ベトナム人犯罪組織に拠るユニクロ商品万引き常習事件

2024年4月12日(金)

今年2月、ユニクロの衣類など66件、総額1970万円相当の万引きを繰り返したベトナム人4人が逮捕された事件をご存じの方は多いはずです。
彼らはベトナム在住で、本国で40歳代の女から指示を受け、逮捕された福岡市のみならず関東や関西にまで犯行を重ねていたとある。異なる店舗で断続的にやるのは犯行が分かりにくくする完全に計画的、もはや貧困からの出来心や病での万引きではなく集団的窃盗犯。調べると余罪はかなりある様です。
なんと観光ビザで時折日本に来て犯行を重ねていたというけれど、一旦犯罪に手を染めると止めることが出来なかったともいうのは世界共通の常識。
どうやら指南書があり、小さな店舗でなく大型店を狙え、店内にスーツケースを持ち込まず、商品を持ち出して詰めるとあるようで、ベトナム国内で人気のあるダウンジャケットやカーデガン、セーターを中心に色にサイズを指定して犯行を重ねた模様とあるが、なぜダウン?北部の冬は寒いので必需品なのです。
大型店の出入り口は、見通しが良い所というのは盲点で、犯罪が少ないという効果に実は期待できなく、大胆にいとも簡単に持ち出しが出来たとあります。
逮捕された4人は生活が苦しいからとか、指示役の女から借金をしていたなど彼らなりの理由があったというが、ベトナムの経済成長から大きく取り残された人達の貧困格差拡大が背景にあるのも原因のひとつだとするけれど、外国での自国民の犯罪行為の余りの多さに対し本国政府は真摯に向き合う責任がある。

新興国では日本製品に信頼度が高く、ベトナムにもユニクロの店舗は複数あるけれど、何故来日してまでユニクロ製品を盗むのか。誰もが疑問に思います。
日本語のタグが付いている事は、ユニクロ製品に限らず他の製品も同じであり、明らかに日本で購入した証で絶大な人気がある。これは経験上だが帰国の度に依頼され日本で品物を買って持ち帰り、渡したことが少なからずあるけれど、ベトナムで同じ商品があっても日本で購入したというのがある種のプレミアム感がある訳で、中には全く違う商品だと知った被りをする輩もいるものです。
また日本の防犯体制は性善説で甘い。しかし万引きGメンが店内を頻繁に巡回しており、学生時代に百貨店でアルバイトをしていたのだが、顔見知りだった元警察官の保安員がこの業務を担当。店内放送で場所やおぼしき人物を隠語で指示していたほど万引き被害はありました。
ベトナムのスーパーでも万引の多さに悩んでいる。被害防止策は入り口には持ち物預かり所があり、必ず担当者にバック等を預け番号札をもらうのがお約束。
帰り際、この番号札と引き換えに返してもらうけれど、ベトナム人客がレジ袋に入った商品とレシートを見せているのを度々見かけたほど厳しかった。
また子供の買い喰い。レジを通さず先に食べさせているのを見掛けるが、これはモラルや親のしつけの問題であって、かつては日本でもあった。我慢させるというのも社会教育のひとつだが、これをできないのは精神的貧困です。
しかし何故わざわざ日本で万引きをしてまで自国に持って帰るのか。その理由は最近オークションサイトが盛んになっている事も一因。個人が出品しており、いわばゲーム感覚に等しく盗んだ商品を故買。即ち犯罪という概念がないようだと地元紙にある。従ってハードルが低くなり、スマホひとつで盗品を処分できるのが悪の温床になっているし、怪しいと思っていながらもバッタ買いする。
今回もユニクロだけではなく、他の量販店で盗んだ健康食品や高級雑貨なども多く含まれているし、人気がある大衆薬、痛み止めや化粧品にシャンプーとかトリートメント、湿布薬、人気の根強い粉ミルクや嗜好品、もはやジャンルを問わず盗まれているのが現実。被害を蒙っているのは量販店やドラッグストアだが、これらの日本製品は高品質で安全性が高いという安心と信頼感から現地で換金性が高く、需要に拍車が掛っていると専門家が話す。
また日本国内に居住する悪質な、特に不法滞在をしている外国人もこうした犯罪に手を染めているが、その背景が日本の実習制度にあるとするのは考え方としては無理があります。かなりの借金をしてまで来日するというのは、労働力輸出と称し、投資をしないで外貨を稼がせる。これを計画的に目標にしている現地政府や利益を得ている送り出し機関に根本的問題があることは間違いない。
多くの在住ベトナム人が、真面目に仕事をしているのに相違はなく、受け入れ企業にしてもほとんどが歓迎している。こうした実態を表に出さないでむしろ生活に必要な肉類や野菜・果実などの盗難を重ねた一部の人物を被害者だとし、日本の実習制度に起因するというのは大きな筋違い。専門家や学者と言えど、現地での生活や雇用経験やビジネスなど取引実態がないためその実態を知らず、やみくもに擁護するのは片手落ちでしかありません。また盗まれる方が悪いとするのもおかしな解釈、こじ付けの論理なのです。
警察に通訳者がいるけれど、知り合いであるベトナム人通訳から聞くところ、犯罪が多過ぎて追いつかないのが実情だと聞くが、全国的にはこの種の犯罪は相当な数とある。またご主人が日本人で家庭、家族がいる通訳者でも警察官から執拗な職務質問を受けたと立腹していたが、これは行き過ぎた行為であって辞めたという。善意の人物まで警察が色眼鏡で見るのは明らかに誤認、錯誤で失礼な態度なのだが、そこまで浸渡っているとも言えなくありません。
日本人なら例えラーメンを一袋万引きしたとしても刑務所に収監されている。
だが外国人の多くは明確な証拠があっても否認する厚顔無恥とある。これは他の犯罪でも同じことが言えなくはない。文化の違いを盾にして、知らなかったとか白を切りとおす。裁判官までこれを認めるのだからいい加減にしろ、です。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生