前回のコラムでは、中部ベトナムへの投資が増加していることをご紹介しました。
中部ベトナムにおける経済・文化の中心的都市は、ダナンです。
ダナンは、ベトナム国内で経済成長が著しい都市の一つであり、2017年のGDP成長率は9%を記録しました。
今回は、ダナンについてご紹介します。
世界的に注目を集める都市
ダナンは中部ベトナム最大の都市であり、人口は100万人を超えます。中部ベトナムの工業、サービス、物流の中心地です。
また、ダナンは、ベトナム有数の観光地でもあります。このところ、外国人訪問者数が急増しており、観光施設の建設やリゾート開発が進められています。
さらに、2017年11月には、APEC首脳会議が開催されるなど、世界的に注目されています。
このようなことから、外国企業による投資が、工業や観光、不動産分野を中心に拡大傾向にあります。
地理的に重要な地として再認識
ダナンは、首都ハノイと商業都市ホーチミンのほぼ中間にあり、この2大都市への供給拠点としての役割が再び注目されています。
これまでも、ダナンが注目された時期はありました。しかし、ホーチミン~カンボジア~タイ~ミャンマーを結ぶ「南部経済回廊」が重要視されたことや、ベトナム南北間の輸送のメインが海上輸送であったことなどから、ダナンへの注目度が減少していた、という経緯があります。
ベトナムでは、近年の経済発展に従って所得水準が上昇しており、ホーチミンの1人当たりのGDPは5,000ドル、ハノイでは3,500ドルに達しています。ダナンは、両都市の台頭する中間所得層をターゲットとして、消費財やサービスなどを提供する企業の一大供給拠点となり得る位置にあります。
さらに、ラオスとタイを経由しミャンマーに至る「東西経済回廊」の起点でもあり、ASEAN域内貿易の拠点としての発展が見込まれています。
ハイテク企業の進出を誘致。日系企業も進出
ダナン市当局は、ハイテク産業への投資を奨励しており、ハイテク企業の進出を誘致しています。
ベトナム政府は、先端製品の製造拠点を集積する「ダナンハイテクパーク」を整備し、入居企業に対して、法人税や土地リース料の減免など、さまざまな投資優遇政策を設けています。
同パークには、日系企業3社を含め、10社が入居しています。東京計器は、2015年に、日本品質の電磁切換弁の生産を開始。同パークにおける生産工場の第1号となっています。