統計局によると、昨年度度の輸出は好調で17%伸びて4,750億ドルとなり、輸出総額から輸入総額を引いた貿易黒字額は200億300万ドルであったとしています。輸出の増大は国内工業生産を強く支えているとしている。
そこに外国貿易庁は早くも今年の貿易黒字額を15%増やして230億ドルに増やす計画だと現地ニュースが報じていました。また輸出についても8%成長を目標としていると同庁の副局長ハイ氏がハノイの会議で話したと報じている。
これらの目標を達成するため、産業貿易省傘下の官庁は輸出入活動の規制する歩的枠組みを改善し、各機関などからフィードバックを元に旧式の通達を改正、補足、代替案を提案するとしたとあります。
生産と輸出におけるボトルネックに関しては、コラム696に示した通りであるが、これには触れずハイ氏は関係機関と引き続き協力して行くように述べた。
国月ではCPTTPに加盟しているメキシコに対しては、自国企業を鉄鋼輸出許可対象の製鋼所リストに加える様に促し、また繊維・衣料品の輸出に関しては必要に応じて規制を調整する様に提案した。
またEUの鉄鋼産業を保護する規制に対する適切な対応策を当局、業界団体、企業と連携、繊維・衣料品のセーフガード措置についてはユーラシア経済委員会と協議するとしている。
さらに農業環境省と連携して輸出市場の拡大に重点を置き、新規市場開拓交渉や、すでに公式なルートで輸出されているが、まだ協定の対象となっていない農産物に対して、中国の公式機関と署名を行うように進めるとしている。
また既存および今後のFTAにおける市場へのアクセス、また原産地規制交渉については積極的に関与し、国内とアメリカとの間で構成活バランスの取れた相互貿易協定の枠組みを含めて協定のアップグレードをしてゆくとあります。
同省の海外市場開発局長のヒエン氏は、今年度の最大の課題は依然として世界の貿易環境の不安定さであり、更なる障壁が導入される可能性が極めて高いとして警戒をしているのです。
ベトナムの主要輸出先は限られた主要国が中心となっており、EUやアメリカなどFTA交渉を終えている市場の維持を図りつつ、北欧とかニッチな市場、新興国市場を開拓して、相手国が必要とする製品や専門的な分野の産品を開発し、他国との競争に於いて優位を築き拡大する重要性を強調している。
また多くの海外市場では厳しく監視されている農水産物や加工食品の残留農薬などが検出される問題、違法な積み替えや原産地詐欺と闘うため、より強力な省庁間での連携が必要性であるとしています。
・今年度に海産物輸出は115億ドルを目指す
今年の海産物輸出は1000万トン以上とし、115億ドルを目標とすると、水産漁業監視庁のトアン副局長が会議で述べたとされるが、これは昨年度実績の0,6%の微増となっています。
ベトナムが輸出する漁獲高は約375万トンだが、これは2,1%の減少となる一方で、この所、急速に発展している養殖による魚類の輸出は625万トンになると予想しているが、2,2%の増加となる。
ベトナムは主に南部でエビの養殖とか、白身魚であるがナマズの仲間である、パンガシウスの養殖が盛んに行われ、これを工場で切り身やフライ物、すり身などに加工して冷凍食品として輸出しています。
ベトナムは捕獲する漁業を削減し、持続可能で気候変動に強い方法で養殖事業を拡大し、一次産業としての魚類の輸出ではなく、付加価値を付けて競争力を高めるとしている。
こうした方法は日本の流通業界の進出により、もたらされたとものだと筆者は考えているが、PB商品を安定した品質管理の下で清潔な現地工場で加工する。
こうした思想は2000年代にはありませんでした。あるホテルで日本の大手流通企業がベトナムに進出する際、VCCIの協力を得て、現地の事業者を集め説明会をしたのだが、筆者はこれに参加してやり取りを聞いていたのです。
現地の業者の関心事とは幾らで買い上げてくれるのか、とか資金支援はなどのレベルの低さのまま。それもその筈、地場業者ではPB商品というものが全く理解されていなかった訳です。
すでにこの時期には日本から、海老の主要養殖地であるメコンの省に冷凍食品の会社が進出し加工品製造に着手していたけれど、彼らには食文化の違いから、一体何を造っているのかさえ分からなかったのです。大体こんな不便なド田舎に日本人がいること自体あり得ず、地元公安もてどう処遇していいのか分らなかった、なんてのんびりとした時代もありました。
スーパーには冷凍品を置くケースさえなく、自宅には電気冷蔵庫などある家庭は少なかった。だから店員はどう管理していいか分らず、フニャフニャに解けた状態を平気で売っていた。
ところがこの数年後には一転して地場企業でも冷凍品を製造。HCM市内には日本向けに業者ごとの仕様で加工している立派な冷凍設備(日本製)を持った工場が完成したのです。
同庁では、今後も漁業経済の転換、商品の多様化へ移行するために注力するとしている。こうした成果で昨年の水産物輸出は約110億ドルとなった様で、前年比で12,7%伸びたとあります。
・アメリカがMMPA適用開始 新たな参入障壁に
2026度1月1日からアメリカは、新たな技術的規制として海洋哺乳類保護法(MMPA)が正式に適用されると報じている。輸出自体は認めているが、厳格な監視条件を満たし、適格証明書の提出が義務付けられるとあります。
ベトナム産の海産物のうち、これに関連して禁止されている12の漁業に該当するものは、アメリカの港湾に入港できず、当該漁業に基づかない証明COAが必須となる。
加工食品も対象になるが、地場企業はこの制度が出来る前に仕入れた輸入原料についてCOAは取得していなかったとあるが、これに関してもアメリカ側は提出を求めたとあります。
アメリカ海洋大気庁は、COAは輸出許可でなくMMPAに基く輸入管理証明であり、アメリカの税関に対して合法的に捕獲、調達された商品であることを示すものと説明している。
COAはベトナムの水産管理局が発行するが、輸入加工品は最終輸出国が正式な書類を以って署名する必要がある。
これに対してベトナムの水産企業は慣れるまで時間が掛かるとし、また発行する水産管理局も新規定なので混乱しているとしています。
・野菜・果物の輸出 2026年度100億ドルを目標
昨年の輸出は約84億ドルとされ前年比18%増加したとしているが、構造的な弱点が解消されるなら、早ければ今年には100億ドルに達する可能性がある。
近年ベトナムの農産物は上昇傾向にあると野菜果物輸出協会が語っているが、新たな成長の余地は残されているとした。これには先ず品質の改良改善、市場基準へ生産者が強い意思を持って取り組まなければならないとしている。
だが今、中国が依然として最大の輸出市場となっているけれど、またベトナムにとって大きな課題となっているとしたのです。これは輸出価格が上昇していても中国への出荷は市場の変動が大きく、また輸入政策の変更による混乱が生じやすいと説明しています。
農業経済の専門家は、この農業生産分野の弱点とは、生産組織にあると指摘。
原材料から加工、流通への連携がされていないので、市場が基準を強化、規制も改正されると彼らの体質は脆弱なので対抗できない。また物流コスト、市場へのアクセスが安定していないので競争力が無い。輸出市場が多様化してベトナム産の果実の需要が大きいけれど、マーケティング力が無く、標準化された生産や市場需要に沿った包括的で長期的な戦略がされていない。こうした状況から、信用や物流インフラ整備など政府の継続的な支援が持続可能なベトナム農業を成長させるかの鍵だとしています。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生