日本の飲食企業の進出が加速

2019年9月21日(土)

日本食はベトナム人にも大人気。HCM市内に500店程の日本食レストランがある様です。この多くは日本人以外が営んでいて、韓国人や日本へ行った事すらないVN人が調理する場合も多く、ビルト&スクラップが続きます。また邦人を配偶者に持つVN人の奥さんも知ったかぶりで経営するがまるで出鱈目。客の入りが悪いので大赤字を出す前に辞めろと忠告したことがあります。
1990年代は10店あるかないかで、殆どは日本人の経営。しかし素人でもやっていけた。何しろ日本人が数百名しか居ないし、遠方からも日本食恋しさに駐在員が夜な夜なHCM市までやって来たという状況。この時分でさえ手打ち蕎麦や神戸ビーフの店などもありました。
増えだしたのは2000年に入ってから。今では北海道の幸をふんだんに食べられる高級店もあり、値段は高いが何時も満員。このオーナーは日本を知らない人。日本人スタッフも居ないのに?どうしてと訝ります。
反対に日本人オーナーであっても、いつの間にか閉店という話も少なくない。高額家賃、従業員との問題、公安、税務署との問題など理由は様々。今は名義を借りなくても開業は可能なのだが、それでも難しさはあります。
また以前は何でもありのまるで「くいだおれ」の様な店ばかりでしたが、近年日本の飲食大手やチェーンのFC店が参入。さらに人気のラーメンからカレーに定食や居酒屋が増えて専門化と多様化しています。
今年になってから、幾つかの新規出店や2号店、またこれまでパン屋はあったけれど、洋菓子店なども進出しました。当地のケーキが美味しくなってきたのは最近。十数年ほど前はバタークリーム。これが冷蔵庫の普及やクリスマスに誕生日などが影響、生クリームになり生地もフワフワしっとり。所得向上で食生活が変化、舌が肥えました。
最近の進出は金沢の8番らーめん。これは国道8号線からのネーミング。金沢に居た時は良く行きましたが私事ながら大学の大先輩の起業。フランチャイズ方式で、定番の野菜ラーメンがメインとか。懐かしの味です。
山梨が本社のシャトレーゼ。多くの種類の菓子を北岳山麓、白州の自然環境の中で造っていてイメージはいい。此処がハノイとHCM市に出店。価格は日本より高くなるけれど、イートインができ甘いもの好きなベトナム人には受けると思います。以前山梨出身の日本人にフランチャイズ店をすれば、と話した事がありますが何事も思い立った時がやり時。150店展開が目標、地場トップのキムドーベーカリーは此処まで張り合える?
昨年8月に進出したリンガーハット。一区ベンタン市場の近くMARUKAMEの手前にオープンしました。値段は日本と変わらない。なので行くのをやめましたが、7区のPMH地区クレセントモールに2号店を出す。日本人学校もあり金持ちや外国人居住者が多いので成算在りでしょう。ベトナムも麺文化の国です。
さてTV番組でも評価が良かった大戸屋。HCM市に直営店を初めて出店とか。
ハノイにフランチャイズ1号店を早くに出したが、上手く行かなかったようで、
契約を解除して仕切り直し。場所は一区の真ん中ビテクスコタワー。直営事業で5店舗を目標だとかで、日本人駐在員が喜びます。
あのワタミが初の進出。地場企業と合弁会社を設立、宅食ではなく高級グリル専門店をHCM市3区に出店と言います。10年間で30店舗目標。
一頭買いの精肉店が経営するという福岡の焼肉の網屋。HCM市レタントンにステーキハウスを出店。生活が豊かさバロメーターは焼肉の普及とか。
イケイケドンドンと威勢はいいが、問題は原価率と家賃が高く、現地料理人は日本の調理師学校へ行った試しは殆んどなく基礎が無い。仕事を覚えると少しでも給料の良い所へ即座に移る。フランチャイズも何処まで共同でやれるのか、などなど後から色んな問題が出てきます。事前にしっかりと現地事情を把握しておくべきです。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生