日本の緩いCOVID-19対策がむしろ多くの命を救った とひとつの考え方

2022年2月22日(火)

このところ日本のCOVID-19感染者は100人前後と世界から見て驚きの数字が続いています。韓国は日本が数字を誤魔化していると、自国の感染者の増加を棚に上げ揶揄しているが、大きなお世話。他国のことは放っておいて自国の医療崩壊を心配せよと言いたくなる。また中国のサイト知平で日本人はワサビと納豆を食べるから感染者が激減。とこれは冗談だろうが、人智を超えているとしながらもウイルス死滅説を上げている。これは突然変異を修復する酵素が変化、修復が追い付かずに死滅。というものだが謎のまま。
ベトナムでは10月後半から減少傾向にあったが、11月には急速に増加して1万人前後に。11月11日にはついに100万人の大台を超えてしまった。
HCM市を始めとする南部の省がトップ10に名を連ね86%を占める。
こんな中、日本のネットである医師が日本の対策は失敗だったが、むしろ緩やかな規制と人々の協力で被害は小さかったとその最適性を指摘した記事をみた。あくまでもこの方の個人的見解で、日本人の謙遜と謙譲の美徳を挙げている。殆どCOVID-19に関する学術的内容と異なる一種の哲学的な思考だが、最短で目的が達成するより、努力し続ける非効率さが美徳とされると言う話。
細かいところまで気を配り「石橋をたたいて渡る」ことが日常茶飯事。さらに自己研鑽の美徳と統合されている。狭い国土で多くの国民が公平で平和に暮らせる奥ゆかしさの中で培われた知恵だと、些か飛躍気味に考察しておられる。日本の海外ビジネスもそのような感じ。例え上手く行こうが自慢せず謙遜して自分の手柄にしない、のは良いけれど皆が大谷さんではない。礼節を欠くのも駄目だが、バランスは必要で度が過ぎると相手や程度によって嫌味になる。
これ大阪府の吉村知事の奮闘に見られるかもしれない。ネットでは体調を心配して「吉村寝ろ」なんて言葉も飛び出ることは些か大阪的だが、4年ほど前の10月、HCM市でワーキングテーブルがあった際少々話をしたが腰の低い方。しかしきちんと向き合って話をされる姿勢を思い出しました。

・勝因?には、3つの要因があるとの説明

1つに、日本の保険医療制度が充実し基礎疾患を日頃から管理できていたこと、重篤化した人も医療者が献身的に治療してきた。高度な医療機材や治療薬を有して使え、国民の教育度も高いこと。
2番目に清潔観念が徹底している。靴を脱いで入室し、手を洗って嗽をする。入浴もよくすると言う日常の保清。下水道が完備しネズミや蚊などウイルスを媒介する動物の駆除など公衆衛生が進んでいるなど、総合力がある。
3つ目に季節性ウイルスに晒されてきた。公的補助でワクチンが使える。

・厳重な都市封鎖は効果が少ないという

世界各国で厳重な都市封鎖や外出制限が行われ、一見効果があったように映りました。だが減少してもそれは一時的。これは完全に封じ込めるものでは無い事を証明しただけ、必ず何処かで何時かはぶり返す。幾らPCR検査をしたところで無意味です。
感染防止の申し子であったベトナム。あれほど厳しく市民の行動を管理。自警団の様な権力をカサにした横暴な振る舞い。違反すれば須らく罰金というのはその場限りの自己満足で結果として安堵感の演出に過ぎず、先のような状況をみれば制圧は結果としてできなかった。むしろ経済的被害を大きくしただけでその後遺症が問題。厳しい規制を国家的に行ったため損害の方が目に見えた形でボディーブローになってしまう危険性がある証です。

・緩い日本のやり方が多くの人を救えたとも

世はまさにCOVID-19が支配。医療現場もそののけそこのけ状態で多くの患者が救われないし入院待機が長く続いている状況。これは問題とされても比較的小さく扱われる可笑しさ。
ところがいくつかの病院・医院は一般外来を続け、また救急も受け入れていました。万一日本で警察が公権力を武器にして取り締まりを強化していたなら、救われる命もさらになかったと推測できます。従ってここぞと都市封鎖や人の行動制限を掛け罰金を課すという案もあったが、こんなことをすれば悪影響の方が問題で、医師が患者の診療も手術や出産も出来なくなる。
要は医師が普段通りの仕事ができる態勢が最も安全。海外の様に規制で家に引きこもり、何もできない不自由な生活こそ問題で、これに同調し視聴者に脅しをかけるメディアや知識のないコメンテイターとか、知った被りの似非評論家の存在が危険なのです。感染者数は一つの目安。やたら陽性患者の増減を鼓舞しPCR検査を絶対視する人の有害無益。これより国民を信頼するのが大切。

・日本は自粛要請で正解?

この医師は日本のこれまでの方法が正しかったといいます。日本は自粛を要請。ベトナムは厳格な外出制限に、テレワークを拡大。日本のGDPは7~10月で3%減少。ベトナムは7~9月で6,17%減。欧米各国は13~数%伸びている。日本は自動車などの輸出が電子部品の欠如があった。
ベトナムは内需減と工場閉鎖が主理由で、このしわ寄せが日本などに影響した。
なにが正解か、その国の事情や置かれた立場にも拠るため一言では難しいが、果たしてその検証はどうなのか。
他にも国立大学の大学教授は同様に中庸が効果ありという見解を述べ、厳格な都市封鎖と規制緩和の繰り返しを行えばオンとオフが返って危険、感染者を増やす事になると警鐘。9つの指標から政策の強度を換算した厳格指数からみて日本は真ん中のやや上とか。これが結果として最善の対処だったとしています。
感染とその死亡を押えるために国家が非常手段に訴えて個人まで介入するのは国民を護ろうとの目的はあるにしろ、法なくして首相命令ひとつで都市封鎖・工場閉鎖を強制、かつなし崩し的に権力行使するのは恐怖政治以外にない。
赤字の責任を政府がとれるか?
むしろ無症状で健康な人にまで苦痛を強いるより、多くの日本国民が自主的に日常普通に行っている衛生上有効な行動を信じる。ユルユル、マアマアであるけれど、(これはビジネスでは如何か?だが)必要以上で過度な制限を加えるより、最も理にかなっていることが証明されている。この間にワクチンが行き渡り、やがて集団免疫ができ、普通の風邪の様になって行く可能性がある。夫々に異論はあるが、このように考えるのが一つの答えなのかも知れません。
COVID-19でより明るみになった科学技術軽視問題。世界的に最も優れた感染症研究はお株を欧米に奪われ見る影もない日本。首相は10兆円を投入するとかだが、「配分」を確実にして成果を焦り強要するよりじっくり構えられるか。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生