DELTA ARCHI TECTS VIETNAM CO.,LTD.
代表取締役社長 三角照夫
ドア・窓についても順次、取り付けを行っていくのだが、ドア・窓についても他の工事と仕事の進め方は同様で、設計図の仕様に基づきサブコンストラクター(おのおの各業者)から製作図を作成してもらい、その図面をチェック、承認したものから製作を始めてもらう。と言った流れになるのだが、その図面を提出してくるのが非常に遅いのだ。
また、設計図の建具の図面をそのまま図面の枠だけを変えて製作図として提出してくるので、建具の性能や納まりを全然考えていないから製作図のチェックに非常に時間が掛かる上に、今までさんざん時間があったのに製作に取り掛かるという1日、2日前に製作図を提出してきて、早く承認してください。と言ってくる。のだが、すぐチェックなど出来るはずがない。
ベトナムの窓について、雨天時に窓からの雨水の侵入があって困る。と言った話をよく耳にする。例えばアルミサッシの引き違い窓の場合、窓の枠と窓の部分にモヘアやゴムのパッキンが付いていない場合が多い。
これは雨水が侵入して当然なのだが、製作図でチェックしておかないと、あとになってから指摘しても彼らはつけてくれないので要注意だし、通常はサッシの下枠に水が溜まらないように水抜き穴が開けてあるのだが、これも水抜き穴が空いていない場合がある。ただし、風が強い場合にはその水抜き穴から空圧で雨水が侵入してくる恐れがあるので要注意だ。
ドアクローザーについては、左に取り付けるタイプ、右に取り付けるタイプは存在するのだが、外開き内開きの扉の場合、枠の形状によって取り付け方がおかしくなることがよくある。
例えば廊下から部屋に入る扉が部屋側に開く内開きの場合は、廊下側にドアクローザーを取り付けると見栄えが良くないので、部屋の内側に付けるのだが、放っておくと外の廊下側にドアクローザーを取り付けられてしまうので要注意。さらにドアクローザー自体にストッパーが付いているタイプも探せばあるとは思うのだが、現場が始まってからだと、時すでに遅し、ベトナムにはありません。と言われておしまい。これも設計の見積もり段階で指摘しておかなければならない。いつも最後の最後に彼らから、ここはベトナムです。と言われてしまい美しい建物を作れなくなってしまう。
網戸に関しても網戸とサッシとの隙間にモヘアやゴムが入っていないので、虫は入り放題、ということになりかねないのだが、日本でも窓を開ける方向を間違えて網戸にしている家庭をよく見かける。
2枚の引き違い窓の内側にあるサッシの方をオープンにし、外側に出ている窓の縦の枠と網戸の枠が重なり、隙間のないように使用するのが正解だ。イメージできるだろうか?皆さんの家の窓で確認してみて欲しい。
次回予告: ボイラー・ソーラーパネル
写真の窓の場合だと左側の扉を右側にスライドさせて窓を開け、網戸はその左側の空いている方へスライドさせて持ってくるようにすると虫は侵入してこない。この工場の場合は窓の内側に網戸を付けるタイプのものを使用しているので、左右どちらに開けても虫は侵入できないようにしている。