。一世一代ピカピカの女優に成り切り、どんな女人も度胸満点の大変身!男は全く光らないうえに緊張しっぱなし、サマにならない。
この間各テーブルへ挨拶と乾杯に回るが、涙は見せない楽しい雰囲気イッパイ。しかしお開きは二人して民族衣装に衣替え。これが最高に美しい。客は都合に合わせて自由退席。花嫁花婿が見送り、撮った写真は後日配ります。引き出物は無く、ケーキの小箱を持ち帰り。ほぼ3~4時間のヒロー宴の一部始終です。

地場レストランをしていた時、地方からの工員さん同士がご結婚。なけなしのお金での披露宴。精一杯の心尽くしでの対応でしたが、心温まる門出でした。

新婚旅行はメッカ、断然人気のダラットが多かったのですが、最近は海外へも!ダラット~ニャチャンのバスで知り合った若いカップル。ツアーに出たけれど嫁さんが船酔いで真っ青。私の友人も慣れていなくて同じ有様。仕方なく甲板で面倒を見る羽目に。手のツボを押し続け何とか収まったものの旦那が居ない。普通なら介抱するのに他の観光客と一緒に海中パーティーに参加。女の立場が強い国。恋愛中は貞淑を装い、結婚後妻は君子豹変して旦那を尻に引きますが、ハネムーン後に何が起きたのか?

最近初婚年齢が上昇しています。かつて田舎では女性の適齢期が16~17才。25歳を過ぎると都会でさえ再婚か高齢者しか相手がいない、などと言われた時代がありました。今では自発的に結婚しない女性が増えていて、能力が活かせる仕事が面白いというのも理由のひとつ。狭い田舎に居た時は分からないが、都会に来ると高学歴者が多く初恋の男が頼りなく感じます。
かくして男が泣くことに。さる結婚式、以前に振った婚約者を披露宴に招待した女性と、参列するほうの男も男!事情を知る私のほうが何とも言えない複雑な気分。普通ではあり得ないけれど、祝福する男性に立派と敬意を表すべきか?乗り換えた女心は解からないが逞しいのは常に女。
この国では結婚しても共稼ぎは当たり前。幼稚園は6時まで。家族が田舎から出て来るとか、家政婦さんが面倒見たりする事も普通。幼子が3人いても女性がシッカリ仕事を続けることが出来る働きやすい社会環境があるのです。
田舎と都会の結婚式、ピンからキリの祝宴、日本人とベトナム人等々様々な組み合わせに、年齢差40才で初婚という快挙も。クリスチャンの場合、相手が仏教徒などであれば教会へ行き一時凌ぎの洗礼を受けて、クリスチャンネームを貰って宗旨替え、そこまでして結婚した40才を超える御仁も居ましたが、初めは良いけど国際結婚は結構難しいと聞く。古今東西いつも同じ人生模様。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生