ベトナム製健康食品に拠る健康被害から考える

2022年8月25日(木)

6月に掲載されたベトナムで製造したやせ薬に拠る健康被害。兵庫県・西宮市で市民がSNSを通じて福岡市の販売業者からダイエット目的で購入した健康食品を摂取したところ、めまいや立ち眩みなどの体調不良になったため保健所に連絡したと言います。製造元は不明で現地で薬として販売されていたモノなのか、健康食品かは分らないが、法律上の定義は消費者にとって重要ではない。実は5月には千葉市、神奈川県相模原市などの自治体でも同じこのベトナム製の健康食品を摂って健康を害したとの報告がなされていました。
西宮市と千葉市は「医薬品成分を含有する健康被害(疑い)の発生」とプレス発表を行い、購入や摂取しないように注意を促しています。
この健康食品の謳い文句は、脂肪の減少をサポートとか、血中脂肪を減らす、体によって3-10Kg減少する可能性があると宣伝しているが、しかし一方で健康被害を訴える使用者の書き込みも続出していたと報じられる。
人間は自分にとってマイナスの表現には耳を傾けず、他人の様にはならないと過信して都合のいい部分だけを切り取ってしまいます。即ち根拠がない物とか、安全でないと専門家が呈するものであっても、一般の消費者は分からないまま勝手に信じ込んで購入する姿勢が危険。その結果が不幸を招いてしまうのだが、今回は死亡に繋がらなかったのは幸いです。
しかもゼリー状食品というので、日本で販売されているマンナンや日本古来の海藻を原料とする寒天を主原料にしたお菓子のように安全だと誤認することが危ない。この業者、正規輸入なのか、その後の措置も分かりません。
然らば何が原因だったのか。この健康食品にはシブトラミンという薬品成分が含まれていて、これは1997年にアメリカで開発された肥満抑制薬でFDAの許可を受けているものとある。しかし副作用として血圧上昇や心拍数の増加があり、心臓病を持つ人が服用してはいけないと言われています。
実際に、アメリカ国内で承認から6年経過するまでに54名の方がこの薬品が原因として亡くなっているので、2010年にはメーカーの自主回収が行われ、既に製造と販売が中止されている、いわば危険ないわくつきの成分なのです。
日本でもこの成分が入った健康食品が20年程前に販売され、健康被害が出ていたとあり、しかも何度も同じことが繰り返されていると言うのだから、何もこの輸入した健康食品だけが問題ではありません。またベトナムでは健康食品だって口に入るものなので、薬事審査は薬品と同様に厳しいはずなのだが?
もちろん日本では薬品として未承認であり、しかも健康食品にこうした医薬品の成分が入っている場合は食品とされず医薬品になる。即ち承認を得た販売ではなく違法なのだがイタチごっこは常に続いているのが現状です。
因みにバッタ屋などで正規商品であっても、小売業者が流通過程を証する製造ロット番号を消して安く売っているなどの行為も法律違反となり、場合に依っては事業が出来なくなります。だがこうして大きくなり小さな店から全国展開しているチェーン店となった某ドラッグもあるが、流石に今ではこんなことはしていない。今の若い店長などこんなブラックの時代があったなど知りません。
同じ様に消費者の弱みに付け込んで、科学的根拠のないニセ物を高額で売る。全く結果は出ないが、元々こうした商品に医学的に効果効能があると偽るのは薬機法違反。取り分けネットやTVでの通信販売や雑誌などに掲載する怪しげな広告に拠るものが多いようで、恣意的な悪意をもって付け込んでいる。
これらは根拠が無いのを分かって製造して販売している確信犯。✕✕するだけなんて言うキャッチコピーやフレーズのある商品に共通しているのが、錯覚をさせて、人を「近道する行為」に誘導している心理作戦だと言われています。
これに拠って勝手な推測をする結果、不注意とか、焦り、判断ミスに陥ってしまう。特に心身共に疲労している時とか、欲望に駆られているが、知識が無いなど通常の判断ができない場合、藁をもすがる思いが一番騙される。

・偽薬?

これと同じ時期に見つけたのがココナツ水でガンが直った!とする記事です。
ココナツの胚芽を湯に浸して置き、これを飲めばガンが消滅するとフェイスブックに投稿。しかもご丁寧にガン専門病院の医師のアドバイスがあったなど、どう見ても信憑性に欠けるが、スリランカでまことしやかに拡散したと言う。勿論この医師は否定。こんな事をすれば致命的な問題となると警告、科学的根拠はないとするが、生活に余裕がない人にとれば他に有効な治療方法や手段はなく、唯一すがれる最後の神頼み。新興宗教のやるインチキ手口に似ています。
またパイナップルを漬けた湯を飲むとガン細胞が死滅すると、インスタグラムやフェイスブックで拡散しているともあるが、そんな訳など無いでしょう。
パイナップルには蛋白質を分解する酵素があり、肉類を柔らかくするのはこの酵素のお陰。だからと言って他の医学的効果は現在の所認められていません。
日本でも過去に熊笹がガンに効くとかで60年程前だか神秘性が盛んに話題になった。もしかすると八坂神社で授かる粽が熊笹で造られているから?抗がん剤などは開発されていない時代だが結果は無残にも薬石効なしというところ。即ち、奇跡の食品などこの世に全く存在せず科学的根拠も一切ありません。
しかし古来人間は植物や動物、また鉱物を、もしかすると偶然かも分らないが食してみて経験的に何らかの効果がある事を知っていたのは間違いありません。医食同源という言葉、健康は如何に良い食事を摂るかという究極の知恵です。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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