外国人研修医が驚いたという日本の高い医療レベル

2021年6月16日(水)

日本の医療レベルは外国人の目からすると非常に高いとあります。研修のため日本の大学病院などに来る外国人医師はかなりの数にのぼる様で、これは何も新興国だけではなく、古来東洋医学が発展した中国やロシアなどの社会主義国も含まれる。中には先端医療や術式の習得だけでなく、最新医療機器の操作や画像診断、日本ならこそ患者ケアのノウハウを磨く実習もあるという。
流石に今の状況では来られないが、過去に救急科で研修を終えた医師によればこれまでのやり方ではない新しい縫合術でさえ初めて見るもので、傷跡が殆んど分らないくらい綺麗な方法を採用していて驚いたとあります。

筆者も何度か救急車に同乗しERに入ったことはあるが、その忙しさは生半可ではなく、的確な指示を出す医師や機敏に動き回る看護師には、テレビドラマのオタオタする俳優では演じ切れない真の緊迫感に立ち向かう冷静さや気概。これは並大抵な感情ではやれないプロの精神を観ます。
この記事にもあったけれど、救急現場では時間との闘いで、一分一秒が生死の分かれ目に直結する。ゆえに瞬時に的確な判断力が必要であり、手際の良さが求められる。一部の病院はモニターで観察ができ、CDに画像が収められ関係者は見る事も可能。救急受け入れ体制はスムーズで、患者が運び込まれる前には状況や容態がかなり把握できており、必要な機械器具が準備されるうえに、特別な技術が必要ならその専門医が待機し、救急車が到着後には手術の体制が整っていたと述懐しています。
感想では日本人の細部へのこだわりや追及心は医療の現場でも行われているとあり、丁寧で安心できる確実な医療を求めてわざわざ日本へ検査や治療を受けに行く人が増える一方と、これは別のメディアに掲載されている。
日本人は誰もが健康保険証を持って病院へいけば、必要とされる専門の検査を受けられ、その結果も患者に教えられ安心できる。しかし我々が何気なくこれが普通だと思っていても海外の現状からみる日本は特別であり、とんでもなく勘違いをしていることもある。実際に海外の病院へ行けば違いは判ります。
また日本の場合、救急車を呼べば数分で来てもらえる。中にはドクターカーもあり、地方なら救急ヘリも配備され医師が同乗し県境を越えてまで近い病院へ搬送するのも無料。人命最優先の行政システムは新興国では全くあり得ない。

記事を書いた中国人医師だけでなく、ベトナムの医療現場を見ても分かるが、緊急の場合でさえ命はお金で買うもの。こんな言葉にぴったりの光景が脳裏に浮かんでくるのです。

・ベトナムの救急時の状況

ベトナムのみならず新興国の現状はとても比較出来る様なものではありません。
交通事故は減ってきたとするベトナムだが、それでもバイク事故や車の普及に伴っての事故はつきもので、ちょっとの接触程度では済まなくなっています。
救急車は日本では市町村などや広域消防組合が管轄しており、119番に電話すれば先ず「火事ですか、救急ですか?」と即応。その後状況を聞かれて出動するが、此処ではそうではありません。数年前に日本の自治体が中古救急車をメコン地方の某自治体に贈ったが、どこが管轄するのか報道には無かったし、内容が記録され、瞬時に場所が分かり指示が出せる管制機能など持っていない。
HCM市で見かけるのは病院の車。色は統一されずサイレンだけが鳴っている。
これでは全く分からず認知もされていません。中はガラス越しに見えるが、単に患者を運んでいるだけの様で、日本で搭載される設備はなさそう。おまけに道はバイクで渋滞。動ける状況ではなく、道を開ける気配もないので停止状態。
一応は救急の電話番号があるけれど忘れたし機能することはないはず。従って事故が起きた現場でも見たことは全くなく、軽傷のようであればタクシーを呼ぶし、起きられなければ三輪車に乗せていたのが目に浮かびます。先の病院の救急自動車は家族などが呼ぶのでしょうが、無料ではなく当然お金が要ります。
病院へ連れて行ってもお金がなければ拒否される。先に聞かれるのが治療費の支払いのこと。この証明ができなければ例えERでも不可という連れない話。
生死が掛かっていてもこの割り切り方は尋常ではないが、それぞれの都合です。
さらに担当医へは相応の金銭のやり取りが行われ、多寡によって面倒見が違ってくる次第、これはTVドラマでも頻繁にそのシーンが出てくるほどの常識。
当地での医療レベルは未だ低く、高度治療を要する疾病はタイやシンガポールへ行くが金持ちでなければできない。症状に拠り医師が同行して帰国もある。さらに国内は、地方で診断ができず重篤な症状になってからやっとHCM市の大病院へという事態になるが、すでに手遅れという事実をかなり聞き及びます。
一般の病院でさえ高度医療機器は不足しているうえ、都市と地方との医療格差が解消できないので医療難民は当然出る。地方で事故や病気に罹る怖さは身に沁みて分るが、我々が普通と思うレベルになるまでに相当の時間が必要です。
外国人や観光客が行く国際病院には外国人医師が診察と治療、通訳も駐在しているので安心。それでも現実の問題として医師間での実力の格差は歪めないし、傷の手当でも日本人と現地医師とでは随分と見解が異なることがありました。
これまで多くの方が来越されましたが、体調を悪くされたことは結構あって、この場合、現金支払いならビックリするほどの治療費の請求書がくる。カードは使えるのでまだいいのだが、できれば少々高いけれどもキャッシュレス保険に加入しておくのがベターと思います。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生