ミャンマー南部タニンダーリ管区沖、アンダマン海に浮かぶメルギー諸島では、真珠貝の一種、シロチョウガイが生息することが知られています。この貝から採れる、金色に輝く真珠は、俗に「ミャンマーゴールド」と呼ばれ、人気があります。ミャンマーゴールドパールは、層が薄く、きめが細かく、透明感があり、高い品質を誇ります。
2012~2018年のミャンマー産真珠の輸出総額は、4,780万米ドル(約53億円)に達しました。輸出する真珠は、主に香港と米国で販売されます。日本でも、値が張りますが、入手可能です。
そこで今回は、ミャンマーにおける真珠養殖と、これに関連する法律について、お話ししたいと思います。
ミャンマーの真珠養殖をスタートさせたのは日系企業
ミャンマーの真珠養殖産業は、1954年、日本のミキモトが、メルギー諸島に養殖場を開設したのが始まりです。真珠の養殖に恵まれた自然環境に加え、日本の高度な技術により、独自の核入れに成功し、ミャンマー産真珠は、ここ10年ほどの間に品質も格段に向上。2011~2016年の真珠生産量は、300万個を超えました。
また、TASAKI(兵庫県神戸市)も、1997年からミャンマーで真珠養殖事業に着手し、メルギー諸島に2つの養殖場を自社で保有し運営しています。
ミャンマーでは、真珠の養殖・生産は、主にタニンダーリ管区で行われています。現在、国営の養殖業者2社のほか、民間業者が同管区内の12の島で事業を営んでいます。
ミャンマー真珠法が改正。真珠養殖事業への外資100%出資が可能に
ミャンマーにおける真珠の生産、取引、養殖場水域の保護を規定する法律として、1995年に公布された「ミャンマー真珠法(Myanmar Pearl Law)」があります。
ミャンマー真珠法は、2018年10月に、真珠養殖事業への外国直接投資を促進するため、改正されました。
改正法では、真珠養殖事業に対して、外国資本100%での投資が可能になります。
また、改正前には、外国投資家に対し、固定税率制のもと、国内投資家の25%を上回る30%を課していましたが、今回の改正では、養殖真珠の核入れ時に、2,000チャット(約140円)の固定税額を課すのみとなりました。
加えて、生産した真珠の輸出も、旧法の75%を上回る90%まで認められることになりました。
既に、日本をはじめ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4社が投資を始めているとのことです。