何気なしにネットをみていると、上記のタイトル記事を見掛けました。以前にもこのようなコラムを書いていて、なるほど!と頷ける。確かに海外での日本人旅行者の行動を、現地の人はしっかり観察しているけれど、まして観光関連の業務に携わっている業者なら尚更のこと。共通点が見いだせることでしょう。
我々とて同じ様に来日外国人に「どちらの国ですか?」と尋ねる事もあるし、TV番組「YOUは何しに日本へ」なんて、「何処の国から?」と聞いている。
ベトナムでも現地の人から聞かれるのは「韓国人?」が多い。「いや日本人です」と当然の事ながら答えるけれど、それほど韓国人の渡越が多いという証拠でもあるが、東アジアの人の顔など明確な区別が付かず同じ様に見えるのでしょう。
夫々の国の人の特徴が出ていてはっきり分かればまだしも、見極めが難しいのも事実。しかし、いわゆる国民性とか習慣などは身に付いたもので、抗うことは出来ず、こうしたものが形になって自然な形となって現れるのは間違いない。
ではどの様なことや性質振る舞いが日本人の観光での特長に映るのでしょうか。
・せわしなく移動する
時間とカネを惜しむが如く、とにかく慌ただしい。パック旅行ならなおの事、スケジュールがびっしり詰まっていて、少々疲れお気味だが元気そのもの。
だが流石に日程と時間通りに動かないと気が済まない国民性なのか、遅刻することは滅多にありません。朝食のブッフェを腹に詰め込むが、これでは現地の食の美味しさを味わう余裕などなく、なんとも勿体ない話です。
朝早々と出かけ、夜は遅くレストランで夕食をとって帰ってくる。落ち着いて文化を楽しむ積りなどなく次の地へと移って行く。これが一般的なパターン。
欧米人のように時間を存分にとって、訪問の地でゆったりとした時間を過ごすなんてことは不得意で、何処の国に行ったとか渡航回数を自慢する人は多い。
シールをスーツケースにベタベタ張ったまま、空港で海外旅行をやたらと得意げに会話をする御仁は多い。しかしこんな人に限って個人旅行は出来ずパック旅行を御用達される。また外国ではシャワーのみが多いけれど、日本人はバスタブ付を好む。だが地方では湯さえ出ず、水だけの所だってあるが、気候風土や慣習上での生活文化のスタイルが違うためであって仕方ありません。
・有名観光地での物見遊山に拘りマイナーな文化には興味なし
たとえ人で混雑していても、行き先は現地の有名な観光地。これで満足する。検索してみれば意外に面白い所が沢山あるけれど拘っている。下調べを充分にして新しい発見をする兪かしみもあるが、面倒臭くて冒険はできない。
また知り合った現地の人や、初めて接する異文化や歴史への興味などさほどなく事前の確認もしません。何処の国でも一番面白いのは市場。庶民の生活事情が良く解かるし、観光地の土産物店では売っていない珍しいものが安く買える。また横道(ベトナムではHEMという狭い道)に見るべきものは沢山あるけれど、こうした所には怖くて踏み込まない。海外通と自認するリピーターでさえ新規開拓は不得手、はみ出す勇気がなく安全一路を守る人は多いようです。
・口コミ優先は信用ならず 宿泊先などを決めるのに興味がない
他人の高評価を気にし過ぎて振り回される。冒険心は無いし、ブログで勧めする高級ホテルを選ぶ傾向は、日本人の特に30歳台前後が多いとあり、横並びの安心を感じるみたい。
しかし地方のホテルなど割とトラブルは多いのだが、多くの日本人は話が出来ないから黙っている。ある時、外国人が多いというムイネのリゾートホテルに紹介されて行った。バスタブはあるが給湯など期待できない。これは良いけれどまったく熱くはなく、水は赤茶色。幾ら何でもとレセプションに電話した。修理に来たというけれど一向に直らず結局は部屋を変えろと要求。
欧米人の殆どは宿泊料に見合うもので当然と考える。この意識差が高いけれど人の好い日本人は舐められておりカモにされます。
ごく一部が現地で逗留先を決める。当りハズレはあるけれど結構フレンドリーで面白いことも多々ある。出会った中には母親を連れた女性が居て長距離バス旅行を楽しんでいたのはほぼ例外か。こうした人は比較的英語が出来るけれど、折角の機会、ある程度の言葉でコミュニケーションができるくらいでないと、旅の面白さは半減する。まして片言で良いから現地の挨拶や最低限のお礼などが言えるようにする努力は、相手に好印象を与えます。
飲食も同じ傾向にある。しかしガイドブックはいい加減。実例があって筆者の知り合いの母親が営むレストラン。全くの素人だが、私が良い事を連ねて投稿するとそのまま掲載されていた。調べないのか?確かに日本語が出来るけれど食事はそんなに美味しくない。ベトナムが良く知られていない頃の話です。
カンボジアでも同じ、本に掲載される店など概して高くて旨くない。隣の店の方が人は少なかったけど親切で美味しかったなど枚挙に暇がありません。
・ガイドブックか地図を片手にキョロキョロ
多くの日本人、老若男女ともに言えるけれど交差点や街角でよく見かけた光景です。気を取られて脇が甘くなって危険。探している間に掏られる事もあるし、ベトナムは取り分けバイクの通行量が多く、この妨げになるのでやめて欲しい。相手は観光客であっても親切ではありません。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生