お金にまつわる話 成長の陰で見えない実態のひとつ

2020年5月12日(火)

古くから知り合いの日本人。20年以上の滞在歴があり奥様はベトナム人で、会社の社長をしている。閑話の中でふと話題になったのが日本企業はベトナムにどんな魅力を感じるか、だったのです。今の新型肺炎のことはさておいて、確かに成長が続き、街は急速に綺麗になっているし、所得は増えて生活も随分良くなっているねとの長話。ところが人の中身や考えは全然変わっていない、と長期在住する誰も感じる茶飲み話へと話題に転じましたが、これもまた正解。
ついこの前に発表があったJETROのニュースでは、日本企業の多くがベトナムへ新規進出か、進出済企業は現地事業の拡大の方向にあるなど、投資先として魅力が高いとしています。また他の銀行などの調査でも日本企業の関心は一番高いとのデータがあります。海外進出に於いては幾つかの隘路が新興国にはあって然るべきだが、取捨選択してベトナムに分があるということでしょう。
しかし多くのセミナーでは良い所の切り貼り。講師自体が現地での事業や生活体験が無いことが多いため、現場の実情など分かる訳がなく、話せないのです。現在は資料・データが容易に検索できるので、マクロ数字の調査は可能だが、中身と背景を知る事が重要。これは現場を肌で知ってこそ実態が見えてきます。
また成長の裏には、人件費の高騰、労働人口の高齢化など投資環境には多くのリスクが未だに残っている。変化の速度は激しく2年前など大昔の出来事です。
今とは事情が随分違っていて、過去形になってしまう。こられを見込んだいま現時点での対策を行う必要があると考えるのです。
どの国や地域にも歴史と文化があり、それに基づいた風俗習慣を持っています。僅かの期間でそうした遺伝子や国民性は変わらない。まして国際的なビジネス経験は経営者も従業員にしても長く無いだけにトラブルや問題は多いが、実際に行ってみて初めて分かることだらけ。殊にお人好しで善意の日本人は他人を信じて裏切られことが多く、現地スタッフや他国の現地駐在者からもとかく鴨にされる度合いが高いので、最も気を付けるべきことです。だが表に出ないし、公言も出来ず、悔しい思いをされた人はかなりの数に上ります。幾らセミナーで話をしても、本などを読んでも分らない。実際に遭遇し、頭を打ってやっと気付きます。これでは遅いと思っていてもしようがない。
身近には幾らでも例があって、少なからず痛い目に遭っている。極端に言えば現地法人が立ち行かなり、日本の本社にまで害が及ぶ事さえあります。
こんな場合に助けになるのが、やはり現地の優秀なスタッフ。こういう珠玉の人財を見つけるのは難しいけれど、そこはご縁と現地赴任する人の熱意、普段からの心構えと努力にかかってきます。
しかし如何とも仕方なく嵌められることもあって、多くはお金に纏わります。
大小は別にして古今東西を通じて、多くの人はこの洗礼を受けている筈。だが現地に居た経験のある人は、日本とはかなり違いがあると考えます。
ある知人。ベトナム人の奥様を社長にして会社を経営していたが、閉鎖する事にしたのです。大手の会計事務所に依頼、税務署には毎月書類を提出していたので問題はないと思っていた所、2万ドルを請求してきたのです。
これはベトナムの会社。しかし外国人の名前が入っていると、赤字でも利益はあると見做します。従業員などいないし、きちんとレッドインボイスもある。
会計事務所に相談しても、何ともならないという。金額の整合性など全くない。即ち嫌がらせ。だがモノは相談、署内に詳しい人が掛け合うと、割引くという。何年かかってもラチはあかず負けてしまうのがオチ。だがそのまま放ったまま。
配偶者在留だから何時までもいる事は可能だが、こうした場合に問題となるのは出国できなくなる。つまり空港に行っても連絡が行き届いていて出られない。さらに処分は罰金、場合に拠ると収監と来るのです。
税務監査の度合いが違いお土産(帳簿記載等不備)の大きさが全く違います。いちゃもんが激しく、大手だって数万ドルの追徴など平気の茶飯事。こうならない様に優秀で地域に強い人財を登用、普段からのお付き合いが重要ですが!
投資や進出する際には良い話を並べるが、現地の実態は異なります。法人設立は時間が掛からなくなりましたが、撤退する時が難しく簡単ではない。1年か2年掛るのか分からない。泣き所だがどうしようもありません。事務所は借りたままで従業員も解雇できず、日本人スタッフも現地滞在。金が無用に掛る。こうならない様に進出前にまともな所で相談と精査が必要ということです。
別の例、優秀と信じていたスタッフから、当局から賄賂を要求されたとの報告。これが実は妖しく、通関で止まっているのでお金が要るなど、嘘も結構ある。発注担当は出入り業者からキックバックが多い。家が建つほどの要求額です。また公安を無視。正義面を通したためライセンス取り上げの沙汰。賄賂は単なる手数料でしかなく誰もが悪習と思うけれど、これは現地スタッフがいけない。工業区でコンテナ1本幾らと決める所もあって、社長の自腹からしか出せない。実際にベトナム人が郵便税関で金を払った話はある。海外から送られた誕生日プレゼントも輸入になるので中身を確かめ税率表に基づき支払います。しかし職員は物が欲しくて堪らない。輸入禁止とか言って暗に個人的にオネダリする。金の亡者や家族が病気とか、使い込み、持ち逃げされた話などは幾つもあるがまたの機会に。とかく日本人は善良無比、これが仇。気を付けましょう。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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