ベトナムで生産体制を強化している日系企業の事例をご紹介

2018年6月22日(金)

積極的に対外開放政策と工業化を進めるベトナムでは、日系企業各社が、経済成長や所得水準の向上などを背景に今後も拡大が見込まれる市場において、生産体制を強化しています。

今回は、最近の事例をいくつかピックアップしてご紹介します。

事例1:ダイキン工業

ベトナムでは、エアコンの販売台数が年平均30%超のペースで伸びています。家庭用エアコンを中心に空調機器の需要は、今後も拡大することが予想されます。また、電気代が比較的高いことも、省エネ仕様のエアコンの普及を後押しすると考えられます。
ダイキン工業は、タイ、マレーシア、インドに次ぐアジアでの新たな生産拠点として、ハノイ近郊の第2タンロン工業団地内に、約100億円を投じ、ベトナムに初めて工場を設立。今年からの稼動を目指し、年間50万台規模で省エネ性能の高いインバーターエアコンを生産し、2020年をめどに年間100万台規模の生産ラインを整えるとのことです。

事例2:昭和アルミニウム缶

ベトナムの飲料用アルミ缶市場は、冷蔵庫の普及やエナジードリンク市場の拡大などにより、年間10%のペースで伸びています。今後も、高い成長が見込まれています。
昭和電工グループの昭和アルミニウム缶は、クアンナム省に、ベトナム第2の生産拠点となるアルミ缶工場を建設しています。新工場には、年間7億缶能力の缶体の生産設備を1ライン設置し、今年10月に稼動を開始する予定です。既存の工場が、2016年後半以降、高稼働が続いているため、生産能力の強化を決定したとのことです。

事例3:湖池屋

湖池屋は、昨年9月に、約10億円を投資し、ドンナイ省に同社初の海外生産拠点「コイケヤ ベトナム」を稼働させています。
ベトナムでは、スナック菓子「カラムーチョ」の売れ行きが好調であり、「ドラえもん」とコラボレーションした新商品は、昨年10月の発売後、1か月で累計販売個数が3万食を突破しました。ちなみに、ベトナム国内で販売している商品は、日本のものよりも辛くしているそうです。
同社は、2006年に台湾に現地法人を設立し、海外市場開拓を開始しました。アジアをはじめ、北米やヨーロッパにおいても海外展開を強化しています。