テト中 飲酒運転の検挙

2024年3月31日(日)

交通警察の発表に拠ると、今年のテト期間中(7日間)に飲酒運転で検挙されたのは約2万9千人。これは前年比で2万1千人?増加だとあります。
飲酒運転違反件数は、何と41,2%を占めるというから驚きだが、HCM市が2500件以上、ハノイ市は1200件、ドンナイ省約1000件、バクザン省で975件あったと報告しています。大都市以外は工業団地のある地域が多く検挙者はその従業員に拠るものと考えられるが、日本と異なってベトナムで検挙されるのは多くがバイクを運転中。手ぐすねを引いている網に引っかかる。
ヘルメット着用が義務化されてから死亡事故は急速に減ったけれど、一歩間違えば危険であることには変わりなく、死亡に至らなくても重軽傷事故になるのだが、彼らは自分だけは大丈夫と思っているくらいノー天気。
これまで市内や国道で事故を見たけれど日本の様に救急車は来ない。リヤカーの荷台に載せるか、タクシーを呼んで病院に連れて行くけれど、死亡したとなれば現場でムシロを掛けられてそのまま暫く放置されるのです。これを怖いもの見たさに多くの人が見物しているのだが、異様な光景としか思えません。

さらに病院に行ったところで金が無ければ診て貰えないという厳しさ。これが現地の実態なのだが、テレビドラマでもこのシーンが何度も出てくるくらいの悍ましさ。家族がやって来て金を払えることを証明しなれば、医師は動ないと言うほどであり、薬もまた処方箋を出してもらって院外薬局で購入することになっているけれどこれは入院費などを払わないで逃亡を避けるため。さらには未だに費用とは別途に医師や看護師に心付けをしている。こうしたストーリーはまさにベトナム社会の裏現実でもあり、多くは保険に加入していないので、仮にもらい事故などで怪我をしても補償は一切して貰えず逃げ得にしてしまう。
因みに交通違反の全国件数は、この連休中に7万1400件あり、その罰金の総額は1820億VND(約742ドル)で、罰金の件数は220%増加、金額的には260%にもなったというほど急増した。
またスピード違反件数も16,700件と昨年の7倍もあったとある。バイクで気を付けなければならないのは車線の厳守。物陰に隠れて警察は視ています。
1800台の乗用車、34,000台のバイクが没収されているが、ベトナムは切符を切るだけでなく没収という荒業を使うが権力そのものの振る舞い。台数がまとまるとトラックに積み込んで警察署に持って行き保管される。
こうなると仕事に影響するし、バイクの所有者は歩いて帰るか、何らなの手段が必要になるけれど、警察は一切お構いなし。罰金を払って後日返してもらえるけれど、そのままにした場合は戻ってこない。
さらに薬物で陽性となったドライバーも居て114件の摘発となったが、最近では薬物が蔓延している傾向にあるらしく危険このうえありません。
昨年のテトと比較すれば、事故件数は83件増加したが、死亡者は69人減少、また負傷者は177人増えたとしています。

飲酒運転については政府と交通警察が危機感を持ち、ここ数カ月にわたって、これまで以上に厳しく取り締まりを実施していたという。ベトナムでは運転中にアルコールが検出されると、一定期間免許が停止されます。とはいえ無免許運転はお手の物、何しろ殆どの人にとってみれば唯一の交通手段なので形振り構っていられません。
また飲酒運転では罰金が最高4000万VND(約1640ドル)と最大2年間の免停となる可能性があるが、一般人はこんな罰金を払えない。さらに酩酊状態で事故を起こせば当然ながら刑事事件とされます。また酔っぱらっているのを知りながらバイクを貸す。そして借りた者が事故を起こせば、その貸主も罪に問われるのだが、このテト期間にも死亡事故があり事故を起こした運転者、避け切れなかった相手も亡くなったと記事にある。バイクに限らず車での事故も同じくその場で容赦なく則刻逮捕となるから厳しい。
ベトナムでもビールは一般的だが蒸留酒もかなり一般的に飲まれており、この度数はかなり高い。米や餅米、またオレンジやバナナからも造られほんのりと香りが漂う。またウオッカもあってこれらは日本のベトナムレストランでも飲むことが出来ます。
これを結婚式や様々な宴会などで真昼間から飲み、酔いを醒ましてなんてことをしないものだから、何時まで経っても飲酒運転に拠る事故が無くなりません。
道路上には幅いっぱいの横断幕にスローガンが掲げられており、呑んだら乗るな、とか安全で来たくは家族の願いなんてあるけれど、これを見て注意する者などほとんどいない。まして、もらい事故なんて悲惨の限り。保険はあるけれど新車を購入した時だけで継続しないので、この様な事故に遭っても弁済など一切期待ができません。正直者がバカを見て泣き寝入りするのです。

車は確かに増えたけれど、未だにバイク社会のベトナム。事故はほんの一瞬。
いくら注意していても、何処で、誰が遭うかもしれない。
こうした我儘さ、無責任でマナー無視が横行するけれど、まさに先に書いた数字が証明するわけです。しかし外国に行ってもこのクセは中々抜けるものではありません。従って相手国の社会慣習を学ばず、自己勝手流にベトナムに居る時と同様に振る舞う。挙句の果て事件事故を起こす輩は後を絶たないのが理由なのです。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生