ベトナムの医療人材育成支援

2019年9月23日(月)

ベトナム保健省と国際医療福祉大学(栃木県)は、医療部門での人材育成に関する協力覚書に調印したという報道がありました。
政府に拠ると医療人材育成はベトナムの課題である。ベトナム人医学生はこの大学の奨学金を受けることが出来、修士コースにも進学ができる。さらに日本国内にある同大学病院施設で就職できる可能性があるとしています。また関係機関の訓練も大学の支援で行なうと歓迎しています。
前に書いたようにベトナムの医療水準はまだ低く、リッチ層の多くは近隣諸国へ治療に行くほど。最近は民間病院も大都市で完成、最新医療機器を持つ病院も増えてきているのだが、高難度の手術や最先端医療機器の扱いや解析などは相当遅れているのが実態です。実際にHCM市内の大手病院で就労ビザに必要な健康診断を受けると分りますが、レントゲン検査も遥か昔の機械。CTなどは限られるし、MRIも都市部の大病院にあるので、地方では検査が受けられないというのが実態。従って多くの患者は家族と一緒にハノイやHCM市など大都市へ来ないことには診断さえ出来ないのです。
さる日本の大手商社では年2回の健康診断でさえ社員を毎回帰国させるほど。空港で顔をあわせると絶対命令だと言うので羨ましい。格差が浮き彫りにされます。また現地病院で心臓手術が出来ないためタイへ行った駐在員も居るし、国際病院の日本人医師が機内に付き添って帰国した人もいる位の信用度です。
1000床を持つ省関係の病院が完成する前に、此処の関係者から運営をしてくれる日本の病院が無いか?という相談があって関係先を紹介したことがありましたが、仏作って魂入れず、箱物を急ぐのはなぜか。
さて、この国際医療福祉大学。随分前にJICAから派遣され准教授(当時)の林先生(和歌山出身の女医)が、HCM市のチョーライ病院で5年間、作業療法の指導育成をされた実績があります。
これは大手介護施設を持つ日本企業がベトナムに進出する計画を持っており、実情を把握するため先生にご教示頂きました。因みにこの病院は日本の支援で建設され、現在新しい病院を建設中。(こういう視察に関しては本来一ヶ月以上前に許可が必要。全員のパスポートの写しや経歴などを書面で提出しなければならないが簡単では無い)。
現地の介護に関しては日本の様な制度は在りません。林先生は巡回訪問を始め、当時全く認知されていなかった作業療法も現地スタッフに指導して回りました。貢献と功績が認められ、政府から叙勲されるほど高い評価をされています。
また機能回復訓練である物理療法室はありますが、設備は整っていなく古く使い回された器具。また指導法も確立されたものではありませんでした。現場の担当者から日本の進んだ療法の勉強をしたいとの希望がありましたが、何よりも圧倒的に知識のある専門職員が足りず、資格制度それ自体はありません。
映画化された「トゥイの日記」の主人公は、ベトナム戦争で戦死したハノイの女子医学生ダン・トゥイ・チャム。この親友であるチュン医師、ラン医師などは要職を歴任。海外で研修を受け、1990年代には障害児教育のため海外の支援を受けて施設を作りましたが、一般のリハビリ教育や施設は遅れているのが現状です。
ベトナムはこれから高齢化社会を迎えます。日本の介護専門学校へ行っている人達は随分前からいますが、技術を取得した人が帰国しても資格や評価などを明確にした受け皿を作らないと前進はありません。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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