ベトナム版 一村一品運動

2020年2月5日(水)

一村一品運動は日本が発祥。大分県知事であった平松守彦さんが1979年に提唱したのが始まり。中央官僚から大分県に戻り高度経済成長に拠る人材流出に悩むこの県を活性化しようと知恵を絞ったのです。
観光や文化などを含めた地元の名産作りを通じて人材育成を行う狙いがあり、また衰退する農山村漁村の発展を促進するためブランディングを行いました。
テレビなどでお馴染みになった関アジ、関サバはこの代表的なもの。付加価値を高めた結果、魚だけに尾ヒレが付いて評判を呼び、高い値段で飛ぶ様に取引。幻の魚と言うけれど、マーケティングに必要とされるこの物語はマメディアが食レポのため作っただけ。また焼酎にカボス、椎茸や豊後牛等が特産品へ昇格、大分の知名度が一気に高まったのは彼の功績以外の何物でもありません。
この基本的概念とはグローバルに物事を考えず、世界レベルになることも目指さない。あくまでもローカルに徹して地方文化と産物を発信することで価値を創造する仕組み。しかも一過性ではなく、持続的に発展することが大切な要素。単なるみやげ物の開発コンクールではなく、地元の伝統と歴史風土などもとから存在するモノや隠れた産品を発掘し、今の時代に併せて蘇らせる。さらに自らの創意工夫を加えて其処にしかない新しい価値を創ることを目指すという、斬新で効果的な地域活性法です。
地方大学も同様。特にデキル男子高校生は都会の伝統ある有名校に流れ、地元に残らず帰っても来ない。それでは地方が衰退してゆく一方でしかありません。
今年創立20周年を迎え、ベトナム人留学生数が2位となった立命館APUが開学するにあたり、建学の理念に共鳴し用地提供などを行いました。
海外からの留学生が全学生数の半分以上にもなるという、違った文化を持つ若い外国人と地域が共生できれば県が活性化する利点は大きい。また大分ファンとして育った優秀な人材が世界で活躍することで、必然的に知名度アップに繋がり、ひいては日本のためにもなる。常に将来に目を向けていました。
道の駅はこの様な思想が川下で具現化したもので、多くの人が簡単に利用でき、販売者と消費者とは中間搾取がなく直接交流のメリットがあり、リアルタイムに商品の企画化と広範囲に訴求が可能となるもの。また6次産業を進化させた延長線だが、決して大企業のためにあるのではなく、あくまでも地域のためと考えます。

こうした理念は日本から世界に広がりました。ベトナムでも同様の運動が行われていて、品質向上や農山村漁村での所得改善にも寄与していますが、まさか此処までとは本人も予想しなかった筈。
・ベトナムに於ける職業村の存在とは
一村一品運動は新農村作りの一環。2008年農業農村開発省がクアンニン省で試験的に開始したもので、各地方の農山村部にある資源を活かして特産品を自力で開発。その付加価値の向上させることによって地域経済を発展させるというプロパガンダ。好結果が出たため全国普及させました。2年後には全国で2400の製品を標準化。生産組合が企業と連携した生産方式の完成を目標としていたのです。
特筆すべきは数多くの手工業製品を作る職業村は全国におよそ5400カ所ありますが、このうち伝統的な職業村は現在2000カ所存在。この歴史は古く300年~1000年、場所によっては数千年もの歴史があると言われます。こうした伝統的な製品は、初めて開発をした実在した人物が居るのが一般的。現在でも各村ではこの恩恵に感謝し、殆どの村では始祖や守護神として崇め、神社や祠を建立して祀っています。毎年この始祖の徳や恩を偲んで祭りや儀式を盛大に行うのが伝統的な習わしです。
これ等の伝統的職業村は12の無形文化遺産、各村独自に存在する文化遺産と祭りを伝承するとされ、こうした民族の遺産はその手工業製品と共に観光資源として脚光を浴びています。
これが文化遺産の保存と職人養成、雇用創出と収入の安定化や生活改善に寄与すると職業村協会は考えており、2023年までに全国の職業村を発展させるため、潜在力がある観光を発展させることが伝統文化の保護になるとします。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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