DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫
1階の柱、全57本を打ち終えたのが海開きと同じ日の4月9日だった。1階の階高は3メートル70センチ、ベトナムは住宅の場合でも日本に比べて階高が非常に高く、天井高さも高いのが一般的だ。工場内が吹き抜けになっているので、柱が真っ直ぐ出来ていないと目立つため、型枠を起こしたあと、上部から糸を垂らして型枠上部の隙間と下部の隙間の差を測って、柱の型枠が真っ直ぐ出来ているかどうかを確認する。その時に使う道具が「下げ振り」という糸の先におもりが付いたものだ。その道具を使って全部の柱が真っ直ぐかどうかを計測する。この工場では2mmまでを許容範囲として計測したのだが、その下げ振りがタコ糸の先に石やレンガをくくりつけたモノなのだ!あれ?私はピラミッドを作っていたのか?今は21世紀だよな、、笑いが止まらなかった。またその石やレンガの表面積が広いため、風に揺れて寸法が読みづらい上に、上で計測しているワーカーと下で計測しているワーカのスケールの当て方が斜めになっていたりして、上部と下部の数値を無理やり合わせようとしているのだ!キミたちは小学生か!?
次に柱の周りに足場を組んでその上からコンクリートを打設するのだが、ある日その様子を見てビックリした。今までポンプ車を使って柱の型枠の中にコンクリートを流し込んでいたのだが、その日は2本だけコンクリートを打つということで、ショベルカーのショベル部分にコンクリートを流し、ショベルを上まで持ち上げ、上部でワーカーがスコップで柱の型枠にせっせと入れているではないか!
「ストーップ!ストップ!」何をやってるんだ?君たちは?作業を中止させる。彼らがいうにはポンプ車が故障していて借りることが出来なかったからだと言う。せめてホッパーを使えよ!もしくはわざわざ今日2本だけコンクリートを打たなくてもいいだろう!だが、これも先述したようにワーカーたちはその日の仕事はその日に終わらせないとお金をもらえないからだ。しかし、そんなに時間のかかる打設の方法ではコンクリートの性能が十分発揮できない。次の日、型枠をとり外すと案の定ジャンカ(コンクリートと骨材がうまく混ざっていない状態)だらけだった、当たり前だ!即その2本の柱を破壊させて、後日もう一度作り直させた。
折角垂直方向をチェックしても型枠に乗ってたら狂ってまうやん!
次回予告:柱破壊!Thai Binh 訪問