日本企業によるミャンマーへの投資と進出が増加するに従い、ミャンマー人人材の需要も拡大しています。特に、高い日本語能力を持つミャンマー人に対する需要は高く、幹部・マネージャークラスの人材ともなれば、高給で待遇されます。
こうした需要の拡大を反映し、ミャンマー人の日系企業への就職人気が上がっています。そして、日本語能力があることは就職に有利に働くため、日本語学習熱が高まっています。
そこで今回は、ミャンマーにおける日本語学習ブームと日本語学校について、ご紹介したいと思います。
日本企業の進出増加とともに高まる日本語学習熱
ミャンマーに対する日本企業の投資・進出の増加に伴い、日本語を使用する就業機会も劇的に増加しており、日本語学習者数もうなぎ上りです。
国際交流基金が3年おきに実施する、世界の日本語教育機関調査によると、ミャンマーの日本語学習者は、2012年度は約3,300人でしたが、2015年度には約11,300人へ増加しています。
また、日本語能力試験は、年々受験者を伸ばしており、2014年に約4,400人であったのが、2015年には約8,000人へと大幅に増加。特に、初級レベルのN4やN5の受験者が急増しています。
日系企業の就職に有利であること、そして、外国の証明書に一定の信頼性があり、経歴に“箔が付く”ことが、主な原因と考えられます。
日本語学校も急増
日本語学校も2011年の民政移管後に急増し、全国に130校ほどあります。ヤンゴンに100校程度と集中し、第2の都市マンダレーには20校ほどあります。生徒数が100人を超える大規模校はごく少数です。日本語学校は、ヤンゴン都市部では既に飽和状態ともささやかれており、地方へ進出の動きがあるようです。
最近では、初級レベルで履修を終えずに、更に上級のレベルに進む生徒が増加しているようです。
マンダレーには全寮制の日本語学校も
JSCマンダレー日本語学校は、2015年にマンダレーに開校した全寮制の日本語学校。生徒数は700人を数え、ミャンマーにある日本語教育機関としては最大級の規模です。
日本語の習得レベルとしては、上級のN2からN1を目標としています。職場での円滑な人間関係や技能習得に必要な日本語を実践的に学べる場として支持されています。
卒業後は、通訳、日本語講師、日系企業の現地法人のマネージャーなどへの就職の道が開けています。