こんな記事が掲載されるのにはいささか唖然としました。というか呆れるばかり。しかし何も地下鉄だけの話でないのは、誰しもが思っているけれど、破廉恥な行為を絶対にしていないなどと口に出せるものではありません。
もしも自分や家族も知らず知らずにやっている可能性があれば恥ずかしい。
自分勝手な国民性だとか、他人のことなど考えない人が多いと思っていない外国人はなど住んでこそようやく実態が分かってくる。住んでいる地域の出来事だけでなく、実は会社内や国内のビジネスでも蔓延っている現象です。
筆者が思うのには、長い間中国には朝貢外交、またヨーロッパの列強諸国に拠るところの支配。立派な人物もいたけれど、統治者に逆らえば命はないし、他人を密告してまでも自分や家族を守りたい。こんな人が出て来るのは何処の世界でも同じなのだが、並の歴史ではなく1000年間も他国の支配に耐えて来た人達が心を売り、身内や友人を裏切ってまで生き延びて来た黒歴史であるのかと考えらなくありません。受け継いだDNAがもしかすると、記事にある様な文明的な振る舞いの欠如の理由ではなかろうか。なんて思ってしまうのは邪推でしょうか。
だから未だ以って蔓延る賄賂社会。これを撲滅しようと前書記長も頑張って来たけれど、収まる気配など見当たらない。表立ってはしないけれど水面下に潜って脈々と続いています。しかし政治の道具にするのもどうなのか。
こういう悪しき伝統を知らないで、何時までも観光気分、親切で勤勉な国民性だと思って赴任すると、たちまち洗礼を受けてやむなくポケットマネーから出すなんて羽目になります。
文明的な振る舞いとは、すなわち社会的悪業をしないことだって含まれるし、日常生活での住民のマナーやモラル等も出て来るのだが、要するに他人への気遣いなどお構いなし、海外での留学やビジネスを経験したことが無い人の自己中心という訳で、日本人とは交わらないのです。
例えばゴミ出し。最近はルール化され、何処の国を見習ったのか知らないが、分別収集に切り替わって来ました。この法律に従わなければ得意である罰金が科せられる。此処までしなければ改善が望めないのです。
それまではペットボトル、空き缶、空き瓶に紙類など元締め回収業者がいて、地域を自転車で回り、これらの資源ごみを収集して生活の糧にする人が居ました。金になれば良いとせっせと集めて置き幾ばくかの金をもらうのです。馴染みとなれば情も湧く、来る頃合いを見計らって渡すというお互い阿吽の呼吸。人間関係はこういう場面でも重要で上下関係などありません。
問題は生活ナマごみ。週に2回手押し車で集めに来てくれましたが、何しろ道が狭まく車が入って来られない。費用が嵩むので日本と違って金額は高くはないけれど、毎月各家に料金を徴収しにやって来ました。
さらに濡れたままの状態でビニール袋に何でも放り込んでおり、暑い中で雫がしたたり落ちている。それだけでなく悪臭が放たれ蠅がたかっているし、生ものや食事の残滓があればネズミなどが食い散らかしているけれど、ゴミを出した本人は汚れても掃除もしない。こんな光景を筆者が住んでいた区で頻繁に見掛けました。それどころか真夜中にマットレスを捨てにくるとか、要らなくなった家具まで捨てているなんて、度を越えていても平気の平左。
此処までくれば犯罪なのだが、迷惑行為には一向に構わず、誰も注意しない。
だから実習生などが来日すれば、日本のゴミ出しはいちいちややこしいし、面倒臭い。人が見ていなければ「やっちゃえ」となんでもかんでも袋に入れてしまうモラルの無さ、身に染み付いた生活慣習から抜け出せない。もっとも各送り出し機関で日本に行けば生活をどのようにすべきかなど、冊子を作って教える所もあるが期待できない。教える人が生活したことが無いのです。
もう20年ほど前なのだが、1区の商業ビルのエスカレーターに誰しも乗れるとあって大勢の人が詰めかけた。ところがエスカレーターなんて知らない。
どうして足をステップのせればいいのか、どのように下りればいいのか考えられず、マゴマゴもたついている間に体が付いて行けなくなって転倒。という始末で緊急停止しました。怖いもの知らずというか、危険行為という認識など全くない。我も我もと先を急ぐから転倒、後ろから押されるのでは仕方がない。今では笑い話で済むけれど、結局は誰も買い物などしなかった。
このビルだが、お仏壇のハセガワが百貨店に転用したけれど、日本料理店のテナントが入居して結構賑わっていました。当時の責任者は大学の後だがもし怪我人が出たならオオゴト、それこそ罰金もの。因みに同じことが韓国系のデパートでも起きたが、結局は階段を利用したと、怪談話で落ちがついた。
本来のお題に戻ります。
昨年12月22日に開業したHCM市初の地下鉄一号線。と言っても高架が多いがそもそも電車自体を知らない人が殆ど。初日から無料とあって、多数の市民が初体験を味わうため乗りに来たので大混雑したと報じています。
報じられるところでは、開通2週間で利用者は計画より多く170万人にもなったとあります。特に1月1日は275,000人を超えたが、さて何処へ、何をしに行ったのか。単に珍しくて乗っただけなのか、毎年の年越しの夜に行なわれるカウントダウン花火のチョロさに飽きたのか。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生